ドル高基調継続だが、上値買いにくい雰囲気(7/20夕)

前日NYの流れを継ぎ、ドルはやや弱含みで推移したものの大崩れすることはなく、112円前半を中心とした値動きに終始している。

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ドル高基調継続だが、上値買いにくい雰囲気(7/20夕)

<< 東京市場の動き >>

20日の東京市場は、ドルが小安い。前日NYの流れを継ぎ、ドルはやや弱含みで推移したものの大崩れすることはなく、112円前半を中心とした値動きに終始している。

ドル/円相場は、112.45円レベルで寄り付いたのち、週末のゴトー日ということで仲値不足観測も取り沙汰されドルはややしっかり。112.60-65円までじり高となった。
しかし、ドル買いは続かず、流れが反転すると日中安値である112.20円レベルへと軟化。その後は112円前半で一進一退をたどり、16時時点では112.35-40円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、継続案件の「米貿易問題」と、それに絡む「為替水準に関する思惑」について。前日、トランプ米大統領から「強いドルは米国を不利な立場に置く」との発言が聞かれるなか、続く格好でマルムストローム欧州委員からは「自動車関税めぐる米報復関税を準備中」、「米商務省主催の自動車・同部品の輸入制限をめぐる公聴会で、参加者からは反対論が続出」、WSJ紙「米議会、中国の対米投資制限へ法改正成立間近」−−といった関連ニュースが相次いでいた。
そのほか、中国外為市場において、「オフショア人民元が対ドルで続落し、一時6.8093元となり、約1年ぶりの安値を更新」したことが話題になったほか、終盤にかけては「中国当局が相場の下支えに動いている」との観測が広がり、人民元は値を戻している。

<< 欧米市場の見通し >>

一昨日、18日付の当コーナーで、筆者は1993年の「ベンツェン・シーリング」を取り上げたうえ、「どこまで米国がドル高水準を容認するのか−−という疑念もなくはない。そろそろ危険領域の感も!?」−−とレポートしたが、その舌の根も乾かぬうちに、トランプ米大統領から予想通り(?)のドル高牽制が観測されている。まだ腰の入った発言ではなく、ドル高基調そのものも変わってはいないが、ドルの上値を積極的に買いにくくなった感は否めない。
材料的には、昨日に続き実施される「米商務省主催の自動車・同部品の輸入制限をめぐる公聴会」と週末のG20財務相・中銀総裁会議(とG7会合・日米財務相会議)が注視されている。前者はともかく、後者については会談の内容如何では、本日ではなく来週初め、オセアニア市場の寄り付きから荒れ模様の相場付きとなる可能性も否定できず、警戒が必要かもしれない。

<< 欧米市場の見通し >>

(USD/JPY週足)

テクニカルに見た場合、大きなトレンドは依然としてドル高方向。ただ、昨日記録した戻り高値113.18円はいささか遠くなった感もある。ドルの上値は重そうだ。
対して、ドル安方向は引き続き底堅いイメージではあるが、今週初めと昨日、大きくわけても2度トライして割り込めなかった112円レベルをしっかり下回ると、たとえ一時的にせよドルの下値リスクが拡大しかねない。週足・一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する111.40円レベルなどが次のターゲットに。

一方、材料的に見た場合、目立った米経済指標の発表は予定されていないものの、ステートストリートをはじめとする米企業の決算発表、ブラード・セントルイス連銀総裁によるプレゼンテーションなどには注意を払いたい。
また、それ以外では昨日に続き実施される「自動車・同部品の輸入制限をめぐる公聴会」にも依然要注意だ。初日には「米国内外から異論が噴出した」(時事通信)とされていることに加え、タイミング的にも週末のG20財務相・中銀総裁会議に繋がる要因として警戒する声は少なくない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.60-113.00円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値112.60-65円が最初の抵抗で、上抜ければ112.80-90円そして113円レベルが再び視界内に。ただ、ドルの上値は重そうな雰囲気。
対するドル安・円高方向は、今週初めに続き昨日も割り込めなかった112円レベルの攻防にまずは注視。大崩れするイメージに乏しいが、しっかり割り込んだ場合には、週足・一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する111.40円レベルなどを目指し、ドルは続落も。

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