米中閣僚級協議再開ドル全面安株高支えになる?(9/13)

ウォール・ストリート・ジャーナル紙電子版はトランプ米政権が中国との貿易摩擦緩和に向けた閣僚協議の再開を打診したと報じた 。

米中閣僚級協議再開ドル全面安株高支えになる?(9/13)

【概況】

9月7日安値110.38円から反発に入り、12日朝高値111.64円まで丸3日間の上昇で1.26円のドル高円安となったが、8月29日深夜高値111.82円から9月5日深夜高値111.75円とやや切り下がった高値の抵抗線までちょうど戻したところで行き詰まり、夜間には米中閣僚級通商協議再開報道や米生産者物価指数の伸び鈍化によるドル安により13日未明安値111.10円まで下げた。13日朝は111円を挟んだ持ち合いとなっている。

米生産者物価指数の伸びが鈍化したこともドル安ゴールド高に寄与した。8月の米生産者物価指数は前月比0.1%低下となり、予想の0.2%上昇を下回り、前月の横ばいから鈍化した。前年同月比は2.8%上昇で2月以来の低い伸びとなり、市場予想の3.2%上昇、前月の3.3%上昇から低下した。コア指数は前月比0.1%低下(予想0.2%上昇)、前年同月比は2.3%上昇(予想2.7%上昇)だった。
12日夜の市場反応はひとまずドル全面安であり、ドル円も下落した格好だが、米中問題でのリスク回避感後退による株高がドル円を支える可能性はあるので、ドルストレートでのドル安の一方でクロス円での円安によりドル円上昇再開という可能性も出てきた印象だ。

【米中閣僚級通商協議再開報道】

ウォール・ストリート・ジャーナル紙電子版はトランプ米政権が中国との貿易摩擦緩和に向けた閣僚協議の再開を打診したと報じた 。ムニューシン財務長官等の米国側交渉団が中国の劉鶴副首相に今後数週間以内の協議再開を提案したという。
米中双方は6月初旬までに3度の閣僚級協議を開催したが合意に至らず、トランプ大統領が強硬姿勢をとったことで6月15日から人民元の急落が始まった。7月には総額500億ドル規模の中国製品に対する制裁関税の内340億ドル分が実施された。

8月16日には商務次官級の協議開催報道をきっかけに人民元は反発したが、次官級協議開催中の8月23日には残りの160億ドル分が発動され、次官級協議は具体的な進展が伝えられなかった。
その後もトランプ大統領は追加の2000億ドル規模に及ぶ中国製品への関税強化、さらにまた2670億ドル規模の拡大姿勢も示してきたため、非鉄、貴金属、資源通貨、新興国通貨の下落が顕著となった。ドル円もこの問題に対するリスク回避感が上値を抑えてきた。

追加の2000億ドル規模の対中制裁関税についてはその影響に関する公聴会、意見公募期間が9月6日で終了したため、今週は発動されるのではないかと市場も懸念を強めていたが、今まで見送られてきた。その上で今回の閣僚級協議再開報道が出たことで、米中の通商協議合意による貿易戦争泥沼化への過剰な懸念がやや後退したという印象だ。しかし8月の次官級協議も不発に終わっていること、トランプ大統領の強硬姿勢は堅持されていることから先行きをさらに楽観するには追加の報道も欲しいところだ。

【60分足一目均衡表、サイクル分析】

【60分足一目均衡表、サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、9月7日午前安値で直近のサイクルボトムをつけて強気サイクルに入り、次のトップ形成期となる10日夜から12日深夜にかけての間への上昇が想定されたが、12日夜の下落で11日夜安値も割り込んだため、ひとまず12日朝高値を直近のサイクルトップとして弱気サイクル入りしたと思われる。今回の安値形成期は7日午前安値を基準として12日から14日にかけての間と想定されるので、早ければ13日未明安値でサイクルボトムをつけた可能性がある。

111.50円を超えてこない内は13日早朝安値111.10円割れからボトム形成の継続として13日夜、14日朝へ一段安する可能性がある。111.50円超えからは12日朝高値111.64円試しとし、高値更新からは新たな強気サイクル入りとして次のトップ形成期となる17日午前から19日午前にかけての間への上昇へ進む可能性が高まるとみる。その際には8月29日からの高値切り下がりパターンを脱却する一段高となる可能性も考えられる。

