日銀による年内追加利上げ観測後退で底堅い動きが継続中。米PPIも伸び率加速
〇ドル円、ロイターの日銀ハト派観測報道等にアジア時間午後に152.79まで上昇、その後も底堅い動き
〇ユーロドル、米国時間午後にかけ一時1.0463まで下落
〇ECB理事会の0.25%の利下げ、ハト派な声明文とラガルド総裁発言等が重石に
〇ドル円、200日線を上方ブレイク、11/15高値156.75からの下落の38.2%戻しも達成、地合い強い
〇日銀の年内利上げ観測の更なる後退、米FRBによる過度な利下げ期待の剥落等もドル円をサポート
〇ドル買い・円売りトレンドの再開をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:151.25ー153.25
海外時間のレビュー
12日(木)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値151.95まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)ロイターによる「日銀内で追加利上げを急ぐ必要はないとの認識が広がっている」「海外経済や賃上げ動向をもう少し見極めた上で利上げしても問題ないとの声がある」とのハト派的な観測報道や、(2)上記1を背景とした日銀による追加利上げ観測の更なる後退(状況次第では来年1月の追加利上げも見送られるとの思惑浮上)、(3)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)が支援材料となり、アジア時間午後にかけて、高値152.79まで上昇しました。その後も、(4)対ユーロでのドル買い圧力や、(5)米11月生産者物価指数(結果+3.0%、予想++2.6%、前回+2.6%)および、同コア指数(結果+3.4%、予想+3.2%、前回+3.4%)の市場予想を上回る結果が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間12/13午前2時00分現在)においても、152.15前後での底堅い動きが続いております。
12日(木)のユーロドル相場は上値の重い展開。(1)ECB理事会を控えたポジション調整を背景に、欧州時間朝方にかけて、高値1.0531まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)ECB理事会での25bpの追加利下げ決定(3会合連続の利下げ決定)や、(2)声明文での「必要な限り金利を制限的に維持する」との文言削除、(3)インフレ見通しの下方修正、(4)ラガルドECB総裁による「ディスインフレプロセスは順調に進んでいる」「成長見通しのリスクはダウンサイド」とのハト派的な発言が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0463まで反落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間12/13午前2時00分現在)では、1.0510前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は152円台での底堅い動きが続いています。日足ローソク足が、市場参加者に意識されている200日移動平均線を上方ブレイクしたことや、11/15高値(156.75)と12/3安値(148.64)を結んだフィボナッチ38.2%戻しを達成したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による年内利上げ観測の更なる後退(米ブルームバーグに加えて、昨日はロイターからも「日銀内で追加利上げを急ぐ必要はないとの認識が広がっている」「海外経済や賃上げ動向をもう少し見極めた上で利上げしても問題ないとの声がある」との観測報道あり)や、(2)米FRBによる過度な利下げ期待の剥落(今週発表された米CPI、米PPIはいずれも伸び率加速)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの再開期待、(4)中国政府による大型景気対策期待など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
対ユーロでのドル買い圧力も、ドル円の下支えに寄与すると考えられることから、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの再開をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は日本時間午前8:50に発表される日銀短観(12月企業短期経済観測調査)に注目が集まるものの、日銀による年内追加利上げ観測を再燃させるほどのサプライズは出てこないと見られることから、イベント通過後は材料出尽くし感から円売り圧力が強まる展開となりそうです。
本日の予想レンジ:151.25ー153.25
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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