ドル円 雇用統計から反発継続できるか(8月第一週)

雇用統計が良好だったことにより、年内あと1回の利上げ確率が上昇したとしてドルが買われ、ドル円は23時には111.04円を付けたが、

ドル円 雇用統計から反発継続できるか(8月第一週)

<概況 米雇用統計から反騰>

7月12日のイエレン議長議会証言がハト派的で利上げを急がない姿勢だったことでドル安円高が加速、7月14日の米小売統計、消費者物価が予想外に悪かったこと、さらに7月20日のECB理事会での年内の見直し姿勢から111円割れまで下落した。7月27日未明のFOMC前はポジション調整的に戻したが、FOMCがハト派的だったことで下落再開、8月1日には110円割れまで続落してきた。
8月4日の米雇用統計前の4日午前には109.84円まで安値を切り下げ、110円を挟んだ持合いで米雇用統計を迎えた。
7月の米雇用統計では、失業率が4.3%となり市場予想と一致、前月の4.4%から改善した。非農業部門就業者数は20.9万人増となり、市場予想の18.0万人増を上回った。前月は当初の22.2万人増から23.1万人増へ上方修正された。平均時給伸び率は+0.3%となり、市場予想と一致し、前月の+0.2%から上昇した。

雇用統計が良好だったことにより、年内あと1回の利上げ確率が上昇したとしてドルが買われ、ドル円は23時には111.04円を付けたが、その後は111円台を維持できずにやや下落して終了した。8月2日夜に戻したところでは110.98円止まりで111円に乗せ切れなったが、その時の高値はわずかに上抜いた。
米雇用統計で上昇反応の場合、上昇が短時間に終わり、材料消化的に売られて発表前水準を下回る場合は、それまでの下落基調継続となりやすい。雇用統計から上昇し、その後も高値圏を維持して終了する場合は週明けにさらに高値を試しやすい。7月7日の前回米雇用統計がよかった時には、当日に上昇、一段高し、さらに週明けの11日(火曜日)深夜まで上昇を継続した。その時は上昇基調の中での発表であり、7月11日深夜のドル高円安のピーク形成の最終的な押上げ材料となった。今回は下落基調が継続する中での反騰材料として戻した状況にある。

【ドル安の3要素】

7月11日以降のドル安円高は、(1)米連銀による追加利上げ、金融引き締めへのハト派的な姿勢によるドル安、(2)ECBの金融緩和政策見直し同行によるユーロ高、カナダの利上げ等による相対的なドル安円高、(3)ロシアゲート問題による米トランプ政権への懸念によるドル売りがある。円に限れば北朝鮮問題、安部政権の支持率が危機的に低下していることも加わる。今回の米雇用統計はこれらのドル安要因の一つに対して揺れ返しのきっかけを与えるものとなった印象がある。

ひとまず、7月27日未明のFOMCからのドル安円高にはブレーキがかかった印象だ。週明けも続伸して111円台を維持し始める場合は27日未明のFOMC声明から急落する前の水準である112円まで戻してくる可能性がある。しかし、他のドル安要因が継続的であるうちは、戻りも限定的なものにとどまる可能性がある。
米FOMCのスタンスについては、8月8日未明のブラード米セントルイス連銀総裁講演、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁講演、10日夜のダドリー米NY連銀総裁記者会見、11日夜のカプラン米ダラス連銀総裁講演が今後のヒントを与えてくれるかもしれない。

米連銀は昨年12月に追加利上げをした際、今年は3回の利上げ予想を示した。すでに3月、6月と二度の利上げを実施してきた。その流れから見れば年三回目の利上げがあっても何ら不思議ではないが、市場は雇用統計発表を終えた時点でもまだ12月までの利上げ確率は五分五分だとみている。一連の地区連銀総裁発言が、ハト派的で利上げの年内見送り可能性を示唆するものになれば、雇用統計からのドル高が根拠を失い、110.50円以下での推移が続き始める場合は下げ再開、4日安値割れから一段とドル安が進む可能性がある。逆に利上げ確率を引き上げる姿勢が続くならもう一段高へと戻し、27日未明高値まで回復する可能性が高まる可能性がある。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では、雇用統計からの反騰で遅行スパンが好転、先行スパンを突破した。このため、先行スパン上限がある110.40円以上を維持する=110.50円割れを切り返すうちは上昇継続余地ありと見るが、先行スパンへもぐりこむ場合、週末反騰の半値押しである110.42円を割り込んでくることになるため、下げ再開が警戒され、110.10円割れまで下げてくる場合は先行スパンから転落となるため、一段安警戒間が強まるとみる。

