ドル円29日からの高値切り下がりパターンを破る(9/14)

9月7日安値110.38円から12日未明高値111.64円まで上昇してからはいったん反落して13日未明には111.10円まで下げていた。

ドル円29日からの高値切り下がりパターンを破る(9/14)

【概況】

9月7日安値110.38円から12日未明高値111.64円まで上昇してからはいったん反落して13日未明には111.10円まで下げていた。ユーロやポンドの上昇基調が続く中で米生産者物価指数の伸びが鈍化し、さらにウォールストリート・ジャーナル紙電子版が「トランプ米政権が中国との貿易摩擦緩和に向けた閣僚協議の再開を打診した」と報じたことで貿易戦争泥沼化への懸念後退感からドル安となり、ドル円でもドル安円高となったことが12日夜の下落背景だった。

13日の日中は日経平均が上昇開始、終値で216円高となり、上海株も下げ止まったことで米中閣僚級協議再開報道によるリスクオン心理がドル円にも波及し、クロス円全般での円安を助長した。
13日夜はイベントや発表、報道も多かった。20時にはトルコ中銀がエルドアン大統領の利上げ希望に反して史上予想を上回る利上げを決定したことでトルコリラが上昇、新興国通貨安不安が後退した。さらに米消費者物価指数の鈍化、ECBが年末までに量的緩和を終了する姿勢と景気への強気見通しを示したことでドル安感が強まり、WSJ紙が米中協議再開は米トランプ政権に政治的圧力がかかっているため」と報じたことから協議進展への期待も強まった。これらを背景にドル円は急伸、12日未明高値を上抜き、さらに8月29日深夜高値111.82円、9月5日深夜高値111.75円と切り下がってきた高値ラインを超えて両高値も上抜いて112円に迫った。
深夜にはトランプ大統領が再び対中強硬姿勢をアピールするツイートを行い、アトランタ連銀総裁が四半期ごとの利上げ継続への賛同を示したことでドル安にブレーキがかかったが、ドル円は高値圏にとどまっている。

【米中協議】

前日に米中閣僚級協議再開を米国側が打診していると報じたWSJ紙は続報で「トランプ政権側が中国との交渉で難航し、圧力を受けている」と報じたが、トランプ大統領は「ウォール紙は間違っている。米国側は中国側と合意するための圧力にはさらされていない。中国側が米国側と合意するための圧力にさらされている」とツイートした。米中協議進展期待に水を差すもので、この問題に過敏に反応してきたゴールドは直前までの急騰から一転して10ドル以上の反落となったが、ユーロやポンド等は直前の高値圏を維持した。
中国商務省報道官は13日に北京での定例記者会見で「中国が米国からの招きを受けて両国が具体的作業に取り掛かっている」と述べた。今回の協議再開はムニューシン財務長官が主導して中国側を協議に招請しており、中国側が同意すればワシントンで協議が再開される可能性が高いという。クドロー国家経済会議(NEC)委員長も「これは前向きな事態だ」「我々は現在連絡を取り合っており意思の疎通は密になったと言える」と述べたとWSJ紙は報じている。

これに水を差すようなトランプ大統領ツイートだったのだが、6月初旬に中国の劉副首相を含む閣僚級会合が3回行われて大筋合意へ進展しつつあったものをトランプ大統領が拒否して強硬姿勢を貫いたために6月15日からの人民元安を招いた経緯もある。11月には米中首脳会談も予定されているようだが、中間選挙を控えて強気姿勢と米国有利な条件の引き出しを図り、選挙戦を有利に展開したいトランプ大統領が再び対中強硬姿勢を強める可能性にも注意したい。8月23日には米中商務次官級協議が開催される中で160億ドル規模の対中制裁関税発動を行った。9月6日には2000億ドル規模も追加関税についての意見公募も終了しているためトランプ大統領はいつでも発動することが可能ともいえる。

トルコ中央銀行は13日、エルドアン大統領の利下げ要求発言に反して1週間物レポ金利を6.25ポイント引き上げて24%とした。市場予想の3.25ポイントを超える利上げとなり、中銀の独立性が維持され、市場をやや安心させた。
ECBの理事会は政策金利現状維持としたが、量的緩和政策のうち10ー12月の債券購入を月額150億ユーロとし、現行から半減させて12月で終了する従来からの方針を維持した。また政策金利は「少なくとも2019年夏の終わりまで」現行水準にとどまることも再確認した。これは直実に金融政策正常化へ向かっているとしてユーロ高ドル安材料となったが、ユーロ高円安によりドル円においてもさほどのブレーキにはならなかった。

