円 110円突破に現実味、FOMCなど要注意(5/2夕)

2日の東京市場は、ドルが小じっかり。この日も終日を通した値動きは30ポイントに届かない小さなものだったが、一時109.90円台を記録し、ドルは戻り高値を更新している。

円 110円突破に現実味、FOMCなど要注意(5/2夕)

<< 東京市場の動き >>

2日の東京市場は、ドルが小じっかり。この日も終日を通した値動きは30ポイントに届かない小さなものだったが、一時109.90円台を記録し、ドルは戻り高値を更新している。

ドル/円は、109.80-85円で寄り付いたのち続伸、前日の戻り高値を更新する109.90円台を記録した。しかし、ポジション調整と思しき売りに押されて軟落、日中安値109.65円レベルまで下押ししている。
その後は、再びドル買いが進行しじり高。寄り付きレベルまでドルは小戻すと、16時時点でも109.85円レベルで推移し欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「米貿易関連」と「北朝鮮情勢」のニュースや発言など。
前者については、3-4日に米財務長官らが訪中することを背景とした発言が多く、一例を挙げるとCNBC「米商務長官、交渉物別れなら中国に関税課す用意」、ロイター「米通商部代表、対中協議目的は開放でシステム変更ではない」−−など。また、NAFTAに関してもWSJ紙「米通商代表部代表、再交渉の決着は5月中旬までに」と報じていた。
対する後者は、読売新聞が「日中韓、首脳会談共同宣言で“北の非核化”を要求」、韓国の東亜日報による「米朝会談、20日ごろ板門店で開催か」との報道が観測されている。

<< 欧米市場の見通し >>

過去1週間程度、ドルの上値をキャップしてきた109円半ばを超え、本日の東京時間には110円目前までドル高が進行している。ドル高基調にあることは間違いなく、110円を抜けた場合には移動平均の200日線が位置する110.20-25円、あるいは2月2日高値の110.48円などがターゲットとなりそうだ。
材料的には、依然として北朝鮮情勢に対する期待感のほか、米中貿易問題が再びクローズアップされてきた。前者も根拠の乏しい楽観論が根強い気がするのだが、それより後者に関してはさらに予断を許さないだろう。米株高の進行や、金利上昇など別の要因がない限り、これまでの材料でさらに上値を買い進めるのは難しい気がしている。

テクニカルに見た場合、1週間近く続いてきた109.00-50円という、わずか50ポイント程度の膠着相場を上放れてきた。次のターゲットとして110円が視界内に捉えられていることは間違いなく、抜ければさらなる高値をトライする可能性がある。
ただ、短期的な買われ過ぎ感、ポジションの偏りは気掛かり。飽くまで調整の範囲内には留まりそうだが、一時的なドル安・円高が進行する展開にも注意を払いたい。

一方、材料的に見た場合、週末に発表される米雇用統計との相関性が高いと言われる、4月のADP雇用統計が発表される予定となっている。ちなみに、事前予想値はプラス19.8万人程度で、前回(プラス24.1万人)よりはやや悪化するが、それでも好数字を維持する見通しだ。ここのところ、米ファンダメンタルズに強気の見通しが多くなっていることから、悪い数字が出た場合の反応により注意が必要かもしれない。
そのほか、FOMCによる声明発表が実施される見込みだ。こちらについては、資源相場上昇などによるインフレ懸念を受ける格好で、利上げペースの加速が示唆されるか否かが焦点となるだろう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.30-110.30円。ドル高・円安方向は、本日の東京時間に直前まで迫った心理抵抗110円の攻防にまずは注視。抜ければ、110.20-25円や110.48円、110.90円レベルなどが次なるターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日上抜けてきた過去1週間ほどのレンジ上限である109円半ばが最初のサポートか。割り込めば109円前後、一目均衡表の転換線が位置する108.60-65円半ばなどを目指す展開となりそうだ。(了)

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