28日のトランプ大統領の演説(週報17年2月第4週)

ファンダメンタルでは、28日のトランプ大統領の演説、 テクニカルには、110.50の中心値が大切です。

28日のトランプ大統領の演説(週報17年2月第4週)

ドル円:2月20日からの先週

週初、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁の3月FOMCでの利上げ可能性あり発言で上値を試し113.77まで上昇するも、その後のムニューシン米財務長官の「ドル高にはいくらか問題がある」発言を機にドル売りになり111.93まで下押し。ニュースに振らされる、方向性のはっきりしない週でした。

20日は、前週引け112.85で始まり、20日の安値112.78をすぐに付け、その後は強めの日経平均につれ買い先行。20日高値の一時113.23まで上昇。東京市場が引けてからはNY市場が休場であったので、動意なしで113.09で引けました。

21日は、前日引けの113.10で始まり、早々に21日安値の113.07を付けた後、買いが再開。ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁の「現時点で3月利上げを排除しない」との発言で、米長期金利が上昇したことにつれて一時113.71まで上伸。欧州時間に入っても、米3月利上げ観測が強く、米10年債利回りも前日の2.42%から2.45%台まで上昇、ドル円もアジア時間の高値113.71を上抜き21日高値113.77まで上伸。欧州時間〜NY時間は113.40〜113.77のレンジを上下して113.67で引けました。

22日は、上下に振らされた日でした。 前日引けの113.67で始まり、早々に22日高値の113.73を付けた後、仏大統領選の世論調査で極右政党の国民戦線のルペン党首の決選投票での支持率が上昇との報で、ユーロ圏政治への先行き不透明感からのリスク・オフで、欧州時間中盤までずるずると22日安値の112.90まで売られました。 その後「仏中道派のバイル候補が選挙への不出馬とマクロン候補を支持」と伝わると113.65まで反発。 ただ、その後公表されたFOMC事要旨で、「一段のドル高は下方リスクに」との言及があり一気に112.95まで失速。 直後、ムニューシン米財務長官が「強いドルは米経済への信頼を反映」と述べ、再び113.34まで上値戻しましたが戻りもそこまでで113.30で引けました。

23日は、前日引けの113.30で始まり早々に23日高値の113.46を付けた後、ムニューシン米財務長官の今度は、「ドル高にはいくらか問題がある」」との発言で売り優勢、NY時間に23日安値の112.54まで下げ、112.61で引けました。

24日は、前日引けの112.61で始まり、この日も早々に24日高値の112.95を付けた後、ムニューシン米財務長官の「ドル高にはいくらか問題がある」との発言を受けて、株安や米10年債利回りの一時2.31%割れと1月17日以来の低水準まで低下、24日安値の111.93まで下げ、112.13で引けました。その間NY時間にトランプ米大統領が、レーガン大統領以来で初めて保守政治活動会議(CPAC)で演説を行いました。その演説で中間層の税率を引き下げる方針を確認したため一時112.47までドル買いが再燃しましたが、その後の予想を下回った米指標を受けた米債利回りの低下に伴うドル売りが勝りました。
ムニューシン米財務長官は、税制改正案の遅れも示唆した事で、ドル売りが加速しました。

ドル円:2月27日からの今週

ポイント: ファンダメンタルでは、28日のトランプ大統領の演説、
テクニカルには、110.50の中心値が大切です。


CME通貨先物ポジション状況:2月21日時点
(2月21日)(2月14日)(2月7日)
円   ▲50162 ▲51284▲55060
ユーロ ▲58251 ▲46764▲44951
ポンド  ▲66352▲65528 ▲64539

シカゴIMM:短期投機・投資家による円のネットポジション売持高は今週も減少、ピーク時の87000枚から約42%弱の減。

シカゴVIX指数:投資家の恐怖心理の度合いを示す指数、
11.50(-0.21)VIX指数は下落しての引け。

今週は何といっても28日トランプ米大統領の上下両院合同会議での演説に注目です。

先週のムニューシン米財務長官の、税制改正案が遅れそうだとの発言が非常に心配です。
一説には、来月3月に法案を米議会へ提出しても、早くて成立するのは7月頃なのではとの読みがあり、とすればその実行による実体経済への効果は早くて来年2018年以降なのではとの織り込みが始まっています。
その流れ自体が後ずれする様であれば、市場のドル売り直し地合いは加速しそうです。
ムニューシン米財務長官は、議会が8月の休会に入る前に税制改革法案を承認することが望ましいと述べていました。

そんな市場の失望へ火を点けない為にも
1. 税制改革のみならず
2. 金融その他の規制緩和
3. インフラ投資のより具体的な話
等で、市場の期待を膨らませるスピーチが必要です。

税制改革だけをとっても、国境税、米国投資法、法人税、個人への所得税と、そのバリエーションも
多岐にわたるので、とにかく時間稼ぎが必要です。
その間にやれる事を、市場が驚くスピード感で推し進めなければ失速するでしょう。
その為の施政演説なのですから、市場が好感する様な素晴らしい演説を期待します。

先週のレンジは下値を模索、週中上値を試した後、週末には下値を試し2月9日以来の112.00割れの展開でした、
2月20日の 112.78 〜 113.23
2月21日の 113.07 〜 113.77
2月22日の 112.90 〜 113.73
2月23日の 112.54 〜 113.46
2月24日の 111.93 〜 112.95

テクニカルにみると、日足の一目均衡表で
基準線が    113.49で 下降
転換線が    113.44で 下降
実勢値     112.13  24日の引け
先行スパン1が 115.33で 下降
先行スパン2が 109.93で 横ばい
となっています。

テクニカルは、非常に大切な位置にあります。
中心値としての110.50を維持するか、下抜けるかです。

昨年11月安値の101.18を起点とした上げのトレンド、昨年12月高値の118.67をトップと考えると、その半値戻しは110.00水準です。その上げトレンドは、丁度そのあたりで一旦もんで、それから上昇しています。
その110.00水準でもんだ後、昨年12月高値の118.67まで上げた後半の上げトレンドの起点は、11月25日の110.50と見られ、丁度その110.50の水準が、昨年の上げのポイントであったのみならず、今回の年初からの下げ相場での一旦のもみ合いの大切な水準にもなっています。
ですので、この後今週の動きの中でこの110.50をどう扱うかで、その後の3月末への相場の方向性が決まってきます。

上値目途は、下降中の転換線113.44、やはり下降中の基準線113.49、これらを回復できるかどうか。
その上は1月30日&2月15日両日の高値の114.95、そして115.00です。
この114.95〜115.00の価格帯を上抜けできるかが大切なポイントです。

下値目途は、7日の安値で年初来安値でもある111.57、
この111.50〜111.57の価格帯が支持として大切なポイントです。
ここを下抜けると、底抜けになり、111.00、110.00と順次試してゆく事になります。
109.93には先行スパン2があり、ここを下抜けると、強い売りサインです。

予想レンジは、111.50~114.50 と見ます。

オーダー/ポジション状況

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