<< 東京市場の動き >>
8日の東京市場は、106円挟みの揉み合い。値動きも終日を通して30ポイントほどに留まり、明確な方向性は乏しかった。
ドル/円は106.05-10円で寄り付いたものの、ほとんど動意らしい動意はなし。決してニュースがなかったところか、むしろ多いぐらいだったが、いずれにも市場の反応はいまひとつ。早朝からの105.90-106.20円といった30ポイント程度のボックス圏を抜け切れず、レンジ取引に終始した。16時時点では105.95-00円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「米輸入制限」絡みのニュースなど。前者については、米NBCが「米韓演習は3月末開始か、南北会談と重なる見通し」、香港英字紙による「北朝鮮、金正恩氏の妹の米派遣も」といった報道があったほか、後者についてはマルストローム欧州委委員から「米の鉄鋼関税に対抗する用意がある」、中国の王外相による「貿易戦争の場合には必要な対応とる」との発言などが観測されている。
そのほか、「金融庁が仮想通貨7社を行政処分、うち2社に業務停止命令」、「財務省が森友決裁文書の写しを提出」とのニュースが報じられていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ここ数日はレンジ取引の色彩が濃い。実際、今週に入ってからのレンジはというと、105.35-106.50円といったところで、1円強に過ぎない。基本的な円高傾向に変化はないものの、足もとは時間的な調整局面入りしている様相もうかがえる。
そんなレンジ取引がいましばらく続く可能性も否定できないが、材料的は本日の欧米時間、注目材料が目白押しの状況だ。なかでもECBに絡む一連の材料と、NYタイムズが「トランプ米大統領が東京時間9日午前2時に正式署名する見通し」と報じた鉄鋼・アルミニウム輸入関税方針の行方が気にかかる。ヒョッとすると、足もとの小動きは嵐の前の静けさであり、欧米時間に相場は荒れ模様の値動きをたどるのかもしれない。
テクニカルに見た場合、今週に入ってからの形成レンジ105.35-106.50円をめぐる攻防にまずは注視。どちらの方向に抜けていくのか、方向性が気にかかる。
大きな流れからすれば、円高方向のリスクが高そうにも思われ、その場合には105.35円を割り込むと105.24円の年初来安値や心理サポートの105円などがターゲットに。それに対して、価格調整が強まる格好で、ドルが一段の戻りを示せばレンジ上限の106.50円を超えて、移動平均の25日線が位置する107.35-40円程度までの戻りがあっても不思議ではないだろう。
一方、材料的に見た場合、2月のチャレンジーレイオフ調査など幾つかの米経済指標が発表されるものの、正直マーケットの関心は低く、さほど影響はなさそうだ。ただ、先で取り上げた「ECBに絡む一連の材料」と「トランプ米大統領による輸入関税方針の正式署名見通し」には要注意。
さらに、それ以外の要因として、有力欧米紙であるWSJが「マクマスター米大統領補佐官が8日にも韓国の鄭国家安保室長と会談する」と報じており、そこでは北朝鮮の金朝鮮労働党委員長と韓国特使団との会談内容について説明されると同時に対話申し出が協議される見込みとなっている。米朝の融和ムード進展なら、リスク志向回帰による円売りが強まることもありそうだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.40-106.60円。ドル高・円安方向は、本日東京の高値である106.20円レベルが最初の抵抗で、抜ければ一目の転換線も位置するレンジ上限の106円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の105.45円、年初来安値105.24円などがサポートに。下回れば、105円割れの可能性も否定できなくなる。(了)
オーダー/ポジション状況
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