ドル円見通し 31日安値割れ回避で揺れ返し攻防(11/14)

11月8日からの米長期金利再上昇が続いているため、日米長期金利差からのドル高円安、それと9日、10日と続落していたNYダウが反発、

ドル円見通し 31日安値割れ回避で揺れ返し攻防(11/14)

【概況】

11月6日午前高値114.73円から三段下げとなって10日未明安値113.09円まで下落した。6日から8日にかけての下落は米長期金利低下、9日からの一段安は日米株安からのリスクオフ的な円高であったが、10日深夜安値では新たな安値更新を回避、週明けは戻り高値、その後の安値を切り上げ、14日午前には13日未明高値をわずかに上抜いてきている。11月8日からの米長期金利再上昇が続いているため、日米長期金利差からのドル高円安、それと9日、10日と続落していたNYダウが反発、株安不安が緩んだことも背景のようだ。
10月23日から10月27日までは1円弱の反落を入れながらも高値を切り上げる三段上げを見せた。31日に急落調整から揺れ返して11月6日には7月11日高値超えまで上昇したが、その後は揺れ返しでの三段下げとなり、2週前とは真逆の展開となったl。しかし、10日未明、13日夜と安値を切り上げ、その後の戻り高値も切り上げ始めているので、6日からの下げ一服、戻りを試す流れへ進みやすくなってきている印象だ。

【2か月間の下落、反騰によるイッテコイと26日移動平均】

9月8日安値から11月6日高値まで2か月間戻して7月11日高値をわずかに上抜いた。7月11日高値から2か月間の下げに対するイッテコイであり、今年3月以降は114円台から3月10日高値115.50円にかけてのゾーンが戻り抵抗帯となってきたため、今回の11月6日高値からの反落により、この抵抗帯到達、2か月騰落のイッテコイ実現で戻りが一巡、下落期に入る可能性が出てきた。下落期に入るには、重要支持線となる26日移動平均を割り込んで続落し始める必要があるが、今のところは10月16日と同様、26日移動平均にザラバで到達したものの割り込んでの一段安開始には至っていない。11月9日安値割れ回避の内は支持線維持としてまだ高値を試す余地が残るとし、11月9日安値割れからは26日移動平均割れも伴っての下落期入りという判断目安としたい。11月6日高値更新の場合は3月10日高値115.50円試し、11月9日安値割れの場合は段階的に10月16日安値試し、さらに4月17日安値、6月14日安値、9月8日安値のある109円以下のゾーンへの下落を想定してゆく。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では、13日夜への下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落したが、13日深夜からの反発で遅行スパンンが好転、先行スパンも上抜き返している。このため、先行スパンを上抜いている内は戻り高値を試しやすいとみる。先行スパンはこの後やや切り下がって下限が113.40円あたりに来るので、113.50円以上での推移中は一段高の可能性を優先、113.50円割れの場合は113.40円台で下げ止まれるかどうかを試し、113.50円台回復からは上昇再開、113.40円割れからは弱気転換により13日夜安値113.24円、さらに10日未明安値113.09円試しへ向かう可能性を考える。

60分足の相対力指数は11月8日夜から10日未明への安値更新に際して指数が底上げして「強気逆行」型を形成した。その後は相場の底上げに対して指数も順動して切り上げ型となっているので、上昇基調を継続しやすくなっている。50ポイント以上を維持する内は70ポイントに迫る可能性もありとみる。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成のサイクルでは、11月7日早朝安値を底割れしたことにより7日夕高値を前回のサイクルトップとした弱気サイクル入りとしてきたが、10日未明安値からの反発で戻り高値、その後の安値も切り上がりに入っていることから、7日早朝安値から3日目となる10日未明安値で直近のサイクルボトムをつけて強気サイクル入りしたと考える。今回の高値形成期は7日夕高値を基準とすれば10日夕から14日夕にかけての間と考えられるが、13日未明高値から13日夜へいったん下げてからの切り返しで戻り高値を更新しているので、サイクルの潮目が変わって13日夜安値から新たな強気サイクルに入っている可能性も考えられる。
14日夜までに高値をつけて反落し、13日安値を割り込む場合は弱気サイクル入りとして、15日朝から17日朝への下落を想定するが、14日夜へ続伸の場合は新たな強気サイクル入りの可能性を優先し、13日未明高値を基準として今回の高値形成期を16日未明から20日朝にかけての間へと延長する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)113.50円を上回る内は上昇継続とみて113.80円から114.00円にかけての上昇を想定する。114円前後は反落注意とみるが、113.50円を上回る内は15日の日中へ上昇継続余地ありとみる。
(2)113.50円割れを弱気転換注意、113.40円割れからは先行スパン転落となるため下げ再開の可能性に注意し、まず、13日夜安値113.24円を割り込むかどうかを試すとみる。割り込まなければ安値切り上げ型の継続として15日から16日へは上昇再開、戻り高値を切り上げる可能性を優先する。
(3)11月13日夜安値割れの場合、10日未明からの戻りは一巡、下げ再開の可能性を疑い、10日未明安値113.09円試し、さらに割り込めば112円台後半への下落継続と考える。(了)<9:50執筆>

【当面の主な予定】

11月14日
11:00 (中) 10月小売売上高 前年比 (9月 +10.3%、予想 +10.4%)
11:00 (中) 10月鉱工業生産 前年比 (9月 +6.6%、予想 +6.3%)
11:00 (中) 10月固定資産投資 年初来・前年比 
16:00 (独) 7-9月期GDP速報値 前期比 (前期 +0.6%。予想
16:00 (独) 7-9月期GDP速報値 前年比 (前期 +0.8%、予想
17:05 (米) エバンス米シカゴ連銀総裁、講演
19:00     イエレンFRB議長、ドラギECB総裁、カーニーBOE総裁、黒田日銀総裁、討論会に参加
19:00 (欧) ユーロ圏7-9月期GDP速報値 前期比 (前期 +0.6%、予想
19:00 (欧) ユーロ圏7-9月期GDP速報値 前年比 (前期 +2.5%、予想
22:15 (米) ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
22:30 (欧) クーレECB理事、講演
22:30 (米) 10月生産者物価指数 前年比 (9月 +2.6%、予想 
22:30 (米) 10月生産者物価指数コア 前年比 (9月 +2.2%、予想

11月15日
03:05 (米) ボスティック米アトランタ連銀総裁
08:50 (日) 7-9月期GDP 1次速報値 前期比 (前期 +0.6%、予想 +0.3%)
08:50 (日) 7-9月期GDP 1次速報値 前期比年率 (前期 +2.5%、予想 +1.4%)
13:30 (日) 9月鉱工業生産・確報値 前月比 (速報 -1.1%
17:00 (米) エバンス米シカゴ連銀総裁、講演
19:00 (欧) プラートECB理事、講演
22:30 (米) 10月消費者物価指数 前年比 (9月 +2.2%、予想 +2.0%)
22:30 (米) 10月消費者物価指数コア 前年比 (9月 +1.7%、予想 +1.7%)
22:30 (米) 10月小売売上高 前月比 (9月 +1.6%、予想 +0.1%)
22:30 (米) 10月小売売上高 除自動車 前月比 (9月 +1.0%、予想 +0.2%)
22:30 (米) 11月NY連銀製造業景況指数 (10月 30.2、予想 26.2)
24:00 (米) 9月企業在庫 前月比 (8月 +0.7%、予想 +0.0%)

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