地政学リスクは後退、円安基調続くか(9/12夕)

12日の東京市場は、109円台前半を中心とした揉み合い。日中を通した形成レンジは40ポイントにも届かず、大きな動意はうかがえなかった。

地政学リスクは後退、円安基調続くか(9/12夕)

<< 東京市場の動き >>

12日の東京市場は、109円台前半を中心とした揉み合い。日中を通した形成レンジは40ポイントにも届かず、大きな動意はうかがえなかった。

109.35-40円で寄り付いたものの、積極的な動意は手控えムード。朝の早い時間帯に国連安保理が「全会一致で北朝鮮の制裁決議案を採択」したが内容的には物足りなさも残り、さほど目立った影響はなし。
その後は日経平均など株価の動きをにらみつつ右往左往の値動きが続くも、東京の終盤、欧州勢が取引に参加したあとは一転して円全面安の様相に。円は、たとえばNZドルや豪ドルなどのクロスに対して大きく値を崩すと、ドル/円でも円は連れ安となった。16時時点では、109.55-60円の日中最高圏で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料面として話題となっていたものは、本日もまずは北朝鮮情勢。早朝には前述した国連安保理決議に関するニュースが報じられ、それをうけ安倍首相が「国連決議を高く評価」と発言するなど各国要人から歓迎のコメントが相次いだ。また、そうしたなか、北朝鮮による度重なる核実験やミサイル発射に抗議するものとして、「南米ペルーが、メキシコに続き北朝鮮大使を国外追放する」とも報じられている。

<< 欧米市場の見通し >>

国連安保理決議を受けた北朝鮮の反応がまだ見られず、懸念もくすぶってはいるが、決定した決議内容はというと、米国が事前に「強力な追加措置を目指す」と息巻いていたものとは程遠いモノだった。これはもちろん、米国が強力な追加措置に反対姿勢を示していた中露の意を汲み、大幅に譲歩したためだ。
そうした決定のプロセスはともかく、結果として米国が目指していた強力な追加措置が見送られたことで、北朝鮮としても、ある種の溜飲が下がった格好になるのかもしれない。したがって、「一旦は矛を収め挑発行動などを収束させる」との指摘も市場では聞かれており、地政学リスクの後退観測が今後さらに高まるようだと、このあと円売りが一段と進んでも不思議はないと思っている。

テクニカルに見た場合、昨日レポートした8月31日の目先ドル高値110.67円を起点とした目先下げ幅を参考にしたフィボナッチでみた半値(50.0%)戻しの109円レベルはおろか、61.8%戻し(109.40円)も昨日のNY時間から本日にかけて上抜けてきた。次の上値メドは76.4%戻しの109.85-90円だが、100%戻しである110.67円までの戻りも考えておいた方が良いのかもしれない。
それに対するドルの下値メドは、一目均衡表の転換線や基準線が位置する109円前後となる。

一方、材料面を見た場合、幾つか米経済指標の発表は予定されているものの、小粒なものでよほどの数字とならない限り影響は限定的か。
それよりむしろ、米財務省による10年債入札や、前述した国連安保理決議発表後、沈黙を守る北朝鮮情勢が警戒されている。後者については、逆切れ的な動き、たとえば軍事行動に打って出るなどといったことはないと思われるが、地政学リスクが後退し、マーケットは緩んでいることから警戒だけは一応払っておきたい。

以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.10-110.30円。ドル高・円安方向は、フィボナッチで見た抵抗に当たる109.85-90円の攻防にまずは注視で、抜ければ名実ともに110円台回復か現実味を増してきそうだ。
対するドル安・円高方向は、東京時間安値である109.20-25円が最初のサポートで、その少し下である109円前後には一目均衡表の転換線などが位置している。(了)

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