トランプ大統領の計画の後ずれ懸念(2017年2月8日)

トランプ大統領は、さぞや今頃、政治と言う世界のスピード感の遅さにイラついていると思います。

トランプ大統領の計画の後ずれ懸念(2017年2月8日)

ドル円:2月8日のファンダメンタル分析

テーマ:トランプ大統領の計画の後ずれ懸念。

トランプ大統領は、さぞや今頃、政治と言う世界のスピード感の遅さにイラついていると思います。
とにかく2018年11月までに時間ないのです。そう中間選挙までにしっかりと実績を積み上げておきたいのに、
多くの閣僚人事が議会民主党のブロックに合って議会承認が進んでいないからです。
15省の各省長官とNTC等のポジションを加えて合計で25近い人事が承認待ちの中、これまでに承認を受けたのは、マテイス国防長官、ティラーソン国務長官、ケリー国土安全保障長官、ヘイリー国連大使、チャオ運輸長官、ポンペイオCIA長官のまだ6名と記憶しています。

政権の閣僚人事は米議会上院本会議での承認が必要です。現在の上院は共和党が100名中52名と過半数を占めているのに何故承認が進まないのかというと、本会議での承認の前に上院の委員会での採決を経なければならないのですが、野党民主党がこの委員会採決をボイコットして非協力的な為です。

本来ならば、いち早く「大型減税」と「インフラ投資という財政出動」を実働させたいのですが、将に議会対策で手間取っていてブロックされています。現実の政治をビジネス界エリート集団のトランプ政権がこれからやってゆけるのかとの懸念が浮上しつつあります。このリスクを市場はいち早く嗅ぎ取って、米10年国債利回りは一時2.6%代まで上昇していたのですが今は2.4%を割っています。ドル円も昨日、昨年11月以来の111.59まで下押し調整しています。NYダウはまだ20000ドルを維持していますが、今後再度割り込んでくるようだと心配です。

トランプ政権の持ち味はスピード感なので、どうにか頑張ってほしいものです。
この時間的なロスは、投資家にはそのままリスクと解され、各市場つまりNYダウ、米国債、ドル相場が徐々に値崩れし始め、昨年来のトランプ相場で買い上げた分の調整過程に入る事が懸念されます。
そしてこの停滞はFRBの政策決定にも影響してきます。

何故ならば、FRBが利上げをするためには物価上昇が必要で、その為にはドル高と米長期金利の上昇が必要で、その為にはトランプ政権の「大型減税」と「インフラ投資という財政出動」の実働が必要だからです。
年初FRBは今年3回の利上げを示唆していましたが、市場の織り込みがついてゆけるかどうか怪しくなってきています。市場を信じさせられるかは今後のトランプ大統領の議会対策次第です。

ドル円:2月8日のテクニカル分析

ポイント:下値ターゲットの109.94を試すかどうか。

昨日は東京時間を111.70で始め、その後はズルズルと値を切り下げ、昨日明日値の111.59まで下押ししました。
111.50〜60には本邦長期資金や機関投資家の買いが観測され、とりあえず下抜けは回避、112.58まで上戻し、海外時間に入って再度112割れを試すも111.81までで、結局112台へ戻して引けています。

テクニカルには、日足の一目均衡表・転換線を割り込んだままなので、足元は下向き継続です。
本日もこの転換線を上値抵抗と考え、同線を背後に戻り売り優先、もし上抜けてくる場合には一旦買戻して様子を見るべきと考えます。
日足の一目均衡表の先行スパン1の116.13と先行スパン2の109.93の間の広い領域に入り込んだままなので、ハッキリと方向性を示唆するためには上下の先行スパンのいずれかを抜けてくる必要があります。
足元では、6日には11月の101.20から118.60までの上昇の38.2%下押しに当たる水準の112.00をしっかり割り込んだものの、前日にはその112台を回復してきていて、下押しの勢いも強くありません。
下値押しの場合の目途は50%下押しの水準の109.94と想定されます。

そしてこのレベルは丁度先行スパン2の109.93に相当しているので、強い支持線です。

上値方向を目指すには
1. 先ずは転換線113.51の回復、そして114台の回復が必要です。
2. 115.12へやや下がってきた日足の一目均衡表・基準線を超えてくれば、高値更新の可能性が見えてきます。
転換線を下回っている限りは、一段の安値模索の動きの中にあるとの判断に変わりはありません。

本日の下値目途は、
1.NY の引けレベルで112.00を回復している事から、昨年11月の101.20から118.60までの上昇の50%下押しに当たる109.94を試す流れになるためには、前日安値の111.59を下抜ける必要があります。
2.その下は昨年11月28日の安値の111.35、そして109.94、今回の上昇の起点である昨年11月の101.20を意識する事になります。

これまで述べてきた通り、今年は年間で見るとレンジであるとする見方にも変わりはありません。
昨日年初来安値を111.59まで下押ししましたが、年初来高値の118.60との間を意識して、112〜118、もしくはやや広げての110〜120と想定します。但し、この10日の日米首脳会談でトランプ大統領から円高・ドル安の要求がある場合、下値は100.00水準までの下押しの可能性があると想定します。

今日のレンジは、111.40~112.90と見ます。

オーダー/ポジション状況

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