日米貿易協議は延長、今日こそレンジ放れ!?(8/10夕)

10日の東京市場は、111円挟みの乱高下。レンジそのものは決して広くなかったが、「日米貿易協議」の行方などをにらみつつ、

日米貿易協議は延長、今日こそレンジ放れ!?(8/10夕)

<< 東京市場の動き >>

10日の東京市場は、111円挟みの乱高下。レンジそのものは決して広くなかったが、「日米貿易協議」の行方などをにらみつつ、111円を挟みなかなか激しい上下動をたどっている。

ドル/円相場は、111.05-10円で寄り付いたのち、当初はドルが小じっかり。111円レベルをボトムに底堅く推移したが、割り込むと日中安値である110.65-70円まで一時値を下げた。ただ、下値も底堅く攻めきれず。そののちドルは反発に転じると111円台を回復するなど、「行って来い」の様相に。16時時点では、ほぼ寄り付きレベルの111.00-05円で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、前日に対円で年初来安値を更新したトルコリラは本日も冴えない。対円やドルで急落し、前日記録した安値を再び更新している。英紙FTが「ユーロ圏の金融当局がトルコの通貨リラの急落を受け、トルコへの貸し出し規模が大きい金融機関のエクスポージャー(リスクの割合)を憂慮している」と報じたことが嫌気されていたという。

一方、材料的に、もっとも注視されていたものは、引き続き「米貿易問題」と「北朝鮮情勢」。
前者については、東京時間の本日早朝に終了した、初の日米貿易協議が「10日も協議継続」(茂木再生相)になったことが明らかにされたうえ、「貿易協議、米は2国間の交渉を進めたいとの立場」(同)との発言が聞かれ、依然として強い懸念がくすぶる結果となった。
対して後者は、朝鮮中央通信が「北朝鮮、『制裁・圧力に血眼』と米を非難」と報じるなか、北朝鮮分析サイト38ノース「北朝鮮、黒鉛減速炉の工事継続の可能性が高い」、聯合ニュース「北朝鮮道路の南北共同調査、急きょ延期」、平壌放送「北朝鮮、日本人拉致問題は完全に解決された問題」−−などといった各種報道が観測されている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、どうにもまどろっこしい。7月31日、そして昨日も下げ止まった110.70円レベルを本日東京時間に一時下回ってきたものの、またもや値は走らず、そののち111円前半までプルバックする展開となっている。つまり、レンジブレークの兆しはあるものの、いまだ「しっかり」と下抜けたとは言えそうにない。引き続き足もとの111円台を中心としたレンジをめぐる攻防には要注意だ。
材料的には、幾つか注目要因があるが、とくにとなると米中そして日米を中心とした「貿易問題」が目先の波乱要因か。うち、日米については、昨日「貿易協議は一日だけの予定だが、延長の可能性もある」としたうえで、「為替市場への影響も週末10日あるいは来週へ持ち越されることも否定出来ない」−−と指摘したが、まさにそうした展開をたどっている。また、依然として「合意内容次第で週明けの日本株相場が下落してスタートする」などといった警戒感を指摘する声も依然として少なくない。

テクニカルに見た場合、昨日など直近だけで2度下げ止まった110.70円レベルを一時下回ったものの、底堅く前回安値の110.58円には届かなかった。このあとの欧米時間、下方向についてはザックリ言って110円半ばの攻防が注視され、割り込むようだと5月安値108.11円を起点とした上げ幅のフィボナッチ61.8%戻しに当たる110.05円などがターゲットに。
対するレジスタンスは、111.20円や今週のドル高値圏である111円半ばなどとなる。

一方、材料的に見た場合、7月の米消費者物価指数が発表される予定となっており、その内容には要注意。「資源高や緩やかな賃金上昇などが物価の底上げ要因になる」との指摘も聞かれており、数字如何では9月の米利上げを支援する要因になりかねない。
ただ、基本的には、それ以上に前述した日米を中心とした「貿易問題」などに注意を払いたい。さらに、その影響が本日だけでなく、来週初め、東京が「盆休み」入りしているなか、示される展開にも要注意だ。流動性の乏しいなか、ギャップを空けて寄り付くなど、思わぬ価格変動をたどる可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.10-111.30円。ドル高・円安方向は、昨日の欧州時間以降、ドルの上値を阻んできた111.20円レベルが最初の抵抗で、抜けると今週のドル高値である111円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日の東京時間安値である110.65-70円の攻防にまずは注視。リスクは下向きである気がしているが、先週安値110.58円にはなかなか届かず、予想以上に底堅い雰囲気も。ただ、それでも割り込むようだと、移動平均の200日線や52週線など日足・週足の長期線が位置する110円前半を目指す展開となりそうだ。(了)

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