ドル円 ダブルトップ破り、三角持ち合い上放れ(5/16)

15日夜の米国経済指標はおおむね良好となり、ドル高および米長期金利上昇のきっかけとなった。

ドル円 ダブルトップ破り、三角持ち合い上放れ(5/16)

【概況】

5月10日夕刻、5月2日深夜高値に110.00円台をつけたが110円超えからの一段高へは進めずに11日深夜には109.15円まで反落した。その段階では両高値によるダブルトップ形成による下落期入りも警戒された。ダブルトップ完成にはその中間点にある5月4日安値108.64円を割り込む必要があったが、そこまで下げずに切り返す場合はダブルトップ型ではなく、「抵抗線フラット、支持線切り上がり」の三角持合いに転じ、持合い上放れ=ダブルトップ破りへと一段高する可能性が残っていた。
15日は米長期金利が上昇してドル全面高となり、ユーロ等も大幅下落、ドル円は110円の壁を突破してダブルトップ破り=三角持合い上放れとなり、16日未明には110.45円の高値を付けた。

15日夜の米国経済指標はおおむね良好となり、ドル高および米長期金利上昇のきっかけとなった。4月の米小売売上高は全体の前月比が+0.3%で前月の+0.8%(当初の+0.6%から上方修正)を下回ったが予想と一致した。NY連銀の5月製造業景況指数は20.1となり、市場予想の15.0および前月の15.8を大幅に上回った。これらの発表前段階で米10年債利回りが上昇してドル円は110円の壁を突破していたが、発表をきっかけにさらに続伸となった。

【米10年債利回りは7年ぶり高水準、SF連銀総裁タカ派的発言】

米10年債利回りは15日夜に3.095%をつけて2011年7月以来7年ぶりの高水準となった。1日の値動きとしては2017年3月以来の上昇幅となった。また2年債利回りも2.589%へ上昇して2008年8月以来10年ぶりの高水準となった。米長期金利上昇は米国の積極財政、国債増発による米長期債下落が背景だが、米連銀の利上げペース加速観測も利回り上昇を助長している。

米サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は15日の講演で「これまで示してきた緩和的な金融政策に関する文言は目的を果たしてきた」「金融政策の道筋を適切に示す新たな文言を策定する必要がある」と述べ、これまでよりも金融政策正常化=引き締めへの姿勢を強めた。この発言は米連銀の利上げペースが年3回から年4回へ加速する可能性を示唆するものと市場は受け止めて長期債利回り上昇とドル高を助長した。

【米朝首脳会談に暗雲?】

北朝鮮の朝鮮中央通信は16日、米韓空軍が開始した航空戦闘訓練「マックスサンダー」を強く非難し、16日に予定していた韓国との閣僚級会談を中止せざるを得なくなったと報じた。米韓が共同演習を行っているが、戦略爆撃機が参加していることに対し、「北朝鮮への空中からの先制打撃と制空権掌握を目的としている」「板門店宣言に対する露骨な挑戦、意図的な軍事的挑発だ」「米国も米朝首脳対面会談の運命について熟考しなければならない」と報じている。
この報道を受けて米国務省のナウアート報道官は記者会見で「トランプ政権は米朝会談の準備を続けるつもりだ」、「報道があったばかりで、検証し、追加情報を得る必要がある」と語った。
市場の反応は今のところ限定的だが、融和ムードが一変して以前の緊張状態へ回帰してしまう流れになれば以前よりも有事リスクが高まる可能性もあるため、一応注意してゆきたいところだ。

【三角持ち合い上放れによる上値目途】

15日の上昇でダブルトップ破り、三角持ち合い上放れとなった。高値更新により3月26日からの上昇は3月28日への上昇を一段目、5月2日高値への上昇を二段目とし、三段上げの三段目に入った印象だ。既に上昇幅は6円に迫っているが、昨年4月17日から5月11日への上昇が1か月弱で6.25円幅、6月14日から7月11日への上昇が1か月弱で5.65円幅、9月8日から11月6日への上昇が2か月で7.40円幅であり、今回の上昇もこれらと同レベルとなってきている。
チャート上の上値抵抗線となるべき水準は、昨年11月天井からの当初下落で付けた11月27日安値110.84円、心理的節目として111.00円、さらにはすでに半値戻しを超えているので3分の2戻しとして111.357円等が挙げられる。

