ドルの下値余地拡大、荒っぽい変動に注意 (4/17)

週明け17日の東京市場は、一時ドル安・円高が進行するも108円は割れず。その後はドルの巻き戻しが優勢の展開となった。

ドルの下値余地拡大、荒っぽい変動に注意 (4/17)

<<東京市場の動き>>

週明け17日の東京市場は、一時ドル安・円高が進行するも108円は割れず。その後はドルの巻き戻しが優勢の展開となった。結果、往復でトータル1円以上と、なかなかの変動幅を記録している。

先週末のNYクローズと、ほぼ同レベルの108.65-70円で寄り付いたものの、その後はドル売り・円買いが優勢。先週末に「北朝鮮が弾道ミサイルを発射(直後に爆発=失敗に終わった)」したこともあり、地政学リスクへの警戒感が強く、引き続き潜在的な円買い要因に。早朝に記録した108.80円レベルから108.10円台までじり安、ドルが値を下げる局面も観測されている。

しかし、マイナス圏で推移していた日経平均株価がプラスへと持ち直したことなどをキッカケに、ドル安の流れが反転。夕方には108.40円台まで回復し、16時時点ではやや小緩んだ108.30-35同レベルの推移となっている。

なお、北朝鮮情勢に関しては、アジアを歴訪中のペンス米副大統領から「中国が北朝鮮に対応しなければ米国と同盟国が対応」との発言が聞かれたものの、影響は限定的。また、黒田日銀総裁からは「物価目標までなお距離、強力な金融緩和推進が適切」とのコメントも報じられたが、こちらも目立ったインパクトは観測されていない。

<<欧米市場の見通し >>

強いサポートだった110円割れに続き、移動平均の200日線などが位置する重要サポートの108.60-70円を下回ってきており、リスクは間違いなくドル安・円高方向にバイアス。イースター休暇は終えたものの、本日も引き続き主要な欧州株式市場が休場となるなど、マーケットが正常な状況に戻るのは明日以降か。「グッドフライデー」だった先週末ほどではないにせよ、本日も商いはやや薄い状況が予想されるだけに、荒っぽい価格変動には注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、本日の東京時間は移動平均の52週線(108.30-35円)に絡む値動きをたどっており、このあとも攻防が注視されている。ただ、52週線を下回った場合、107円台などに強いサポートがないことから、しっかりと割り込むようだと思わぬレベルまでドル安が進行する危険性も取り沙汰されていた。
いずれにしても、ザラ場ベースの動きもさることながら、NYのクローズレベルについても注意しておきたい。

一方、材料的に注視されているのは、4月NY連銀製造業景況指数や同NAHB住宅市場指数といった米経済指標と、フィッシャーFRB副議長の講演になる。
ただ、それに加えて、引き続き警戒感が強い北朝鮮やシリアをめぐる国際情勢、フランス大統領選をにらんだ欧州を中心とした政治リスクなどに関するニュースや発言には注意が必要だろう。また、18日の日米経済対話を前にした、貿易や金融に関する要人コメントが出た場合には相場のかく乱要因となる可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.80-109.00円。ドル高・円安方向については、本日の東京時間高値の108.80円レベル、あるいは109円前後などが抵抗として意識され、抜けてもドルの上値は重そう。
対するドル安・円安方向は、東京安値の108.10-15円や108円ちょうどなどがドルのサポートで、攻防が注視されている。下回ると、107円半ばなどがターゲットに。(了)

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