ドル円FOMC議事録公開では円安へ進めず(10/12)

12日未明、FOMC(9月19日、20日開催分)の議事録が公開された。

ドル円FOMC議事録公開では円安へ進めず(10/12)

<概況>

10月6日の米雇用統計発表から上昇して113.43円をつけたが、そこで買い一巡、材料消化となって急落、9日朝に112.32円をつけてからやや戻し、112.50円を支持線として横ばいだったが、10日深夜に111.989円まで一段安した。11日は昼へ112.58円まで戻し、夜間で112.077円まで下げたが新たな安値更新は回避、12日未明には112.56円まで戻すも11日昼高値超えへは進めず、というやや膠着状態にあり、112円前後支持線、112.50円台抵抗での往来となっている。
ひとまず雇用統計後の高値からの下げは一服している。ユーロ高ドル安が円高要因である一方、米国株が史上最高値を更新、昨日の日経平均が高値更新した事等の株式市場における楽観主義がリスクオン的な円安要因ではあるが、北朝鮮情勢もくすぶり、米連銀利上げ姿勢を織り込んで1か月上昇したことでの一巡感もあり、更に一段高で114円を目指すとい機運がやや削がれている印象だ。

【FOMC議事録】

12日未明、FOMC(9月19日、20日開催分)の議事録が公開された。9月21日未明の声明文で12月利上げ姿勢が示され、市場は12月利上げ確率を7割以上としてドル高反応を10月6日まで継続したが、材料的には織り込まれている。今回の議事録では、さらに12月利上げ確率を引き上げ、100%に迫るような内容ではなく、インフレの鈍さへの懸念が示されていることもあってドル高要因にはならなかった。議事録公開前と公開後の米金利先物市場から逆算される利上げ確率は75%程度で変わらなかった。
議事要旨によれば、多くの参加者は弱い物価動向は一時的として利上げ支持姿勢であり、数名が反対、慎重というところのようだが、これは9月21日未明の声明文でのメンバー利上げ予想回数の人数配分と変わらない。実際の利上げが接近するか、次回FOMC、次回米雇用統計が迫ればドル高感が再燃する可能性はあるが、現時点では米国の利上げ問題については10月6日への上昇でひとまず材料消化された状況にあると考えられる。

FOMC議事要旨
@ 多くの参加者、市場は資産縮小を明確に理解
A 資産縮小開始に伴う市場の反応、限定的の公算大と認識
B 最終的な保有資産規模への具体的議論なし
C 多くの参加者、弱い物価動向の一因は一時的で時間とともに後退
D 数人の参加者、長期の低インフレ傾向の可能性に言及
E 複数参加者、トレンド物価上昇率が2%以下である可能性を懸念
F 数人、物価低迷が長期化しないと確認できるまで利上げ延期を主張
G 複数参加者、労働市場は完全雇用状態でインフレ上振れを警戒

エバンズ・シカゴ連銀総裁(FOMC投票権あり)は記者団への発言で「緩やかな利上げ方針に基づくこれまでの引き上げは適切と指摘」とした上で、インフレをさらに見極める上で利上げを待つことに問題があるとは思わない」と述べてやや慎重な姿勢を示した。

米サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁(投票権無し)は年内あと1回、2018年は3回の利上げを行い、2019年も利上げするのが適切との見通しを示した。

米カンザスシティー連銀のジョージ総裁(投票権無し)は「目標を下回っている現在のインフレ率については懸念材料ではない」「引き続き緩やかな利上げを行うべき」との姿勢を示した。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では、6日夜の急落により遅行スパンが悪化、先行スパンから転落した。10日安値の後は新たな安値更新を回避して往来しているため、遅行スパンは12日午前時点では好転しているが、直ぐに悪化しやすい状況にある。112.58円を超えて上昇すれば暫く好転状態を維持できるが、112.50円台を抵抗として下げる場合は悪化しやすい。11日深夜から戻したことで切り下がってきた先行スパンを上抜いてきている。112.40円を上回る内は概ね先行スパンを上抜いた状況を維持するため戻り高値を試しやすいが、112.30円割れしてくると先行スパンからの転落感が強まるので、一段安へ進みやすくなると思われる。

60分足の相対力指数は10日夜の下落で30ポイントを割り込み、11日夜の下落では30ポイント割れまでは下げず、その後は50ポイント台を回復している。相場が横ばい型の往来のため指数も30ポイント台から60ポイント前後までで往来しやすい状況。65ポイント超えへ進めば戻り高値を試す上昇へ進みやすく、40ポイント割れからは下げ再開が警戒される。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成のサイクルでは、10月4日夜安値を前回のサイクルボトム、6日夜高値を同サイクルトップとして下落してきたが、10日夜安値の後は新たな安値更新を回避してきたので、4日夜安値から4日目となる10日夜安値でサイクルボトムをつけたと思われる。今回の高値形成期は6日夜高値を基準として11日夜から13日夜にかけての間と想定される。10日夜安値割れ回避の内は戻り高値を試す余地ありとするが、112.30円割れからは弱気転換注意、10日夜安値割れからは新たな下落期入りとして次の安値形成期となる13日夜から17日への下落へ向かう可能性が考えられる。

以上を含めて当面のポイントを示す。
(1)12日の日中、下値支持線を112.30円、上値抵抗を11日高値112.58円とみておく。
(2)112.30円を一時的に割り込んでも切り返すうちは上昇余地ありとし、112.58円超えの場合は112.80円前後試しを想定するが、113円に届かずに失速しやすいとみる。
(3)112.30円割れからは弱気転換注意として10日深夜安値111.989円試しとし、底割れの場合は新たな下落期入りとして111.50円から111.30円への下落を想定する。また112円割れの状況が続く場合は13日の日中も安値を試しやすいとみる。
※ 現状は9月8日からの上昇が1か月で一巡し、下落局面へ入ってゆくのか、小規模の調整安を消化してもう一段高へ進み、5月高値、7月高値の後114円台へ向かうのか、重要な分岐点にあると思われる。111.60円割れへと下落する場合は1か月の戻り一巡による中勢レベルの下落期入りへ進む可能性が高まるとみる。(了)<9:35執筆>

【当面の主な予定】

10月12日
20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン 13日迄)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 26.0万件、予想 25.2万件)
21:30 (米) 9月生産者物価指数 前年比 (8月 +2.4%、予想 +2.6%) 
21:30 (米) 9月生産者物価指数・コア 前年比 (8月 +2.0%、予想 +2.0%)
23:15 (欧) ドラギECB総裁 ブレイナードFRB理事講演
23:30 (米) パウエルFRB理事、講演

10月13日
未 定 (中) 9月貿易収支 (8月 +419.9憶ドル、予想 380.5憶ドル)
08:50 (日) 9月マネーストックM3 前年比 
09:30 (豪) 豪準備銀行(RBA)金融安定化報告公表
21:30 (米) 9月消費者物価指数 前年比 (8月 +1.9%、予想 +2.3%)
21:30 (米) 9月消費者物価指数コア 前年比 (8月 +1.7%、予想 +1.8%)
21:30 (米) 9月小売売上高 前月比 (8月 -0.2%、予想 +1.6%)
21:30 (米) 9月小売売上高 除自動車 (8月 +0.2%、予想 +0.9%) 
23:00 (米) 10月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値 (9月 95.1、予想 95.0)
23:00 (米) 8月企業在庫 前月比 (7月 +0.2%、予想 +0.6%)
23:25 (米) エバンス米シカゴ連銀総裁講演

10月14日
00:30 (米) カプラン米ダラス連銀総裁講演
02:00 (米) パウエルFRB理事講演

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