<< 東京市場の動き >>
4日のアジア市場は、おおむね揉み合い。112円台後半における30ポイントほどのレンジ取引で、しっかりした方向性はうかがえなかった。
112.70-75円で寄り付いたものの、東京市場が「みどりの日」で休場となったこともあり動意は薄い。下値は112.60円レベルでかなり底堅いものの、上値は113円に届かず、両サイドとも攻めきれなかった。16時時点では、ほぼ寄り付きレベルと同じ112.70-75円で推移し、欧米時間を迎えている。
材料的には、「プエルトリコが破産申請、米自治体で最大」とのニュースが報じられたほか、現地時間の前日に行われたフランス大統領候補によるテレビ討論はマクロン氏に軍配上がる、などとした報道も観測されていたが、相場への影響は軽微だった。
<< 欧米市場の見通し >>
前日の6月利上げを正当化したFOMC声明もあり、相場はさらにドル高方向にバイアスを掛けた値動きだ。「新たなドル高ステージ」へと入った感も否めず、テクニカルにも113円台乗せを完全に視野に捉えている。気掛かりなのは、ポジションの偏りと要人発言で、後者については対円だけでなくカナダドルや豪ドルなどについてもドル高となっているだけに、トランプ米大統領による「ドル高けん制発言」を警戒する声も聞かれていた。
テクニカルに見た場合、上方向のテクニカルポイントを次々上抜けている。次のターゲットは、昨年末ドル高値118.66円を起点とした下げ幅の半値(50.0%)戻しに当たる113.40円レベルか。
リスクという点では間違いなくドル高方向のリスクが大きいものの、ドル/円の日足を見ると4月25日以降、陰線らしい陰線引けは一度もなく、直近安値からの上昇だけでも5円近い。明日、注目の米雇用統計の発表を控えていることもあり、それを前にした短期的な調整を指摘する向きも少なくないようだ。
一方、材料的に見た場合、3月貿易収支など発表される米経済指標に要注意だが、明日の米雇用統計待ちで基本的には動きにくいか。よほどの数字が出ないかぎり、影響は薄そうだ。
それによりむしろ、米金利や原油価格など、他金融市場の動きが気になるところ。また、トランプ米大統領がターンブル豪首相と会談を実施する予定とされるため、前述したような「ドル高けん制発言」などに対して注意する必要があるかもしれない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.90-113.30円。ドル高・円安方向は、113円レベルがまずは心理抵抗で、超えた場合には113.40円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、一目均衡表の先行帯の雲の上限などが位置する112.10-30円が最初のサポート。割り込むようだと、111円半ば、111円前後など50ポイントごとに弱いながらテクニカルポイントが観測されている。(了)
オーダー/ポジション状況
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