ドル円 10/6からの下落に対して過半を解消(10/19)

米商務省が発表した9月の住宅着工件数は季節調整後年換算で112万7000戸となり、前月比4.7%減少、市場予想の118万戸を下回った。

ドル円 10/6からの下落に対して過半を解消(10/19)

<概況>

10月6日の米雇用統計後に付けた高値113.43円から下落し、先週末に111.684円をつけ、さらに週明け16日午後には111.65円まで安値を更新したが、17日未明から反騰して112円台を回復。17日夜への上昇では11日の戻り高値および112.50円に届かなかったが、18日午後からの反騰で17日夜高値を上抜き、18日深夜、19日早朝と大幅続伸して113円台に到達した。
米雇用統計直後の上昇でそれまでのドル高がひとまず一巡、先週はドル安が再燃して下落基調が続いた。しかし17日未明からはドル高へと再び流れが変わり、112.50円前後の抵抗突破により買いの連鎖反応となった。

米商務省が発表した9月の住宅着工件数は季節調整後年換算で112万7000戸となり、前月比4.7%減少、市場予想の118万戸を下回った。先行指標となる住宅着工許可件数も121万5000戸で前月比4.5%減少、市場予想の124万5000戸を下回った。しかしハリケーンの影響によるものとして市場の反応はわずかだった。

【FRB議長人事】

今週のドル高はスペインのカタルーニャ地方独立問題騒動等によるEUの政治不安を背景としたユーロ安、米連銀の次期議長をめぐる人選でイエレン議長よりもタカ派になるとの思惑、米国株の連日にわたる史上最高値更新、北朝鮮有事リスク一服によるリスクオン心理が背景となっている。ただ、ユーロは昨晩の安値からは戻しており、深夜以降はドル円におけるドル高は継続したが、ドル全面高からはまちまちの様相に変わりつつある印象もある。

サンダース米大統領報道官は18日の会見で、トランプ大統領は数日内に次期米連銀議長人事を発表すると述べた。メディアの報道ではトランプ大統領がアジア歴訪に出発する11月3日までには人事が決まるとされている。

大統領自身も17日には候補者は5人と述べており、イエレン現議長、パウエルFRB理事、テイラー・スタンフォード大教授、ウォーシュ元FRB理事、コーン国家経済会議委員長が候補とされ、19日には大統領がイエレン議長と面談するとされている。市場予想はイエレン議長よりもタカ派とされるテイラー教授の可能性が高いとしている。人選によってはさらにドル高が加速する可能性もあるが、予想が外れればドル安へと逆流する可能性もある。

12月の米利上げ確率に対する市場予想は凡そ80%となり、前週の凡そ70%から上昇している。今週はサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が「漸進的な利上げ継続が望ましい。12月に追加利上げを実施し、来年は3度の利上げ」という姿勢を示した。またニューヨーク連銀のダドリー総裁も昨年末に示した2017年3回の利上げという見通しに対して、「今のところ実際にその通りの道をたどっている」と述べている。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では16日深夜安値からの反発で遅行スパンが好転、先行スパンも上抜いたが、その後も両スパン好転が続いている。18日夜への大幅続伸により、実線と先行スパンとの乖離はかなり拡大しているため買われ過ぎ警戒感も見られる。さらに高値を更新してゆけば遅行スパンの好転状態もさらに1日延びてゆき、それだけ一段高へ進む確率も上昇するが、113円割れの状況が続く場合は19日夜にかけて遅行スパンが悪化しやすくなる。10月6日高値を超えられずに遅行スパンが悪化する場合は17日未明からの急騰に対する反動安も大きくなる可能性がある点に注意がいる。

60分足の相対力指数は18日夜に80ポイントを超えたが、19日早朝の高値更新時には指数値が切り下がって弱気逆行の気配となっている。買われ過ぎ警戒圏での弱気逆行のため、70ポイント前後から切り返すならまだ高値更新へ進む可能性ありとするが、70ポイント割れを切り返せなくなる場合は反動安入り警戒とみる。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは、10日深夜安値から4日目となる16日夕安値と16日深夜安値を小ダブル底として強気サイクル入りした。今回の高値形成期は12日未明高値を基準として17日午前から19日朝にかけての間と想定してきた。すでにトップアウト警戒期にあるため、112.75円割れからは弱気サイクル入りと仮定して次のボトム形成期となる19日午後から23日への下落を想定する。

以上を踏まえ、当面のポイントを示す。
(1)112.75円を支持線とし、113円割れを切り返して回復するうちは上昇継続余地ありとし、高値更新なら10月6日高値113.43円試しを想定するが、113.25円以上は反落警戒圏とみる。
(2)112.75円割れからは弱気サイクル入りとした下落とし、112.50円前後試しを想定する。112.75円超えへと切り返せないうちは19日夜、20日未明にかけてはさらに一段安する可能性ありとし、その場合は112.25円前後まで下値目途を切り下げる。(了)<9:25執筆>

【当面の主な予定】

10月19日
    (欧) EU首脳会議(ブリュッセル、19日〜20日)
アジア太平洋経済協力会議APEC財務相会合(ベトナム、19日〜21日)
11:00 (中) 7-9月期GDP 前年比 (前期 +6.9%、予想 +6.8%)
11:00 (中) 9月小売売上高 前年比 (8月 +10.1%、予想 +10.2%)
11:00 (中) 9月鉱工業生産 前年比 (8月 +6.0%、予想 +6.4%)
21:30 (米) 10月フィラデルフィア連銀製造業指数 (9月 23.8、予想 20.5)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 24.3万件、予想 24.5万件)
23:00 (米) 9月景気先行指数 前月比 (8月 +0.4%、予想 +0.1%)

10月20日
    (欧) EU首脳会議(ブリュッセル、19日〜20日)
アジア太平洋経済協力会議APEC財務相会合(ベトナム、19日〜21日)
15:35 (日) 黒田日銀総裁、全国信用組合大会挨拶
23:00 (米) 9月中古住宅販売件数 (8月 535万件、予想 530万件)

10月21日
03:00 (米) メスター米クリーブランド連銀総裁講演
アジア太平洋経済協力会議APEC財務相会合(ベトナム、19日〜21日)
08:30 (米) イエレンFRB議長講演

(日) 衆議院議員総選挙投開票

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る