概ね5か月から6か月周期での高値形成が続いているため、11月天井を基準として今回の高値形成期は4月から5月前半、やや伸びて5月後半と想定されるため、いつ戻り天井となっても不思議ない時間帯には来ていると思うが、110円台を維持するか、一時的に割り込んでも切り返すうちは上昇継続余地ありと見てゆきたい。

【60分足 一目均衡表、サイクル分析】

【60分足 一目均衡表、サイクル分析】

60分足の一目均衡表では14日午後の上昇で遅行スパンが好転、15日未明の上昇で先行スパンを突破したが、両スパン好転が続いている。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、高値更新がストップすると遅行スパンは悪化しやすくなり、高値更新なら好転状況がさらに1日単位で伸びる可能性がある点に留意する。遅行スパン悪化からは反落入りとして先行スパン上下限試しを想定する。

60分足の相対力指数は15日夜に80ポイント超えまで上昇した。60ポイント以上を維持するうちは上昇継続性ありとするが、16日未明高値を更新した後に指数のピークが切り下がれば弱気逆行となる点に注意し、60ポイント割れからは反落入りと考える。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは、5月10日夕高値を上抜いたため、11日深夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りした。今回のサイクルトップ形成期は15日から17日夕にかけての間と想定されるので既にサイクルトップを付けて反落し始めても不思議ないところだが、16日夜、17日の日中にかけてはまだ一段高余地ありとみる。110円割れから続落なら弱気サイクル入りとして次の安値形成期となる16日深夜から18日深夜にかけての間への下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)110.00円を下値支持線、16日未明高値110.45円を上値抵抗線と見ておく。
(2)110円を上回るか、一時的に割り込んでも110.25円を超えるうちは111円前後試しとみるが、110.80円以上は反落警戒とみる。
(3)110円割れから続落の場合は弱気サイクル入りと仮定して109.75円から109.50円にかけてのゾーンを試すとみる。また110円以下での推移に止まっている場合は17日にかけても安値を試しやすいとみる。(了)<9:35執筆>

【当面の主な予定】

5/16(水)
08:50 (日) 1-3月期GDP、速報値 前期比 (前期 0.4%、予想 0.0%)
08:50 (日) 1-3月期GDP、速報値 年率換算 (前期 1.6%、予想 -0.1%)
15:00 (独) 4月 消費者物価指数改定値 前月比 (速報 0.0%、予想 0.0%)
21:00 (欧) ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、発言
21:30 (米) 4月 住宅着工件数 (3月 131.9万件、予想 131.8万件)
21:30 (米) 4月 建設許可件数 (3月 135.4万件、予想 134.7万件)
22:15 (米) 4月 鉱工業生産 前月比 (3月 0.5%、予想 0.6%)
22:15 (米) 4月 設備稼働率 (3月 78.0%、予想 78.4%)
21:30 (米) ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演

5/17(木)
EU首脳会議(ブルガリア ソフィア)
06:30 (米) ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
07:45 (NZ) 1-3月期 四半期生産者物価指数 前期比 (前期 1.0%)
08:50 (日) 3月 機械受注 前月比 (3月 2.1%、予想 -2.8%)
10:30 (豪) 4月 新規雇用者数 (3月 0.49万人、予想 2.00万人)
10:30 (豪) 4月 失業率 (3月 5.5%、予想 5.5%)
18:00 (欧) 3月 建設支出 前月比 (2月 -0.5%)
18:00 (欧) 3月 建設支出 前年比 (2月 0.4%)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 21.1万件、予想 21.5万件)
21:30 (米) 5月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数 (4月 23.2、予想 21.0)
23:00 (米) 4月 景気先行指数 前月比 (3月 0.3%、予想 0.4%)
23:45 (米) カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
27:00 (メ) メキシコ中銀、政策金利 (現状 7.50%)
26:30 (米) カプラン米ダラス連銀総裁、講演

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