予想以上にドル強い、ただ上昇一服も近い!?
〇本日のドル円、日中安値示現後は147円までドル高進行
〇147.20を超えるも146円台へと押し戻され、寄り付き近くまで軟落
〇本日は米9月チャレンジャーレイオフ、新規失業保険申請件数、中東情勢にも注目
〇ドル高・円安方向、本日東京で維持できなかった147円レベルの攻防に再び注目
〇ドル安・円高方向、これまで抵抗だった146円半ばが目先のサポートか
〇ドル円予想レンジ:145.50-147.00
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが底堅い。昨日からさらに続伸し、一時1ヵ月ぶりの147円台を示現したものの、勢いは続かなかった。
ドル/円は146.45円前後で寄り付いたのち、しばらくは低位揉み合い。そのなかで、146.25-30円の日中安値を示現している。しかし、そののち上抜けすると1ヵ月ぶりの高値である147円まで1円近くもドル高が進行。1ヵ月前の高値147.20円を超えたことで、さらなる続伸も期待されたが、逆に上値を抑えられると146円台へと押し戻されている。結局、寄り付き近くまで軟落。16時現在では146.60-65円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「日本の金融政策」と「中東危機」について。
前者は、首相就任前に発売された著書の記述が影響しているのか、石破首相には「積極的な金融引き締め派」との見方が根強くついて回っている。そうしたなか、昨日は赤沢再生相から「石破首相が利上げに前向きとの見方は必ずしも正しくない」との火消し発言が聞かれたことに続き、夕方には植田日銀総裁と会談したことが明らかになるうえで、その後の会見において石破氏自身から「追加利上げをするような環境にあるとは考えていない」とのコメントが改めて聞かれていた。これらが為替市場で好感され、本日東京時間に一時147円台をつけたようなドル高・円売りの主因となっていたことは間違いない。また、本日は長崎で懇談会に出席した野口日銀審議委員による「緩和的な金融環境を忍耐強く維持し続けることが重要」との発言が観測されている。
後者は、アクシオスが「イラン国内の石油生産施設などを標的に、イスラエルがミサイル攻撃に対する大規模な報復を数日以内に開始する」と報じ、物議を醸す。一方で、国連安保理は緊迫する中東情勢を協議する緊急会合を開催し、イランによるイスラエルへのミサイル攻撃を非難する声明を発表。また石破首相も参加したG7首脳による緊急電話会談も行われ、「中東の緊張緩和へ協力で一致」との方針が示されていた。しかし、具体的な「制裁」などには踏み込めず、むしろ逆効果。余計に態度を頑なにさせてしまっている感もある。実際、イスラエル外相からは「国連事務総長を入国禁止する」といった考えが示されるなど、深刻度はより一層高まったとの見方も。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日、「ドル/円はおおよそ141.50-146.50円といった5円ほどの大レンジ、短期的にはそれが143.00-144.50円といった1.5円レンジを形成」−−云々とレポート。そのうえで、後者のレンジ放れの可能性については言及したが、前者の大レンジを上抜けるとはまったく予想していなかった。想像以上にドルは強いと言わざるを得ず、さらなるドル高進行も期待されている。しかし、先週末の「石破ショック」の起点を超えるレベルまで戻ったこともあり、個人的には戻りもそろそろ一服という気もしている。
日米金融政策が引き続き注目を集めるなか、日銀については前述したようなことで、「早期利上げ見通し」はさすがに後退か。それに対して、米国は本日以降発表される経済指標、とくに雇用データの内容如何ではまだまだ予断を許さない。荒っぽい変動をたどる展開にも一応要注意だ。一方、それとは別に一触即発のムードが強まりつつある中東情勢も、リスク要因としてしっかりニュースなどをウォッチしておきたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は予想以上の戻りをたどっている。先週末の146円半ばに昨日面合わせしたことに続き、本日東京時間には上抜け一時147円台も。長いタームはともかく、短期的にはさらなるドル高の進行も否定できないが、個人的にはあまり上値を買いたくない。下値基盤はまだ脆弱なところがあり、146円あるいは145円などでしっかりした底堅めが出来たのち、改めて買い出動したいと考えている。
本日は米経済指標として、9月のチャレンジャーレイオフ調査や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定だ。ほかにも発表される米指標は少なくないが、明日の米雇用統計発表をにらみ、とくに雇用関係の内容が注視されているようだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.50-147.00円。ドル高・円安方向は、本日東京で一時示現したものの維持できなかった147円レベルの攻防に再び注目。しっかり乗せれば、ドルの上値余地が拡大しそうだ。
対するドル安・円高方向は、これまで抵抗だった146円半ばが目先は逆にサポートか。ただ割り込んでも底堅く、取り敢えず145円台では下げ止まりそう。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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