60分足の相対力指数は雇用統計からの上昇で74ポイントまで上昇した。すでに高値警戒圏ともいえるが、弱気逆行は出ていないので、50ポイント以上を維持するうちは上昇余地ありとみる。しかし、週明けに高値を更新した段階で、指数が高値を更新できずに弱気逆行気配となる場合は下げ再開注意とみる。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは、8月4日午前への下落で1日夜安値を割り込んだが、米雇用統計から反騰して2日夜高値を上抜いたため、4日午前安値で底を付けて上昇期に入ったと思われる。今回の高値形成期は2日夜高値を基準として7日夜から9日にかけての間と想定されるので、4日夜の反騰幅の半値を削る下落とならないうちは上昇継続余地ありとみるが、半値を削り始める場合はサイクルトップ形成を短縮しての弱気転換注意とし、4日午前安値試しへの下落が警戒される。さらに底割れの場合は次の安値形成期となる9日から11日への下落期へ進む可能性が警戒される。

以上を踏まえると、(1)110.40円以上で推移のうちは高値更新余地ありとし、4日夜高値超えの場合は27日未明高値と重なる112円試しへ向かう可能性ありとみる。(2) 4日の高値を更新してくる場合は7日の米国市場時間で戻り一巡する可能性にも注意するが、その後も111円以上で推移する場合は7月11日からの下落基調から上昇基調へと転換する可能性も検討される。(3) 110.40円割れからは下げ再開の可能性を優先して4日安値109.8円試しを想定する。さらに底割れの場合は109円台序盤を試す下落とし、7月11日からの下落基調が継続していることを示すと考える。 (了)<8:00執筆>

【今週の主な予定】

8月7日
23:00 (米) 米7月労働市場情勢指数

8月8日
0:45 (米) ブラード米セントルイス連銀総裁講演
2:25 (米) カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁講演
4:00 (米) 米6月消費者信用残高 (5月 +160.0億ドル、予想 +184.1億ドル)
未定 (中) 中国7月貿易収支 (6月 +428憶ドル、予想 452億ドル)
未定 (SA) 南ア、議会でズマ大統領の不信任投票
8:50 (日) 6月経常収支 (5月 +1兆6539億円、予想 8605憶円)
8:50 (日) 6月貿易収支 (5月 -1151憶円、予想 +5490憶円)

8月9日
シンガポール市場休場(独立記念日)
南ア市場休場(女性の日)
08:50 (日) 7月マネーストックM3
10:30 (中) 中国7月消費者物価指数 前年比 (6月 +1.5%、予想 +1.5%)
10:30 (中) 中国7月生産者物価指数 前年比 (6月 +5.5%、予想 +5.6%)
21:30 (米) 米4-6月期単位労働コスト・速報値
21:30 (米) 米4-6月期非農業部門労働生産性・速報値
23:00 (米) 米6月卸売売上高、在庫

8月10日
06:00 (NZ) RBNZオフィシャル・キャッシュレート  (予想 1.75%に据え置き)
08:50 (日) 6月機械受注 前年比 (5月 +0.6%、予想 -1.1%) 前月比 (5月 -3.6%、予想 +3.7%)
13:30 (日) 6月第3次産業活動指数 前月比 (5月 -0.1%、予想 +0.2%)
21:30 (米) 米新規失業保険申請件数 (前週 24.0万件、予想 24.5万件)
21:30 (米) 米7月生産者物価指数 前年比 (6月 +2.0%、予想 +2.3%)
21:30 (米) 米7月生産者物価指数・コア 前年比 (6月 +1.9%、予想 +2.1%)
23:00 (米) ダドリー米NY連銀総裁記者会見

8月11日
東京市場休場(山の日)
08:30 (豪) ロウRBA総裁、議会証言
21:30 (米) 米7月消費者物価指数 前年比 (6月 +1.6%、予想 +1.8%)
21:30 (米) 米7月消費者物価コア指数・前年比 (6月 +1.7%、予想 +1.7%)
22:40 (米) カプラン米ダラス連銀総裁講演


00:30 (米) カシュカリ米ミネアポリス連

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