下値余地さらに拡大か、ドルの続落要注意(7/18夕)

18日の東京市場は、ドル安・円高。112円台後半で寄り付いたものの、一時112円割れをワンタッチする局面も観測されていた。

下値余地さらに拡大か、ドルの続落要注意(7/18夕)

<< 東京市場の動き >>

18日の東京市場は、ドル安・円高。112円台後半で寄り付いたものの、一時112円割れをワンタッチする局面も観測されていた。

112.60円前後で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。上下10-20ポイント程度のボックス相場をたどったが、9時過ぎになり突然ドルが急落。途中、ストップロスを巻き込みつつ、昼過ぎには本日安値の111.99円を示現した。その後は若干ドルが小戻すも上値は重く、16時時点では112.15-20円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、それとは別に、東京時間はNZドルを中心にオセアニア通貨が大荒れ。例えばNZドル/円は82円半ばから81.60円台まで急落後、再び82円半ばまで戻すなど、合計で2円近い、振れの大きな「行って来い」の展開をたどっていた。

一方、材料面では、ブルームバーグが「米共和党上院議員でさらに2人がヘルスケア法案に反対へ」と報じ、これを受けて米株先物などが一時大きく値を下げると、前述したようなドル急落の一因に。
また、別途、ブルームバーグが「日銀内でETF買い入れに懸念の声広がる」と報じたほか、米通商代表部は議会宛ての文書で、「北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で通貨安阻止に意欲」との考えを示したうえ、この件についてNHKは「今後、日本とのあいだで自由貿易協定(FTA)の交渉に入った場合、同じような要求を掲げてくることも予想される」−−と報じ、一部で物議を醸していた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドルの下値リスクがさらに高まってきた感を否めない。まだしっかりと割り込んできたわけではないが、一時112円ちょうどを下回ったこともあり、次のターゲットは移動平均の200日線などが位置する111.75-80円か。そのレベルも下回るようだと、さらにドル安が進行しても不思議はないかも知れない。いずれにしても、参加者のなかにはサマーバカンス入りした向きも多く、流動性が低下しているだけに、思わぬ価格変動には要注意だ。

テクニカルに見た場合、先週末そして昨日NY時間と2度にわたってドルの下値をサポートした安値108.75円を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%押し(112.30円レベル)を本日の東京時間に「3度目の正直」で割り込んできた。次のターゲットは移動平均の200日線などが位置する111.75-80円であり、前述したフィボナッチの観点では、半値(50.0%)戻しが111.60-65円となる。大雑把に言って、ドル下値は111.60-80円のゾーンをめぐる攻防に注意を払いたい。

一方、材料的に見た場合、6月の輸出入物価指数や7月のNAHB住宅市場指数といった発表される米経済指標にまずは要注意。また、それとは別にバンク・オブ・アメリカやゴールドマン・サックス・グループといった金融機関を中心に発表される米企業決算の内容にも注意を払いたい。
さらには、本日になり突然ドルの弱材料として浮上した「米ヘルスケア法案」をめぐる動きや、再燃の兆しをみせる「ロシアゲート事件」に関する報道なども波乱要因と認識しておいて損はないだろう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.70-112.90円。ドル高・円安方向は、昨日のドル高値112.87円が最初の抵抗で、抜ければ113円台回復、一目均衡表の転換線が位置する113.20-25円がターゲットになりそうだ。
対するドル安・円高方向は、東京時間にしっかりと割り込めなかった112円レベルの攻防にまずは注視。割り込んだ場合には、移動平均の200日線が位置する111.75-80円などが視界内に入ってくるだろう。(了)

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