60分足の一目均衡表では13日未明安値への下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落したが、13日午前の反発で先行スパンへ潜り込始めている。111.50円超えへ進めば先行スパン突破、遅行スパン好転となるため高値更新へ進みやすくなるが、111.50円を超えないうちは一段安余地が残るので、13日未明安値割れからは遅行スパン悪化中の安値試し優先と考える。

60分足の相対力指数は13日未明への下落で30ポイント台序盤まで下げたがその後に50ポイントまで戻している。強気逆行型は見せていないので、40ポイント割れへ下げるようなら安値更新へ進む可能性が残るが、50ポイント以上を維持すれば高値更新へ向かう可能性も出てくると思われる。13日未明安値割れへ下げる場合は指数のボトムが切り上がる強気逆行ができるかもしれない。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、13日未明安値111.10円を下値支持線、111.50円、次いで12日未明高値111.64円を上値抵抗線とみておく。
(2)111.50円を下回る内は111.10円割れから一段安へ進む可能性が残る。安値更新の場合は110.75円前後試し、さらに米中問題の楽観が削がれる場合や米消費者物価指数の伸び鈍化の場合、今晩のECB理事会や英中銀の金融政策発表から円高反応になる場合は7日安値110.38円を目指すような下落となる可能性も残る。
(3)111.50円超えからは12日朝高値試しとし、当初はダブルトップ形成からの反落注意とするが、高値更新からは8月29日深夜高値111.82円試し、超えれば112円を目指す可能性ありとみる。112円到達ではいったん反動安を入れやすいとみるが、高値切り下がりパターンを破れば上昇基調の継続感も強まると思われる。

【当面の主な予定】

9/13(木)
10:30 (豪) 8月 新規雇用者数 (7月 -0.39万人、予想 1.80万人)
10:30 (豪) 8月 失業率 (7月 5.3%、予想 5.3%)
15:00 (独) 8月 消費者物価指数 改定値 前月比 (速報 0.1%、予想 0.1%)
20:00 (ト) トルコ中銀、政策金利 (現行 17.75%、予想 22.00%)
20:00 (英) イングランド銀行(BOE)政策金利 (現行 0.75%、予想 据え置き)
20:00 (英) 英中銀資産買取プログラム規模 (現行 4350億ポンド、予想 据え置き)
20:45 (欧) 欧州中銀(ECB)政策金利 (現行 0.00%、予想 据え置き)
21:30 (欧) ドラギECB総裁、定例記者会見
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 20.3万件、予想 21.0万件)
21:30 (米) 8月 消費者物価指数 前月比 (7月 0.2%、予想 0.3%)
21:30 (米) 8月 消費者物価指数 前年同月比 (7月 2.9%、予想 2.8%)
21:30 (米) 8月 消費者物価コア指数 前月比 (7月 0.2%、予想 0.2%)
21:30 (米) 8月 消費者物価コア指数 前年同月比 (7月 2.4%、予想 2.4%)
26:15 ボスティック・アトランタ連銀総裁、講演
27:00 (米) 8月 月次財政収支 (7月 -769億ドル)

9/14(金)
11:00 (中) 8月 小売売上高 前年同月比 (7月 8.8%、予想 8.8%)
11:00 (中) 8月 鉱工業生産 前年同月比 (7月 6.0%、予想 6.2%)
18:00 (欧) 7月 貿易収支 (6月 225億ユーロ)
19:00 (英) カーニー英中銀(BOE)総裁、発言
21:30 (米) 8月 小売売上高 前月比 (7月 0.5%、予想 0.5%)
21:30 (米) 8月 小売売上高 除自動車 前月比 (7月 0.6%、予想 0.5%)
21:30 (米) 8月 輸入物価指数 前月比 (7月 0.0%、予想 -0.3%)
22:00 (米) エバンス・シカゴ連銀総裁、講演
23:00 (米) ローゼングレン・ボストン連銀総裁、講演
22:15 (米) 8月 鉱工業生産 前月比 (7月 0.1%、予想 0.3%)
22:15 (米) 8月 設備稼働率 (7月 78.1%、予想 78.2%)
23:00 (米) 7月 企業在庫 前月比 (6月 0.1%、予想 0.4%)
23:00 (米) 9月 ミシガン大学消費者信頼感指数 速報 (8月 96.2、予想 96.8)

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