<< 東京市場の動き >>
12日の東京市場は、ドルが小安い。とは言え、形成レンジは30ポイント程度に留まり、さほど大きな変動は観測されなかった。
112.45-50円で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける展開。ただ、ドルの上値が重いなか、夕方にかけてドルはじり安、112.20-25円まで値を崩している。前日、終値ベースでは実に20年10ヵ月ぶりの高値引けとなった日経平均先物は、本日も続伸、さらに値を上げたがマーケットへの影響は限定的だった。16時時点、ドル/円は112.25-30円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料として話題となっていたもののひとつは、引き続き北朝鮮情勢。米研究所が最新の衛星画像をもとに、「北朝鮮、潜水艦発射弾道ミサイル試験用の発射台に新たな動きはない」と発表した一方で、トランプ米大統領が会見で「対北対応、米にとって正しいことをする」「北朝鮮情勢を継続させるわけにはいかない」などと述べたと一部で報じられていた。さらに、聯合ニュースは「中国当局、北テロ懸念し一部韓国人に帰国勧告」と指摘し、地政学リスクの喚起に繋がっていた感も否めない。
また、それとは別に次期FRB議長に関する報道も幾つか観測され、話題となっていた。一例を挙げると、ブルームバーグは「トランプ米大統領が今週、FRBの次期議長候補の1人であるスタンフォード大学のテーラー教授と面談する」、米政治専門紙ポリティコは「FRBの次期議長の人選を進めるムニューシン財務長官がパウエルFRB理事をトランプ大統領に推している」−−と報じていたもよう。
<< 欧米市場の見通し >>
勢いも弱く、それほど確たる動きではないものの、上値がジワリと重くなりつつある一方、ドルの下値リスクが少しずつ高まってきた感がある。昨日からの動きを見ると、移動平均の200日線も近い112円レベルが目先のサポートで底堅いイメージもなくないが、しっかり割り込むようだと111円前半を目指し、ドルは続落する可能性を否定出来ないのかも知れない。本日は、米経済指標の発表を含め、注目材料が少なくないだけに波乱含みの展開にも注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、昨日からの値動きは112.00-60円といったわずか60ポイントレンジ。ドルの上値が少しずつ切り下がっている感があるものの、下値も攻めきれていないようだ。いずれにしても、ドル下値については112円レベルあるいは200日線をめぐる攻防が注視されており、割り込むようだと111.25-30円に位置する一目均衡表の先行帯の雲の上限がターゲットとなりそうだ。
それに対し、最近のレンジ上限を超えた場合のドルの上値メドは、先週末高値の113.44円となる。
一方、材料面では注目要因が少なくない。米経済指標ということでは、9月の生産者物価指数が発表されるほか、米30年債の入札、JPモルガンチェースやシティグループの決算発表などが見込まれている。
また、次期FRB議長候補に名前の挙がっているパウエルFRB理事が講演を実施するうえ、G20財務相・中銀総裁会議が開催される予定。各国要人による発言が相場の波乱要因となることも想定しておきたい。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.60-112.80円。ドル高・円安方向は、昨日からのドル高値112.60円レベルが最初の抵抗で、抜ければ112.80-85円、そして前回高値113.44円などが視界内に捉えられる。
対するドル安・円高方向は、200日線も近い112円前後をめぐる攻防にまずは注視。割り込むようだと111.25-30円に位置する一目均衡表の先行帯の雲の上限などがターゲットとなりそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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