ドル円ダブルトップというより三角持ち合いか?(5/15)

5月10日夕刻、5月2日深夜高値と110.00円台をつけたが、上値の圧迫感が見て取れる。110円超えからの一段高へは進めずに反落となり、11日深夜には109.15円まで続落した。

ドル円ダブルトップというより三角持ち合いか?(5/15)

【概況】

5月10日夕刻に5月2日深夜高値と110.00円台をつけたが110円超えからの一段高へは進めずに反落となり、11日深夜には109.15円まで続落した。9日からはユーロ、豪ドルが反発してドル高感が一服していた事がドル円下落の背景だったが、14日夜からはユーロ、豪ドルが反落、米長期金利上昇による新興国通貨安懸念等からドル高感が戻り、ドル円も109円台後半へ戻してきた。

14日にはイスラエルの米大使館エルサレム移転問題でパレスチナ反対派に対するイスラエル軍の実弾攻撃により多数の死者がでる事件があったが市場は特に反応していない。
イラン核合意からの米国離脱問題では米国の離脱宣言とその後のイラン制裁発動ではリスク回避感が強まったが、米国以外の合意継続により落ち着いている。
米国務省はポンペオ国務長官が過去数日間に、英国、ドイツ、フランスの外相とそれぞれ電話会談したとし、イランに対する「新たな合意」について話し合ったと報じられた。今のところは様子見と思われる。

米中貿易摩擦問題でもやや楽観的な受け止め方となっている。ロス米商務長官は14日の講演で、米国企業との商取引を禁止された中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)について、取引停止に代わる別の制裁措置を速やかに検討する考えを表明した。この問題についてはトランプ大統領が13日に「速やかに事業に戻れるよう中国の習近平国家主席と協議している」とツイッターに投稿しているため、市場も両国の妥協を期待している。

米連銀の利上げ姿勢については先のFOMC以降、利上げペースを加速させるような当局者発言も見られず、米経済指標も先週はやや弱めだったため、市場の警戒感はやや一服している印象だ。ただ6月会合での利上げがほぼ確実視されているので6月入りからは再び感心が高まると思われる。

米クリーブランド連銀のメスター総裁は14日の講演で、米経済はトレンドを上回る成長が続いているものの「インフレ率の急上昇を想定していない」として利上げペースの加速ではなく現状の「緩やかな利上げ姿勢」の継続を支持する旨を述べた。

【三角持ち合い型】

5月10日夕刻、5月2日深夜高値と110.00円台をつけたが、上値の圧迫感が見て取れる。110円超えからの一段高へは進めずに反落となり、11日深夜には109.15円まで続落した。
この段階では110円処でのダブルトップ形成から弱気転換となる可能性が高まったが、ダブルトップ完成にはその中間にある谷間の安値である5月4日の108.64円を割り込む必要があった。
11日への下落では109円台を維持し、14日夜には109.50円を超え、さらに15日朝も続伸している。このため、現状はダブルトップ形成というよりも「110円をフラットな抵抗線、4日夜から11日夜へと安値ラインを切り上げる三角持ち合い」の様相となってきた印象だ。

上昇後の三角持ち合いは上昇トレンドの一服であり、時間調整終了後には上昇トレンドを再開して一段高しやすいパターンとされるが、「持ち合いは持ち合い放れにつけ」が鉄則であり、11日夜からの上昇で上放れしきれずに安値ラインを割り込む場合は持ち合い下放れとなり、逆に下落基調へ転換してしまうケースがありうる。
三角持ち合い上放れの場合は11月高値からの下落に対する3分の2戻し、111円台へ上昇する可能性も出てくるが、上放れ失敗で下落に転じる場合は3月末からの上昇一巡による下落期入りの可能性が警戒され始めると思われる。

【60分足 一目均衡表、サイクル分析】

【60分足 一目均衡表、サイクル分析】

60分足の一目均衡表では14日午後の上昇で遅行スパンが好転、15日未明の上昇で先行スパンを突破している。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、再び遅行スパンが悪化するところからは弱気転換注意、先行スパンから転落なら下落再開と考える。

