ポジション偏っているが、ドルは続伸も(10月第四週)

先週のドル/円相場は、ドル高・円安。それもチャートを見ると、週足は「週初安・週末高」という“陽の丸坊主”に近い足形で、

ポジション偏っているが、ドルは続伸も(10月第四週)

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円相場は、ドル高・円安。それもチャートを見ると、週足は「週初安・週末高」という“陽の丸坊主”に近い足形で、ともかくドルの強さが目に付いている。

前週末に朝鮮中央通信が「北朝鮮、グアム周辺へのミサイル発射を再び示唆」と報じたことで、週明け16日のドル/円は111.70-75円とややドル安・円高で寄り付いたが、影響は一時的。オープン直後に記録した111.65円が1週間を通したドルの安値となり、ドルは週末にかけて113円半ばまでドル高が進行した。わずかではあるものの、6日に記録したドルの戻り高値113.44円を更新するなど、1週間を通してドルの強さが際立っており、週末NY市場は終値も113.50-55円と、週最高値圏で推移したまま越週している。
なお、そうしたなか日経平均株価は56年9ヵ月ぶりの14日連続上昇を記録したほか、米国のNYダウ、ナスダックも週末20日に、ザラ場ベースで史上最高値を更新する局面が観測されていた。

一方、週間を通した主な材料のひとつは、次期FRB議長人事をめぐる報道や思惑。候補者の顔ぶれや最終決定のタイミングについて、トランプ大統領を中心とした発言が二転三転するなか、週末には大統領自身が米テレビ番組のインタビューにおいて、「パウエル理事の昇格とテイラー元財務次官、イエレン現議長を再任と3氏を軸に最終段階に入った」ことを明らかにしている。また、発表については今週にも決定される見通しだ。
なお、それ以外では、週の初めに実施された「日米経済対話」や「中国共産党大会」とそれを踏まえた「北朝鮮情勢」、米財務省が半期に一度の発表する「為替報告書に関する為替監視国リスト」などに関するニュースなどがピンポイントで話題を集めていた。

<< 今週の見通し >>

上昇スピードの速いところは気掛かりだが、リスクは再びドル高方向にバイアスが掛かってきた。ドルは続伸し7月高値の114.49円、あるいはテクニカルなフシ目である115円を目指す可能性も否定出来ない。
そんな一段のドル高進行を支援する材料としては、前述したように3氏に絞られ大詰めを迎えている次期FRB議長人事、昨日実施された日本の衆院選をうけた安倍政権存続観測、そしてバブルと言われ続けながら堅調推移を続ける米株−−などが挙げられる。対してドルの弱材料は、やはり北朝鮮情勢だが、以前ほど、「北朝鮮リスク=円高」というしっかりとした構図ではない。結果として、一時的な下押しなどがあったとしても、ドル高傾向そのものはまだしばらく続きそうだ。

テクニカルに見た場合、形成していた112円台を中心としたボックス圏を一時下抜くも、それが「ダマシ」となり、今度は逆にボックスを上抜けしてきた。RSIのようなオシレーター系のチャートを見るまでもなく、相場は過熱感を醸し始めているものの、基本的なリスクはドル高方向にバイアスがかかりそう。
ただ、114円半ばは前回7月の高値に合致するだけでなく、5月高値(114.37円)ともそれほど乖離していない。つまり、114円半ばはなかなか強い抵抗にあたる、と言えるかもしれないだけに、一旦は上げ渋るとの声も一部からは聞かれていた。

一方、材料的には、今週も注目材料が少なくない。来週に注目の米雇用統計発表を控えているが、先んじて週末27日の7-9月期GDP速報をはじめとする米経済指標の発表や欧米企業の決算発表、米債の入札などが予定されている。
そのほかでは、先で取り上げた「大詰めを迎えている次期FRB議長人事」「衆院選をうけた安倍政権存続観測と新内閣の人事」「北朝鮮情勢」「堅調推移を続ける米株」などにも注意を払いたい。

そんな今週のドル/円予想レンジは、112.50-115.00円。ドル高・円安については、心理抵抗でもある114円レベルが最初の抵抗で、抜ければ5月や7月高値が位置する114.40-50円がターゲットとなりそうだ。
対するドル安・円高方向は、113円台に強いサポートが存在せず。移動平均の4週線が位置する112.60-65円が最初のサポートで攻防が注視されている。割り込むようだと、112円レベルや移動平均の52週線が位置する111.85-90円などが視界内に。(了)

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