円株価の動きに一喜一憂、方向性はやや乏しい(6/20夕)

20日の東京市場は、ややドル高・円安。ただ、値動きが40ポイント程度にとどまるなど、目立った方向性はうかがえなかった。

円株価の動きに一喜一憂、方向性はやや乏しい(6/20夕)

<< 東京市場の動き >>

20日の東京市場は、ややドル高・円安。ただ、値動きが40ポイント程度にとどまるなど、目立った方向性はうかがえなかった。

ドル/円相場は、110.05円レベルで寄り付いたのち、形成レンジは狭いものの乱高下。日経平均など株価の動きに左右される展開をたどっている。
ちなみに、日経平均株価は前日比60円高で寄り付いたものの反落、一時はマイナス圏へ。しかし、持ち直すと大引けは同276円の大幅高となった。為替市場は、そんな株価の動きに歩調をあわせた上下動を経たのち、16時時点では110.15-20円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「米貿易戦争懸念」と「北朝鮮情勢」について。
前者は前日に「ノルウェーが米を世界貿易機関(WTO)提訴へ、合計で6ヵ国・地域目」との報道に続き、ナバロ米通商製造政策局長から「米中通商協議に進展はない」とのコメントが聞かれていた。そうしたなか、日銀が議事要旨を公開、「輸出は海外経済の着実な成長を背景に増加基調」との文言が観測され、思惑を呼んでいたようだ。対して後者は、昨日実施された3度目の米中首脳会談に関する報道が相次ぐなか、韓国外相から「文大統領の平壌訪問前に小規模サミットの可能性」との見解が示されていた。

<< 欧米市場の見通し >>

テクニカルには、目先高値110.90円を起点に109円半ばまで下落した動きも一服、足もとは次の方向性を探るような展開となっている。本稿執筆時に推移している110.15-20円は下げ幅のちょうど半値程度戻したレベルであるだけでなく、移動平均の200日線も位置しており居心地も良い。「しっかり」と超えられるか否か、攻防が注視されている。
材料的には、先でも指摘したように、米国の貿易問題はますます混迷を極めてきた。しかも、いわゆる「鉄鋼とアルミニウムを対象とする輸入制限」に関する話だけでなく、メキシコ、カナダと実施している北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉についても同様だ。ちなみに、停滞するNAFTAについて、トランプ米大統領は「再交渉で進展なければ2国間交渉締結」の可能性を示唆するコメントを昨日発していた。いずれにしても、問題の長期化は避けられず、今後も相場の潜在的な波乱要因となる可能性がある。

テクニカルに見た場合、本日の東京時間のドル高値である110.25円レベルは、移動平均の200日線が位置するだけでなく、前回高値110.90円を起点とした下げ幅の半値戻しに合致するテクニカルポイント。そうした意味では、ちょうど良いレベルで上げ止まっていると言えるかも知れない。攻防には引き続き注意を払いたい。
ただ、上抜ければフィボナッチ61.8%戻しにあたる110.35-40円が次のターゲットで、しっかり超えれば110.90円も薄らと見えてくる。

一方、材料的に見た場合、1-3月期の経常収支や5月の中古住宅販売件数といった米経済指標が発表される予定であり、また前日に続き本日もドラギECB総裁のほか、黒田日銀総裁、パウエルFRB議長などがECB年次フォーラムの討論会に参加する見込みだ。前者ももちろんだが、とくに後者は要注意かもしれない。発言により、金利差拡大観測などが再び高まるようだと為替市場に対する影響もありそうだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.70-110.70円。ドル高・円安方向は、東京時間に上値をキャップされた110.25円レベルの攻防にまず注視。抜ければ、110.35-40円、今週高値の110.75円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、一目均衡表の転換線が位置する110.05円、移動平均の25日線が位置する109.95-00円など、109円半ばにかけてテクニカルポイントが目白押しだ。かなり底堅いイメージも。(了)

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