60分足の相対力指数は11日午前から11日夜への安値更新期に指数のボトムが切り上がる強気逆行をみせて上昇している。14日から15日への高値切り上げでも弱気逆行は見られていないので70ポイント超えを目指す可能性ありとし、弱気転換は50ポイント割れからとする。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは、5月9日未明安値を前回のサイクルボトム、10日夕高値を同サイクルトップとした弱気サイクルにより下落してきたが、11日深夜安値からの反発でこの間の下落幅の半値以上を戻しているため、11日深夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとし、次のサイクルトップ形成期となる15日午後から17日夕にかけての間への上昇を想定する。109.50円を上回る内は高値試し優先とし、109.50円割れを弱気転換注意、109.30円割れからは弱気サイクル入りと仮定して次のボトム形成期となる16日夜から18日夜にかけての間への下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、109.50円を下値支持線、110.00円を上値抵抗線と見ておく。
(2)109.50円を上回るうちは110円試しとみるが、110円到達では再び売られやすいと注意し、110円未達か到達後の下落で109.50円割れの場合は抵抗線突破失敗による下落として11日深夜安値109.15円試しを想定する。
(3)110円超えから続伸の場合は110.25円から110.50円にかけてのゾーンを試すとみる。110.50円以上は反落注意だが、110円台を維持するうちは16日の日中も高値を試しやすいとみる。
(4)109.15円割れからは4日安値からの安値切り上げパターンが崩れるため4日安値108.64円試しへ向かうとみる。(了)<10:20執筆>

【当面の主な予定】

5/15(火)
10:30 (豪) 豪準備銀行(RBA)、金融政策会合議事要旨公表
11:00 (中) 4月 小売売上高 前年比 (3月 10.1%、予想 10.0%)
11:00 (中) 4月 鉱工業生産 前年比 (3月 6.0%、予想 6.4%)
15:00 (独) 1-3月期GDP、速報値 前期比 (前期 0.6%、予想 0.4%)
15:00 (独) 1-3月期GDP、速報値 前年比 (前期 2.9%、予想 2.4%)
17:30 (英) 3月 失業率(ILO方式) (2月 4.2%、予想 4.2%)
18:00 (欧) 3月 鉱工業生産 前月比 (2月 -0.8%、予想 0.7%)
18:00 (欧) 1-3月期GDP、改定値 前期比 (速報 0.4%、予想 0.4%)
18:00 (欧) 1-3月期GDP、改定値 前年比 (速報 2.5%、予想 2.5%)
18:00 (独) 5月 ZEW景況感調査(期待指数) (4月 -8.2、予想 -8.2)
21:00 (米) カプラン米ダラス連銀総裁、講演

21:30 (米) 4月 小売売上高 前月比 (3月 0.6%、予想 0.3%)
21:30 (米) 4月 小売売上高(除自動車) 前月比 (3月 0.2%、予想 0.5%)
21:30 (米) 5月 ニューヨーク連銀製造業景気指数 (4月 15.8、予想 15.0)
23:00 (米) 3月 企業在庫 前月比 (2月 0.6%、予想 0.1%)
23:00 (米) 5月 NAHB住宅市場指数 (4月 69、予想 70)
23:00 (米) クラリダ次期FRB副議長候補、ボウマンFRB理事候補、米上院指名承認公聴会
26:00 (米) ウイリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁、講演

5/16(水)
08:50 (日) 1-3月期GDP、速報値 前期比 (前期 0.4%、予想 0.0%)
08:50 (日) 1-3月期GDP、速報値 年率換算 (前期 1.6%、予想 -0.1%)
15:00 (独) 4月 消費者物価指数改定値 前月比 (速報 0.0%、予想 0.0%)
21:00 (欧) ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、発言
21:30 (米) 4月 住宅着工件数 (3月 131.9万件、予想 131.8万件)
21:30 (米) 4月 建設許可件数 (3月 135.4万件、予想 134.7万件)
22:15 (米) 4月 鉱工業生産 前月比 (3月 0.5%、予想 0.6%)
22:15 (米) 4月 設備稼働率 (3月 78.0%、予想 78.4%)
21:30 (米) ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演

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