ドル円見通し112円割れ解消できずさらに一段安(1/12)

11日夜にはECB理事会の議事要旨(12月14日開催分)が公表されたが、金融政策およびフォワードガイダンスについての表現を2018年の早い時期に見直す可能性があると

ドル円見通し112円割れ解消できずさらに一段安(1/12)

【概況】

1月9日の日銀による超長期債等の買いオペ減額、10日の中国による米国債購入停止の可能性報道等を背景に急落、12月15日、1月2日の安値では踏みとどまってきた112円割れとなり、10日夜には111.266円まで大幅続落した。
11日の日中は突っ込み警戒感からやや戻したものの、11日夜はECB理事会議事録要旨公開、米生産者物価の伸びが鈍化したことなどから一段安となり、12日未明には111.04円まで下げてきた。12日朝時点では111.20円レベルでの膠着、今のところは戻りが鈍い。

【ユーロ高、米PPI鈍化】

11日夜にはECB理事会の議事要旨(12月14日開催分)が公表されたが、金融政策およびフォワードガイダンスについての表現を2018年の早い時期に見直す可能性があるとされた。現状は量的緩和を縮小して継続しているところだが、年後半には量的緩和の終了へ向けたプロセスが開始するとみられている。今回の議事要旨もそれに沿ったものとして、市場は先行きの引き締めへの転換を意識してユーロ買いドル売り反応となり、ユーロドルは10日夜高値を上抜く上昇となった。
ユーロドルは1月4日深夜高値から下落していたが、9日深夜安値と11日夕安値をダブル底とし、その中間点にあった10日夜高値を超えたことで上昇再開感が強まっている。ユーロ高はユーロ円での円下落要因ではあるが、ドル安感を助長してドル円にとっては下落要因となってきている印象だ。

中国国家外貨管理局の報道官は11日、前日に一部で報道された「中国が米国債購入を縮小する可能性がある」との報道については偽の情報のようだと否定した。10日夜に米国債券市場や為替市場が過剰反応したことに対する火消し的な動きと思われる。前日の報道はトランプ政権による北朝鮮問題や米中貿易収支問題での圧力に対抗するブラフと思われるが、それによる過剰反応で米中関係が険悪になることを望んではいないということだろう。これにより米長期債上昇はやや落ち着いている。

11日の米経済指標は総じて軟調でドル安要因となった。
米週間失業保険申請件数は26.1万件となり、市場予想の24.5万件、前週の25.0万件を上回った。
11月の米生産者物価指数は全体の前年比が+2.6%となり、市場予想の+3.0%、前月の+3.1%を下回った。またコア指数前年比も+2.3%となり、予想の+2.5%、前月の+2.4%を下回った。
市場は生産者物価指数よりも12日夜の米消費者物価指数を重視しているので、大きな反応ではなかったが、消費者物価の伸びが鈍化するようならドル安が加速する要因になりやすいと注意される。

【NY連銀総裁講演】

NY連銀のダドリー総裁は講演での発言において「インフレ率が目標の2%を下回っているという事実は、利上げについて辛抱強くあるべきという根拠だが、一段と拡張的になっている財政政策に加え、緩和的な金融政策と金融状況が後押しするトレンドを上回る成長見通しによって、十二分に相殺される」「労働市場の需給が現在よりはるかにひっ迫した場合、インフレが当局の目標を大幅に上回るリスクが高まる」と述べた。また今年の経済成長率予想を0.5−0.75ポイント引き上げ、2.5−2.75%としたが、その理由の3分の2は税制改革法による減税効果だとした。
同総裁発言は12月のFOMCで今年3回とされた利上げを粛々と進めるスタンスを示したものとして、ドル安にはブレーキをかけた。また減税効果によってはインフレ進行により利上げペースが加速する可能性も潜在していることを示したと思われる。

【11月27日安値110.84円割れの場合は?】

12月序盤から維持してきた112円を支持線とした持ち合いから転落。すでに9月8日安値と11月27日安値を結んだ上昇トレンドからは転落している。
11月27日安値を割り込む場合は11月6日高値からの下落は二段下げ目に入ることとなり、11月6日高値と12月12日高値によるダブルトップ形成、ないしは11月6日高値を頭、10月6日と12月12日高値を両肩とした中段の三尊天井形成による下落期入りが懸念される。そうなると日足レベルの下値支持線は昨年4月以降の安値帯である108円台後半から9月8日安値107.32円まで切り下がってくる可能性が高まるとみる。また、9月8日安値へ迫る場合は11月6日高値を10か月から1年周期のサイクルにおける天井を付けての中勢レベルの下落期入りも疑われる。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では、9日午前の下落で遅行スパンが悪化、先行スパンから転落したが、その後も両スパンの悪化が続いている。11日の戻りも先行スパンへ届かずに終わった。両スパン悪化中は安値試しを優先し、戻した場合でも先行スパンが分厚い抵抗となりそうだ。

60分足の相対力指数は10日夜安値と12日未明安値のと間では指数のボトムが切り上がり気味となっているので強気逆行となる可能性があるが、50ポイント台回復からさらに上昇できないと強気転換に至らないと思われる。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは、10日深夜安値からの反発度合いが、9日や10日の戻り幅を超えているため、10日深夜安値で直近のサイクルボトムを付けたと思われるが、すでに底割れしているため、新たな弱気サイクル入りとして次のボトム形成期となる15日夜から17日にかけての間への下落へ進んでいる印象だ。

以上を踏まえれば、11日の戻り高値111.87円を超えられないうちは一段安警戒とし、111円割れからは110円前後試しへ向かう可能性ありとみる。
また8日高値以降は戻り高値を切り下げ、その後に一段安する弱気パターンが続いているので、強気転換するには11日高値を上抜く必要があると思われる。(了)<10:30執筆>

【当面の主な予定】

1/12(金)
未 定 (中) 12月 貿易収支(米ドル) (11月 402.1億ドル、予想 381.5億ドル)
未 定 (中) 12月 貿易収支(人民元) (11月 2636.0億元、予想 2451.5億元)
未 定 (日) 12月 景気ウオッチャー調査-現状判断DI (11月 55.1、予想 55.2)

22:30 (米) 12月 消費者物価指数(CPI) 前月比 (11月 +0.4%、予想 +0.2%)
22:30 (米) 12月 消費者物価指数(CPIコア指数) 前月比 (11月 +0.1%、予想 +0.2%)
22:30 (米) 12月 消費者物価指数(CPI) 前年比 (11月 +2.2%、予想 +2.1%)
22:30 (米) 12月 消費者物価指数(CPIコア指数) 前年比 (11月 +1.7%、予想 +1.7%)
22:30 (米) 12月 小売売上高 前月比 (11月 +0.8%、予想 +0.4%)
22:30 (米) 12月 小売売上高 除自動車 前月比 (11月 +1.0%、予想 +0.5%)
24:00 (米) 11月 企業在庫 前月比 (10月 -0.1%、予想 +0.3%)


06:15 (米) ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演

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