米大統領弾劾への動きにドル円110円台へ急落
金融市場でリスクオフの動きが加速
昨晩の海外市場ではトランプ大統領のFBIに対する捜査妨害とロシアへの機密漏えい問題が収まらず、一部でトランプ大統領の弾劾、罷免への動きが出始めたことを懸念し、金融市場でのリスク回避の動きが一段と強まる形となりました。
米政権運営の先行きへの不安は、ドル売り、株売り、債券買いを誘発。ドル円は昨晩112.50レベルから111円割れまでほぼ一方向に下落してアジア時間早朝には110.54の安値をつけ110円台後半での取引となっています。リスク回避の円買いに加え、米国債10年物利回りが一時2.21%まで低下したことがドル売りを加速させました。
ユーロドルも4日続伸し、米大統領選直後のスパイク的高値前の事実上の高値である1.1145も越え1.1200を目指す動きです。
海外株式はほぼ全面安、NYダウは372.82ドル下げて20,606.93ドルで終了しています。
市場の懸念は政策実施の遅れ
捜査妨害も機密漏えいも昨晩新たに生じたテーマではありませんが、民主党の一部の議員が弾劾手続きに動き始めたことが、弾劾、罷免の実現可能性は別として、今後トランプ政権の政権運営の障害となり、経済政策等の実施に大幅な遅れを生じる恐れが出てきたことに市場は反応しています。
トランプ大統領はこれに対し「これほどメディアに不当に扱われた大統領はいない」と反発、ロシアのプーチン大統領はこの状況についてロシアへの敵対心からの「病気」と表現、ホワイトハウスの了解が得られるのであればラブロフ外相との会談内容を米議会に提出する用意があると発言しています。
尚、先ほど米司法省は米大統領選へのロシアの関与を捜査する独立した捜査責任者にモラー元FBI長官を任命したと発表しました。
東京市場は荒れ模様の展開へ、地政学リスクへも一段の注意必要か
ドル円は昨晩の急落で日足の一目均衡表の雲を一気に下に突き抜けた他、主要なサポートをすべて下抜けた形となっており、テクニカル的にもセンチメントが一変、110円を試す勢いです。また、日経平均先物は昨晩19,500円を割り込んでおり、本日の東京市場でも為替・日本株ともに荒れ模様の展開となりそうです。
さらに、このような追い詰められ方をした場合の独裁的傾向のある政治指導者の常とう手段は海外との開戦。北朝鮮が警告を無視して中距離弾道弾の実験に成功し、横須賀からメンテナンスを終えた米空母ロナルド・レーガンが北朝鮮に向かったタイミングでもあり、今後は地政学リスクにも一段の注意が必要となりそうです。
本日はこの後8:50から本邦1QのGDP速報値の発表があります。
オーダー/ポジション状況
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