ドル円見通し 流れは変わるか?!(17/7/20)

7月11日高値114.49円からの下落が続いている。

ドル円見通し 流れは変わるか?!(17/7/20)

<概況>

7月11日高値114.49円からの下落が続いている。
7月12日夜のイエレン議長議会証言が市場の懸念する「利上げ加速」姿勢に乏しい、比較的ハト派的な内容だったことで113円割れ。いったん戻すも14日夜には米小売売上高、消費者物価等が予想より悪かったことで112円台前半へ下落。17日深夜への戻りでは113円に届かず、18日夜には112円割れ、さらに19日夜も111.54円まで続落している。

【2か月周期での高値形成、底形成のリズム】

6月15日から7月11日への上昇=円安ドル高を支えていたのは米経済指標が比較的良好で、ユーロ高による欧州長期金利上昇と連動した米長期金利の上昇により、日米金利差が拡大していたことが大きかった。しかし米長期金利は下落に転じており、金利差からはドル買い円売りポジションの巻き戻しとなっている。またトランプ政権によるヘルスケア改廃法案の上院通過が難しくなったことによる米政権への失望感もドル安、米長期金利低下の要因となっている。

ドル円は19日への下落により、6月末からの上昇分を吐き出した。日足では一目均衡表の26日基準線(111.87)まで下げており、6月14日以降の上昇幅の半値を削った状況になっている。状況的には5月11日高値から6月14日安値まで下落する過程における5月18日安値形成への下落時に近い印象だ。また3月10日高値から4月17日安値へと下落してゆく前半の下落角度にも近い。
3月10日高値から2か月後の5月11日に高値をつけ、そこから2か月後の7月11日に高値をつけて下落し始めた。4月17日安値から2か月後の6月14日安値で前回は底をつけた。この2か月毎のリズムが継続しているとすれば、次の安値形成期は8月半ばという想定となる。同じリズムが繰り返されるものではないが、20日昼の日銀金融政策決定会合、夜のECB理事会とドラギ総裁会見、さらに来週25日、26日の米FOMCというイベントを下落基調で通過する場合には、7月末、さらに8月中盤への下落基調継続となる可能性も警戒すべきかもしれない。逆にここを押し目として113円台回復へ上昇なら、7月11日高値試し、さらには6月14日底からの上昇が二段上げ型へ発展する可能性もまだ残っているだろう。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

7月11日深夜高値からの下落で遅行スパンは悪化が続いている。12日に先行スパンから転落したが、その後も先行スパンが抵抗となって上抜き返せない状況が続いている。
112円以下での推移中は両スパンが悪化したままとなり、安値更新の場合はさらに好転へのきっかけが遠のくと思われる。112円超えへ進めば遅行スパンは好転してくるため強気転換注意となり、さらに112.30円超えへと戻せば先行スパン突破となり、7月11日夜高値以降の下落に対するリバウンド入りとなる可能性が高まると思われる。

60分足の14本相対力指数は14日深夜安値形成時に20ポイント割れまで突っ込んだが、その後に相場が一段安している中では30ポイント前後が支持線となってやや強気逆行型となっている。しかし50ポイントまで戻しても維持できずに失速しているため、やや逆行気味ではあるが、更に一段安へ向かう可能性が懸念される。

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、7月13日安値を前回のサイクルボトム、14日昼高値を同サイクルトップとして下落してきた。13日安値から3日目となる18日夜安値で直近のサイクルボトムをつけ、既に底割れから新たな弱気サイクル入りとなっている可能性がある。19日高値を上抜けない内はこの可能性を優先し、次の底形成期となる21日夜から25日夜への下落継続を想定する。ただし、19日高値112.22円を超えてくる場合は19日夜安値ないしは直前安値をサイクルボトムとした強気サイクル入りと改め、20日夜から21日の日中へのリバウンド入りを想定する。ただし、112.50円から113円にかけてのゾーンまでを戻りの目安とし、その後はサイクルの高値をつけて下落を再開する可能性があると思われる。

以上を踏まえて、20日午後から21日朝にかけてのポイントを示す。
(1)112円以下での推移中は一段安警戒を優先、19日深夜安値111.54円割れからは111.00円試し、さらに110.70円台への下落を警戒する。また21日にかけても続落しやすいとみる。
(2)112円超えの場合は19日高値112.22円試しとし、超える場合は強気サイクル入りの可能性を優先して112.50円から112.70円台への上昇を想定する。ただし、戻り一巡からの反落にも注意が要るので、戻り高値から0.50円以上の下落となる場合は下げ再開、一段安へ向かうと考える。(了)<10:15執筆>

【当面の主な予定】

7/20(木)
昼頃  (日)日銀金融政策決定会合 金融政策発表、日銀展望レポート公表
20:45 (欧) 欧州中銀金融政策発表  21:30 ドラギ総裁会見
21:30 (米) 新規失業保険申請件数
21:30 (米) 7月フィラデルフィア連銀製造業指数 (6月 27.6、予想 21.5)

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る