米国の対中制裁関税第二弾発表で円高に(7/11)

トランプ米政権は10日、中国から輸入する2000億ドル相当の製品に10%の関税を上乗せする追加制裁を正式に発表した。

米国の対中制裁関税第二弾発表で円高に(7/11)

【概況】

トランプ米政権は10日、中国から輸入する2000億ドル相当の製品に10%の関税を上乗せする追加制裁を正式に発表した。米国は7月6日に知的財産権侵害を理由として340億ドルの対中制裁を発動したが、同日に中国も同規模の報復措置を開始したためさらに制裁を強化した。米通商代表部(USTR)によれば追加制裁の発動までには約2か月かかるという。
ドル円は先週末7月6日のFOMC議事録公開、米中貿易戦争の第一弾となる米国による制裁関税発動と中国の対抗、6日夜の米雇用統計と続いた重要イベントに対し、議事録は想定内、第一弾の関税合戦も想定してきたこととし、雇用統計も強弱まちまちの内容だったとしてさほど動かなかった。週明けは重要イベント通過感からドル高優勢となり、10日は111円超えから更に買われて夜間には111.35円をつけたが、米国による第二弾の追加関税の対象リストが公表されるとの報道により上昇がストップ、さらに11日早朝の第二弾完全発動宣言により失速した。

第一弾は米中双方のジャブの打ち合いとしても第二弾は強烈なストレートであり、市場への影響も無視できない。米政権は先週から中国側の対応次第では2000億ドル規模の追加関税を発動させるとしてきたので、第二弾開始はサプライズではないものの、素早い対応だったため10日夜への上昇局面は楽観し過ぎとして反動安に陥ったというところだろう。

【ダブルトップ懸念が台頭】

7月3日高値111.13円から4日安値110.27円へ下げた後は持合いとなり、9日午前の下落では4日安値を割り込まずに確りし、6日の戻り高値を上抜いたところから上昇に弾みがついたが、5月21日高値111.39円超えへの挑戦最中に米国による制裁関税第二弾発動が報じられたために5月21日高値超えには至らなかった。このため5月21日高値と7月10日高値でダブルトップを形成した可能性も考えられるが、まだ初期的な反応で下げた程度に留まっているので、下落再開感がより強まるには7月4日安値110.27円を割り込む下落レベルへ進む必要があると思われる。111円台回復、維持へ戻す場合、11日夜のNYダウが楽観的に上昇継続の場合は7月10日高値及び5月21日高値を上抜く上昇へと再び楽観主義が優勢になる可能性も残っているところか。
既に11日朝からNYダウ先物が急落しているが、11日午前の人民元及び上海総合株価指数動向が注目される。

【60分足 一目均衡表、サイクル分析】

【60分足 一目均衡表、サイクル分析】

概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは、7月4日午前安値から3日目となる7月9日午前安値でサイクルボトムをつけ、6日高値を上抜いたところから強気サイクルに入った。今回の高値形成期は11日から13日にかけての間と想定されるところだが、サイクルトップは短縮も延長もされやすい。既に9日午前安値からの上昇分の半値を削る下落となっているので10日夜高値を直近のサイクルトップとして弱気サイクル入りしている可能性が高まったと思われる。110.75円割れからは弱気サイクル入りと仮定して次の安値形成期となる12日午前から16日午前にかけての間への下落を想定する。110.75円割れ回避で111円台を回復、維持へと戻す場合は11日朝の下落を一時的なものとして高値試しを再開する可能性ありとする。

60分足の一目均衡表では11日朝の急落で遅行スパンが悪化した。先行スパンからは転落していないが、110.75円割れの状況が続く場合は転落してくる。このため遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、先行スパン転落からは下げが加速しやすいと注意する。ただし先行スパンからの転落回避中は上昇再開の可能性も残るとみて、26本基準線超えからは10日夜高値試しへ向かいやすくなると注意する。

60分足の相対力指数は11日朝の下落で40ポイント割れまで低下した。10日夜高値形成時では80ポイントを超え、また小規模の弱気逆行も見られの下落であるため、55ポイント以上へ戻せないうちは30ポイント割れへ下落しやすいとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初の下値支持線を110.75円、上値抵抗線を111.00円と想定しておく。
(2)110.75円を上回る内は111円台回復から上昇再開の可能性ありとし、111.10円超えからは10日夜高値試しを想定するが、111.25円以上は反落警戒とみる。
(3)110.75円割れからは弱気サイクル入りと仮定して110.50円から110.25円にかけてのゾーンを試すとみる。110.30円前後では買い戻しも入りやすいとみるが、110.75円以下での推移が続く場合は11日夜、12日へ続落しやすいと考え、7月4日安値110.27円割れからは下落の長期化と110円割れへ向かう可能性を警戒する。

【当面の主な予定】

7/11(水)
北大西洋条約機構(NATO)首脳会議(ブリュッセル、12日まで)

21:30 (米) 6月 生産者物価指数 前月比 (5月 0.5%、予想 0.2%)
21:30 (米) 6月 生産者物価指数 前年比 (5月 3.1%、予想 3.1%)
21:30 (米) 6月 生産者物価コア指数 前月比 (5月 0.3%、予想 0.2%)
21:30 (米) 6月 生産者物価コア指数 前年比 (5月 2.4%、予想 2.6%)
23:00 (加) カナダ銀行 政策金利 (現行 1.25%、予想 1.50%へ引き上げ)
23:00 (米) 5月 卸売在庫 前月比 (4月 0.5%、予想 0.4%)
24:35 (英) カーニー英中銀(BOE)総裁、発言

7/12(木)
05:30 (米) ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
15:00 (独) 6月 消費者物価指数改定値 前月比 (速報 0.1%、予想 0.1%)
18:00 (欧) 5月 鉱工業生産 前月比 (4月 -0.9%、予想 1.2%)
21:30 (米) カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 23.1万件、予想 22.6万件) 
21:30 (米) 6月 消費者物価指数 前月比 (5月 0.2%、予想 0.2%)
21:30 (米) 6月 消費者物価指数 前年比 (5月 2.8%、予想 2.9%)
21:30 (米) 6月 消費者物価コア指数 前月比 (5月 0.2%、予想 0.2%)
21:30 (米) 6月 消費者物価コア指数 前年比 (5月 2.2%、予想 2.3%)
25:15 (米) ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
27:00 (米) 6月 月次財政収支 (5月 -1468億ドル、予想 -800億ドル)

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