トランプ相場の一旦調整(週報2017年1月第五週)

昨年11月の米大統領選挙の後のトランプ相場の一旦調整。

トランプ相場の一旦調整(週報2017年1月第五週)

ドル円:1月23日からの先週

ドル円は、週初にムニューチン次期米財務長官のドル高牽制発言から112.52まで下押しした後、週中NYダウが20000ドルをとうとう突破して週末には115.37まで上戻し、115.09と115台で週引けました。

23日は、前週末の引けの114.55からギャップダウンの114.13で始まり、その後23日高値114.42を付けた後、東京時間にじりじりと下押し、113.17まで下押しました。 ムニューチン次期米財務長官の、過度に強いドルは短期的にはマイナスとの発言を受けてドル売りでドル円は急落でした。 欧州時間に入り114.08まで一時上戻すも、NY 時間は終日弱く23日安値112.69で引けました。

24日は、前日引けの112.70で始まり、東京時間一時24日安値112.52と昨年11月30日以来の安値を更新。もっとも、112.50には本邦長期資金の買いが観測され、その後は買戻しが優勢になり、米10年債利回りは2.38%台から2.46%台に上昇しました。
この米債券利回りの上昇は、トランプ大統領が以前より環境問題等で頓挫していた2つのパイプライン建設の大統領令に署名したとの報道を受け、23日の米各社の首脳との会合で述べた「国内規制の75%以上の削減が可能」との件を実行に移した事でリスク・オンの動きへと市場の潮が変わった為です。NY時間には24日高値の113.89を付け、113.79で引けました。

25日は、前日引けの113.79で始まり、東京時間朝に25日高値113.99を付け、欧州時間に入り25日安値113.03を付け、NY時間に入り113.94まで再度上戻すも東京時間の高値は超えられずし、113.19まで再度下押しするも欧州時間の安値まで達せず、113.28で引けました。 この日はNYダウがやっと、史上初めて20000ドルを上抜け、前日比155ドル高の20068、20000ドル台で引ける強さであったにもかかわらず、ドル相場は114台を回復できませんでした。

26日は、前日引けの113.283で始まりすぐに26日安値の113.04と下値を確認後、前日の強いNY ダウを受け、日経平均が前日比344円高と強く、流石にドル円もリスク・オンの買いが入り、NY時間で26日高値の114.85を付け、終日強く推移し、114.52で引けました。 米10年債誌回りも一時2.55%まで上昇し2.50%台を回復。

27日は、前日引けの114.52で始まり、東京時間開始後早々に27日安値の114.38を付けた後、27日高値はNY 時間の115.37で、引けは115.09でした。 昨日のNY 引け、東京時間前の早朝に、トランプ大統領の、メキシコとの国境の壁建設の大統領令に署名との報道と、メキシコからの輸入品に20%の税金をかけ壁建設の費用に充てるとの報道を受け、一旦前日までのリスク・オンの勢いが止まりました。

ユーロ・ドル:1月30日からの今週

ポイント:昨年11月の米大統領選挙の後のトランプ相場の一旦調整。
米国はこれまでグローバルスタンダードという米国基準を用いて世界をリードしてきましたが、今度の米国は米国第一主義という米国の利益のみを優先するスタイルに変身。この変化に米国外の世界が混乱するのは当然で、米新大統領を前向きに織り込んだここ3カ月のトランプ相場の後、今度は現実的な面を吟味する、見直しの番と想定します。


CME通貨先物ポジション状況:1月24日時点
(1月24日)(1月17日)(1月10日)
円  ▲66840 ▲77830 ▲79838
ユーロ ▲52348▲66500▲65823
ポンド  ▲63172 ▲66242▲65831

シカゴIMM: 短期投機・投資家による円のネットポジション、売持高は減少、70000枚を割るも、高水準ショートポジションは維持。市場の円売持高のポジションが依然偏っていて、円の一段の下落は困難なのではと予想します。

シカゴVIX指数:投資家の恐怖心理の度合いを示す指数、
10.59(-0.04)VIX指数は下落しての引け。

20日の米大統領就任後、1週間が経ちました。
トランプ米大統領の、その間のスピード感ある行動力には目を見張るものがありました。
その内容は、大統領令に署名という強権発動の連発と、各国首脳との電話会談の連発でした。
しかし、これらの行動は、今回ややスピード感はあるものの、TPP離脱も、パイプライン再開(国内規制の75%以上の削減)も、メキシコの壁建設も、移民制限も、これらは全ては選挙期間中の公約でしたから、早晩起きるものと予想されていた行動であったので、意外感はありませんでした。

今後しっかり見極めなければいけないのは、トランプ米大統領の議会対策です。
先ずはトランプ米大統領が指名した各閣僚の議会承認を急いでしてもらえるかの点です。ここ1週間の動きは、それまでの時間稼ぎと想定されます。
これが遅れれば遅れるだけ、ここまで織り込んだトランプ相場への調整が起こる可能性が高まります。
今週は、日銀金融政策決定会合、FOMC、がありますが、双方動きなしと予想します。
引き続き注目すべきは円でなくドル、それもトランプ劇場の推移です。

先週のレンジは下値112.50の堅さを意識する展開でした、
1月23日の 112.69 〜 114.42
1月24日の 112.52 〜 113.89
1月25日の 113.03 〜 113.99
1月26日の 113.04 〜 114.85
1月27日の 114.38 〜 115.37

テクニカルにみると、日足の一目均衡表で
基準線が    115.57で 横ばい
転換線が    114.07で 横ばい
実勢値     115.09  27日の引け
先行スパン1が 114.55で 上昇(115.47との計算もあり)
先行スパン2が 109.93で 横ばい
となっています。

3日の年初来高値118.60からの下げを、24日の112.52で一旦底打ちして、3日からの右下がり抵抗線を上抜けたところで、このまま上戻しを強め、19日高値の115.62を上抜けて行けば
11日高値の116.87
09日高値の117.52
03日高値の118.60(年初来高値)
そして
2016年12月15日高値118.67を上抜いて来ると
その上値は2016年2月の120〜121の水準まで空白のレベルに突入することになります。

確かに先週、先々週は、下値の112.50水準の底固さを確認いてきたと想定されます。
ですが、上値に関しては19日高値の115.62を上抜け出来ない内は上値も限られ、現在横ばいの日足の一目均衡表・基準線に抑えられそのまま先行スパン1と2の間に入りこんでしまい、下値は112.50、上値は115.50のレンジで次の方向を見極める時間がしばらく続くと想定します。

予想レンジは、112.50~115.50 と見ます。

オーダー/ポジション状況

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