8月の米消費者物価指数は全体の前月比が予想の0.3%を下回る0.2%、前年同月比が予想の2.8%を下回る2.7%と鈍化した。コア指数も前年同期では予想及び前月の2.4%を下回る2.2%にとどまった。前日の生産者物価の伸び鈍化とともにこれらはドル安要因となったが、ドル円の下落反応は限定的だった。

【60分足一目均衡表、サイクル分析】

【60分足一目均衡表、サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、9月7日午前安値をサイクルボトムとして10日夜から12日深夜にかけての間への上昇を想定していたが、12日夜の下落で11日夜安値も割り込んだために13日朝時点ではひとまず12日朝高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとした。また今回の安値形成期は7日午前安値を基準として12日から14日にかけての間と想定されるので、早ければ13日未明安値でサイクルボトムをつけた可能性があるとし、111.50円超えからは12日朝高値111.64円試しとし、高値更新からは新たな強気サイクル入りとして次のトップ形成期となる17日午前から19日午前にかけての間への上昇へ進む可能性が高まるとした。13日夜の上昇で12日朝高値を超えて新たな強気サイクルに入ったと思われる。このため111.50円を上回るうちは高値試しの継続とし、111.50円割れからは弱気転換注意とするが、新たな弱気サイクル入りは13日未明安値割れからとする。

60分足の一目均衡表では13日未明安値への下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落したが、13日夜の反騰で両スパンそろって好転した。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とし、遅行スパン悪化からは弱気転換注意として先行スパン試しとするが、その前後では押し目買いも入りやすいとみる。

60分足の相対力指数は13日未明への下落で30ポイント台序盤まで下げたがその後に50ポイントまで戻していたため、50ポイント以上を維持すれば高値更新へ向かう可能性も出てくるとしたが、深夜の上昇で70ポイント越えまで上昇している。60ポイント前後までを支持線とし、上回るうちは高値試しを継続しやすいとみるが、60ポイント割れを切り返せなくなる場合は下げ再開注意とする。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、111.50円を下値支持線、8月1日高値112.15円を上値抵抗線とみておく。
(2)111.50円を上回る内は高値更新余地ありとし、高値更新からは8月1日高値試しを想定する。その前後では売られやすいが越えてくる場合は9月7日からのN字型二段上昇として112.36円前後試しへ向かうとみる。112.36円以上は反落警戒とするが、112円台に乗せて維持するうちは112円台中後半まで上値目途を切り上げてゆく可能性が出てくるとみる。
(3)111.50円割れからは弱気転換注意として13日未明安値試しを想定するが、底割れ回避のうちは111.50円越えからの上昇再開とし、底割れからが新たな弱気サイクル入りにより7日安値試しへ向かう下落期に入るとみる。

【当面の主な予定】

9/14(金)
11:00 (中) 8月 小売売上高 前年同月比 (7月 8.8%、予想 8.8%)
11:00 (中) 8月 鉱工業生産 前年同月比 (7月 6.0%、予想 6.2%)
18:00 (欧) 7月 貿易収支 (6月 225億ユーロ)
19:00 (英) カーニー英中銀(BOE)総裁、発言
21:30 (米) 8月 小売売上高 前月比 (7月 0.5%、予想 0.5%)
21:30 (米) 8月 小売売上高 除自動車 前月比 (7月 0.6%、予想 0.5%)
21:30 (米) 8月 輸入物価指数 前月比 (7月 0.0%、予想 -0.3%)
22:00 (米) エバンス・シカゴ連銀総裁、講演
23:00 (米) ローゼングレン・ボストン連銀総裁、講演
22:15 (米) 8月 鉱工業生産 前月比 (7月 0.1%、予想 0.3%)
22:15 (米) 8月 設備稼働率 (7月 78.1%、予想 78.2%)
23:00 (米) 7月 企業在庫 前月比 (6月 0.1%、予想 0.4%)
23:00 (米) 9月 ミシガン大学消費者信頼感指数 速報 (8月 96.2、予想 96.8)

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