ドル円相場展望 110円割れ回避でリバウンド(4/5)

3月27日夕刻、28日深夜に110円割れを試したが割り込まずに反発、60分足レベルのダブル底、日足では毛抜き底型を形成して31日には112円台を一時回復するところまで戻した。

ドル円相場展望 110円割れ回避でリバウンド(4/5)

<概況>

3月27日夕刻、28日深夜に110円割れを試したが割り込まずに反発、60分足レベルのダブル底、日足では毛抜き底型を形成して31日には112円台を一時回復するところまで戻した。しかしロシアの地下鉄爆破事件等によるリスク回避感の拡大による円買いで下落、4日夜は再度110円を試す展開となった。米貿易収支における対日、対中国赤字が前月からは減少(改善)したこと、原油相場の反発等もあってNYダウが39ドル高と反発したことによりリスク回避感はひとまず後退、ドル円も110円割れ回避によるテクニカルな買い戻しも加わって110円台後半へと戻した。
5日東京市場入りにかけては111円台回復へ進めるのかどうかが試されているが、今のところは111円台乗せへと進めていない。

【米貿易収支と米中首脳会談】

米商務省が発表した2月の貿易赤字は前月比9.6%減の436億ドルとなり、前月の482億ドル、市場予想の446億ドルを下回った。このうち対日貿易赤字は前月比14.6%減の47億ドルで2カ月連続の縮小、対中国赤字は26.6%減の230億ドルだった。
貿易収支の発表を受けてトランプ米大統領はワシントンの会合で対中国の貿易赤字額について「多すぎる」と述べ、6日から始まる米中首脳会談で習近平国家主席に貿易の不均衡是正を求める姿勢を示した。また全体の貿易赤字縮小については「短期間で大幅に縮小した。とてもうれしい」と述べた。
6日からの米中首脳会談が注目される。アメリカ第一主義、保護主義的なスタンスを強調してきたトランプ政権だが、G2としての中国に対する外交姿勢、経済協力姿勢をどのように示すのかにより為替市場、株式市場も大きく動く可能性がある。懸念されるほどに中国に対する強硬姿勢、人民元安に対する批判が強くアピールされなければ市場も安堵するが、強調されるようならリスク回避感が強まり、また対日赤字問題も意識されて円高要因となる可能性がある。米中首脳会談は7日まで続く。

【テクニカル診断】

(1)60分足一目均衡表分析

(1)60分足一目均衡表分析

3月27日安値、28日深夜安値をダブル底とした上昇が一巡して反落してきたが、3日への下落で先行スパンから転落、遅行スパンも悪化して下落基調が継続となった。4日夜への続落で28日安値に迫ったが、底割れは回避して戻しに入り、26本基準線を上抜いた。遅行スパンも実線を上抜き返して好転しつつある。先行スパンの下限に迫った状況だが、このまま遅行スパン好転、先行スパン雲の中へ潜り込むなら、まず、31日からの下落に対する半値戻しの111.20円前半を試す可能性がある。ただし、現状から111円台序盤にかけては先行スパン帯が抵抗として待ち構えているので、潜り込む上昇へ進めない場合は、先行スパンの下限に沿ってややジリ安の横這いに留まるかもしれない。
111円台を回復し、さらに半値戻りラインを超えてくる場合は5日午後から6日にかけて戻り高値を試そうという動きになりやすい。5日夜にはADP民間雇用統計の発表もあるため、そこでドル高反応が見られるならドル円も黄金分割の61.8%戻しとなる111.45円前後まで戻してくる可能性があるが、逆に円高ドル安反応となる場合は戻り一巡から再度110円を試す下落、あるいは底割れへ向かう可能性も出てくると思われる。

(2)日足一目均衡表分析

(2)日足一目均衡表分析

昨年12月15日高値(訂正×昨年12月1日高値)、今年1月3日高値から下落基調で推移し、2月から3月半ばまでは111円台後半から115円前後までの中段持合いだった。そこから一段安して3月27日安値で110円を試すところまで下げた状況にある。
3月27日安値をひとまず回避しているが、現状から3月31日高値を上抜く上昇へ進めば、両安値をダブル底としたリバウンド入りとなり、26日基準線(112.80円)、先行スパン下限(113.17円)等を試す上昇へ進む可能性が考えられる。
3月31日高値を上抜けないか、わずかに上抜いても翌日へと失速する場合は下げ一服での持合いに止まり、次の下落で底割れから一段安へ向かいやすくなる。
5日夜のADP民間雇用統計、ISM非製造業景況指数、6日未明のFOMC議事録公開、6日からの米中首脳会談と重要イベントが続くため、これらを強気反応(円安ドル高)で通過するなら3月31日高値超えへ向かう可能性が高まり、逆に弱気反応(ドル安円高)で進む場合は3月27日安値割れからの一段安へ向かいやすくなると思われる。中勢レベルの方向性を作る上で重要な分岐点となりそうだ。(了)
<4/5(水)9:50執筆

「今日から明日への主要イベント」

4月5日 21:15 (米) 米3月ADP全国雇用者数 予想 +19.4万人、前月 +29.8万人
4月5日 23:00 (米) 米3月ISM非製造業景況指数 予想 57、前月 57.6
4月6日 3:00 (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録公表(3月14-15日開催分) 
4月6日     ★米中首脳会談(〜7日)

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