<< 東京市場の動き >>
7日の東京市場は、再びドル安・円高。一時105円半ばまで値を下げ、年初来安値105.24円に接近する局面も観測されている。
ドル/円は106.10-15円で寄り付いたものの、米政権運営不安を喚起させるニュースが報じられ、ドルが急落した。日中高値である106.20円近くから105円半ばへと一気に値を崩している。日中安値105.45円レベルを記録後は、やや反発に転じたがすでに上値は重く、106円台の回復はならず。105円台後半での一進一退のまま、16時時点では105.55-60円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、前述した「米政権運営不安を喚起させるニュース」で、具体的にはNYタイムズが報じた「コーン米国家経済会議(NEC)委員長が辞任へ」になる。また、そののちトランプ米大統領から「報道は事実。後任は早期に指名する」との発言が聞かれていた。
そのほか、ブレイナードFRB理事による「緩やかな利上げが適切な公算」、ダラス連銀総裁からは「基本シナリオでは18年の利上げ回数を約3回」、若田部日銀副総裁候補「追加緩和ありきでなく、排除もせず予断持たない」−−など日米要人から幾つかのコメントが報じられている。
<< 欧米市場の見通し >>
基本的な円高傾向に変化はないものの、足もとのドル/円は戻り歩調で、頭は重いながら、さらなる戻りも期待されていた。
しかし、本日東京時間の早朝に伝えられた「コーン米国家経済会議(NEC)委員長が辞任」報道が流れをぶち壊しにした感がある。先週来、「トランプ氏側近、ホワイトハウス広報部長が退任」「米国務省のユン北朝鮮担当代表が辞任」「トランプ政権がマクマスター大統領補佐官を4月にも交代させる準備」−−など連日のように政権関係者の退任・辞任報道が観測されるなか、今回のものは決定打と言えるかもしれない。このまま一足飛びに105.24円の年初来安値をトライするかどうかは微妙だが、やはり円高リスクが高いということが再認識された格好にあると言えそうだ。
テクニカルに見た場合、昨日106円を超え、一目均衡表の転換線も位置する106円半ばに達するも抜け切れず。その後は、本日東京時間に入りドルはさらに続落すると、105円台半ば近くでの推移となっている。
目先の抵抗は、前述した昨日高値の106円半ばであり、それに対するドルのサポートは105.24円の年初来安値か。ドルの下値は年初来安値ならびに心理サポート105円を下回るようだと、さらなるドル安進行も否定出来なくなりそうだ。
一方、材料的に見た場合、2月のADP雇用統計や1月の貿易収支など、幾つかの米経済指標の発表や、米地区連銀経済報告の公表も実施される予定となっている。また、今年のFOMCメンバーであるダドリーNY連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁による講演も実施される見込みだ。それらは当然要注意。
さらに、「コーンNEC委員長の辞任」が、波紋を広げている「米国の鉄鋼、アルミニウムの輸入制限」について、如何なる影響を及ぼすのかも気掛かりだ。コーン氏以外にも反対派は数多いものの、トランプ氏が強行するのかどうかが注視されている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.00-106.40円。ドル高・円安方向は、本日東京のドル急落後の戻り高値である105.85-90円が最初の抵抗で、抜ければ一目の転換線も位置する106円半ばなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、時間足ベースなどで目先はやや底堅さも感じられる105.45-50円、そして年初来安値105.24円などがサポートに。下回れば、105円割れも想定する必要がありそうだ。(了)
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