ドル円見通し 重要イベント前に不安定さが増大(12/7)

ADP民間雇用報告等に対する反応は限定的だった。

ドル円見通し 重要イベント前に不安定さが増大(12/7)

【概況】

12月1日深夜のトランプ大統領元側近フリン氏訴追報道から1.44円幅の急落となり、休み中の米税制改革法案の上院本会議可決から4日朝に反騰、高値を更新して4日夜には113.08円まで続伸したが、その後は失速している。特に6日は日経平均が一時500円を超える大幅下落となり、株安を嫌気したクロス円の買い戻しから円高ドル安となり、夕刻には111.99円まで下げた。112円割れは買い戻されているものの、上昇には勢いがつかずに112円台序盤での推移に止まっているところだ。

ADP民間雇用報告等に対する反応は限定的だった。
米民間雇用サービス会社オートマティック・データ・プロセッシングADPが発表した11月の全米雇用報告では、非農業部門の民間就業者数は前月比19万人増となり、市場予想と概ね一致した。
米労働省が発表した7〜9月期の非農業部門の労働生産性改定値は、季節調整済み年換算で前期比3.0%上昇したが、市場予想の3.3%上昇をやや下回った。前年同期比は1.5%の上昇。単位労働コストは前期比0.2%低下、市場予想0.2%上昇を下回った。前年同期比は0.7%の低下だった。

【ドルの不安定要因・ポイント】

トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都として認定し、米大使館を移設すると指示したことに対してはアラブ諸国が反発を強めており、新たな中東リスクの火種となっている。これに対してはビットコインが買われ、ドル円もやや意識した動きにはなっているものの、有事リスクにおける安全資産の代表であるゴールドには買い気が乏しいところをみれば、今のところは為替相場を方向付けるような有事リスクの決定打には至っていない印象だ。ただ、ロシアゲート問題、暫定予算切れによる米政府機関閉鎖リスク、北朝鮮情勢、エルサレム問題、それ以前からのイランとサウジの対立等、それぞれが決定打にはなっていないものの問題も多々あることで市場全体の空気を重くしてきているということは言えそうだ。

それに加えて株高修正へのリスク感も出ている。昨年の11月9日、トランプ大統領誕生というサプライズからのトランプ・ラリー相場も1年を経過、バブル的な上昇に対しての高値警戒感が出始める中、米国株高と総選挙からの安倍政権続投により上昇してきた日経平均も年末を控えて高所恐怖症的な売りが出始めている印象がある。そうした株安リスクを意識して、クロス円での円買い戻しがドル円の頭を押さえているために、メジャー通貨の加重平均であるドル指数は11月27日から戻し気味で6日も上昇したものの、ドル円が下落するというズレを生じさせているのではないか。
米10年債利回りも11月30日にかけては上昇していたが、その後はやや失速しており、日米10年債利回り格差からのドル売り円買い圧力もあるようだ。

いずれにしても、今後の大きな流れは8日の米雇用統計、来週14日未明に声明発表と議長会見のあるFOMCの結果、それらに対する市場反応で決まってくるのだろうと思われる。
米雇用統計が予想よりも良好ならFOMCの利上げ決定と来年の利上げ見通しを見定めるまではドル高円安で推移しやすいが、米雇用統計が予想通りか予想よりやや悪く、FOMCによる来年の利上げ見通しがこれまでよりも緩む場合はドル安円高再開のきっかけとなりやすい。
昨年は12月の米利上げ決定を以てドル円は12月15日に天井をつけて下落に転じている。

【日足は三尊型形成か、ダブルトップ形成へ伸びるか】

11月27日から12月4日へと戻してきたが、113円台を維持できず、また26日移動平均を上抜いての続伸へは進めずにいる。
12月4日高値を上抜いて続伸なら、11月6日高値114.73円に対するダブルトップ形成への上昇へと進む可能性が高まる。あるいはダブルトップ破りへ向かう可能性もあるかもしれない。

