予想を下回る雇用統計等でドル円 ユーロドル乱高下
今週最大のイベントであった雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比+15.6万人と予想の+18万人をやや下回る結果となり、平均時給の伸びも前年比+2.5%とこれも予想+2.6%には足りませんでした。
結果を受けてドル円は一時110.10レベルから109.56へ急落、ユーロドルも1.1980へ急騰しましたがどちらも1時間以内でほぼ全戻しする荒い展開となりました。
そのタイミングで22:45発表の米製造業PMIが52.8と速報値52.5を上回るとドル円ユーロドルともに雇用統計前の水準を上回るドル買いとなり、
更に23:00にこの日最後の一連の指標が発表され、ISM製造業指数は58.8と事前予想を大きく上回り、ミシガン大消費者信頼感指数は予想97.5よりやや悪い96.8、建設支出は前月比予想+0.5%に対して-0.6%と非常に悪い数字と出て完全にまちまちの結果となりましたが、為替市場はドル買いに反応ドル円110.46、ユーロドル1.1850までドルが急騰、その後もドル高値圏での取引が続いています。
結局今日のところは対ユーロで特に顕著でしたが、どうしてもドルを買いたい人かドルを上げさせたい人がいたのか、為替市場はドル買いの材料にのみオーバーリアクションしたイメージです。
今週の米欧の指標は米国における「雇用の逼迫にも関わらず、賃金の上昇は鈍く、消費が盛り上がらない」こと、「トランプ政権の政局運営の混乱が、財政出動を遅らせていてインフラへの資金が回るどころか支出が減少している」ことを浮き彫りにした内容といえ、一方でユーロ圏は製造業の景況感、消費、物価まで着実に足場を固めつつあることを再確認、、このような状況下でのドル買いにはやや違和感を覚えます。
また、一部報道等にあるECB内部でのユーロ高に対する懸念も、前回議事録にも記載されていたとおりで、あることはあるのでしょうが、本日ECBのノボトニーオーストリア中銀総裁が「ユーロの現状はほぼ導入時の水準で、パリティ(1.0)を割り込んだことも1.50-60に至ったことも過去にあり過剰に解釈したり、大げさに反応することはない」とコメントした通りで、欧州圏の主な国々にユーロ高に対する深刻な懸念が広がっているとは思えません。
来週は7日にECB理事会が開催されますが、前述のとおりECBが為替の水準にとやかくコメントすることは考えにくく、やはり注目点はテーパリングの有無や開始時期に絞られるのではないかと思われます。
23:30現在のドル円の水準は110.25、ユーロドルは1.1875近辺とやや落ち着きを取り戻しつつある状況です。
オーダー/ポジション状況
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