しかし、12月4日高値を上抜けないか、113円台中盤までの上昇で行き詰まって失速し、11月27日安値を割り込む場合、日足のチャート形状は11月6日高値を頭、10月6日高値を左肩、現状を右肩とした三尊天井型となり、11月6日からの下落が二段下げ目に入ってゆき、さらに三段下げへと発展する可能性が出てくる。いずれへ進むのか、雇用統計とFOMCで決まってくるのだろうと思われる。特に三尊天井型形成からの下落へ進む場合は概ね1年周期の天井をつけての下落期入りとなる可能性が考えられるため、円高ドル安の長期化が警戒される。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では、12月6日夕刻への下落で遅行スパンは悪化、先行スパンから転落した状況となっているが、その後のジリ高により、遅行スパンは好転しやすい位置に来ている。112.50円にかけて先行スパンがあるため、強気転換には先行スパン突破、さらに5日深夜高値112.86円を超える必要があるので、先行スパンを突破できない内は一時的に遅行スパンが好転してもその後の悪化から一段安へ進む可能性が残る。
60分足の相対力指数は6日夕安値形成時に30ポイントを割り込んだがその後は50ポイント台を回復している。ただ5日から6日への安値更新に対して指数の強気逆行は見られていないため、再び40ポイント割れしてくる場合は安値更新へ進みやすくなるとみる。60ポイントをつけ、その後も50ポイント以上で推移なら高値試しへ向かいやすくなる。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成のサイクルでは12月1日深夜の急落と直後のV字反騰により、12月2日未明安値を直近のサイクルボトムとして上昇したが、4日夜高値で短縮されたサイクルトップをつけて下落期にはいった。112.50円超えから続伸してくる場合は6日夕安値でやや短縮されたボトムをつけて上昇入りしたと仮定し、7日夜から11日夜にかけての間へ高値を形成してゆく可能性が高まるとみる。ただし、112.50円を超えられない内は4日深夜高値からの戻り高値切り下がりによる一段安余地があり、6日安値割れの場合は2日未明安値111.40円試しまで下値目処が切り下がる可能性を考える。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、111.99円を支持線、112.50円を抵抗線とみておく。
(2)112.50円を超えられない内は111.99円割れからの一段安注意とし、111.99円割れからは111.40円試しへ向かうとみる。111.70円以下は突っ込み警戒、反騰注意圏とみるが112円以下に留まる場合はその後に一段安へ進みやすい状況が続くと思われる。
(3)112.50円超えからは上昇再開の可能性を優先して5日深夜高値112.86円から4日深夜高値113.08円試しへ向かうとみる。雇用統計前なので112.85円以上は反落注意圏とみるが、112.50円以上を維持する内は上昇継続の可能性を優先する。(了)<9:40執筆>

【当面の主な予定】

12月7日
19:00 (欧) ユーロ圏7-9月期GDP・確報値 前期比 (速報 +0.6%、予想 +0.6%) 
19:00 (欧) ユーロ圏7-9月期GDP・確報値 前年比 (速報 +2.5%、予想 +2.5%) 
22:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 23.8万件、予想 24.0万件)

12月8日
未定 (中) 11月貿易収支 (10月 +381.7億ドル、予想 347.0憶ドル)
08:50 (日) 7-9月期GDP・2次速報値 前期比 (速報 +0.3% 予想 +0.4%))
08:50 (日) 7-9月期GDP・2次速報値 前期年率比 (速報 1.4%、予想 +1.5%)
22:30 (米) 11月非農業部門雇用者数 (10月 +26.1万人、予想 +19.9万人)
22:30 (米) 11月失業率 (10月 4.1%、予想 4.1%)
22:30 (米) 11月平均時給 前月比 (10月 +0.0%、予想 +0.3%)
24:00 (米) 12月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値 (11月 98.5、予想 99.0)

12月9日
10:30 (中) 11月消費者物価指数 前年比 (10月 +1.90%、予想 +1.8%)
10:30 (中) 11月生産者物価指数 前年比 (10月 6.9%、予想 )

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