もう一段のポジション調整も(週報16年12月最終週)

先週のドル円は神経質な値動きでした。

もう一段のポジション調整も(週報16年12月最終週)

ドル円:12月19日からの先週

19日は週明けのドル円は117.93で取引が始まり、その後早朝早々につけた117.96が19日の高値でした。そこからのじり安の展開で19日安値の116.54まで下押しました。 背景はロシアの駐トルコ大使がアンカラで銃撃されて死亡との報道からのリスク・オフの流れでした。その後イエレン議長の、米雇用市場は強いとの見解が伝わり117.40まで戻して117.10ででひけました。

20日は、117.10で始まるも直後116.98の20日の安値を付けました。昨日と逆でこの日はその後20日の高値118.23までじりじりと一気に上昇。背景はこの日の会合で日銀が長短金利操作付き量的・質的金融緩和を維持したことです。
その後はクリスマス休暇を控え117台でのもみ合いから117.85で引けました。

21日は、117.89で始まり直後21日の高値の118.06を付けました。この日は再度売り先行の日で、118.06から21日安値の117.10までじりじりと一気に下押しました。NY時間に入り11月米中古住宅販売件数が予想を上回り、ドルの買い戻しで117.87まで戻して、117.55で引けました。市場はクリスマス休暇を控え流動性にかける状況です。

22日は、前日引けの117.54で始まり、日中22日高値の117.87まで上昇した後、NY市場の朝方に特に理由は無いのですが
22日安値の117.26まで下げて結局117.53で引けました。117台半ばで上下に振らされる相場で、この日は始まりと引けがほぼ同水準でした。

23日は、前日の引け水準ではじまり、直後23日の高値117.61を付け、終日じりじりと下押しの一日でした。
NY 時間に入り117.17の23日の安値を付けた後は横ばいで推移し、117.23で引けました。

ドル円:12月26 日からの今週

ポイント: 今週はクリスマス休暇の為、流動性が激減、またイベントもなく、ただただフローに神経質な展開が続くでしょう。ただ、15日に118.66をつけてから徐々に上値を切り下げ続けているので、年末を控えてもう一段のポジション調整が進む可能性もありです。


CME通貨先物ポジション状況:12月20日時点
(12月20日)(12月13日) (12月6日)
円 ▲75449 ▲63429 ▲33937
ユーロ▲78045▲87513 ▲114556
ポンド▲59350 ▲72343  ▲77238

シカゴIMM: 短期投機・投資家による円のネットポジションは、売り持ち高が更に増加。昨年12月初旬以来で最大値を継続中。市場の円の売り持ちが増えたため、円の更なる下落は限定的でしょう。
これまでのネット円い持ち最高水準は、2008年3月25日 +65,920、2004年2月6日 +64499、
過去最高ネット円売り持ち高は、2007年6月26日 -188,077

ポイント: 今週はクリスマス休暇の為、流動性が激減、またイベントもなく、ただただフローに神経質な展開が続くでしょう。ただ、15日に118.66をつけてから徐々に上値を切り下げ続けているので、年末を控えてもう一段のポジション調整が進む可能性もありです。


CME通貨先物ポジション状況:12月20日時点
(12月20日)(12月13日) (12月6日)
円 ▲75449 ▲63429 ▲33937
ユーロ▲78045▲87513 ▲114556
ポンド▲59350 ▲72343  ▲77238

シカゴIMM: 短期投機・投資家による円のネットポジションは、売り持ち高が更に増加。昨年12月初旬以来で最大値を継続中。市場の円の売り持ちが増えたため、円の更なる下落は限定的でしょう。
これまでのネット円い持ち最高水準は、2008年3月25日 +65,920、2004年2月6日 +64499、
過去最高ネット円売り持ち高は、2007年6月26日 -188,077

シカゴVIX指数:投資家の恐怖心理の度合いを示す指数、
11.44(0.01)VIX指数はほぼ変わらずでの引け。
2016年最大は32.09、過去最大は2014年の31.06、過去最安は1993年の8.89、直近では2006年の9.39


今週の注目はまず、26日13:00の黒田日銀総裁による講演です。
先週は現状の円安水準を肯定する発言があり、円安となる場面がありましたが、引き続き円安静観姿勢が示される場合には、一段の円安の可能性もありでしょう。

次に今後の3大パワー、米・中・露の動きです。

先ずは、今後の一番のリスク要因である、米中関係からです。

トランプ氏は、ナバロ氏を通商政策の顧問と公表しました。
ナバロ氏は対中国強硬派なので、米中の通商摩擦が一段と強まる可能性が高くなったと想定すべきです。
加えてナバロ氏は予てより南シナ海で活発になっている中国海軍を強く批判しとり、これは中国の軍事的野心を懸念するトランプ次期米大統領のベクトルと一致しています。
トランプ氏が台湾の蔡英文総統と電話会談をした2週間後、中国が米国の無人潜水機を拿捕したのは偶然ではないと判断します。

一方その中国は、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の中国合弁企業に対し、独占的な価格設定行為で2億0100万元(2900万ドル)の罰金を科しました。

トランプ次期米大統領は、一つの中国という考え方に異を唱えていて、これが中国の注意の原因と見ます。
つまり、一つの中国を否定するという事はとりもなおさず中国の現行の政策を疑問視する事なのですから。
GMへの今回の罰金が、トランプ次期米大統領への報復措置であるとの証拠はありませんが、米中関係が今緊張が高まっているのは確かです。

次に、米露関係です。

トランプ次期米大統領の取る米国第一主義には、軍拡も含まれています。
核兵器なき世界を訴えてきたオバマ現大統領とでは、正反対の立場にあると言えます。
オバマ現大統領と、トランプ次期米大統領との両者とも目指すところは同じ、平和外交なのですが、各々がとる方法が真逆なのです。

トランプ次期米大統領はあくまでも力による平和外交を目指していて、だからこその軍事費の上限撤廃と結果軍拡路線となるのです。

そのトランプ次期米大統領のロシアとのは、というよりもトランプ・プーチンの関係というべきなのかもしれませんが、親書をお互いに送りあうという、今のところは協調的な様子です。明らかに、中国を仮想敵国としてみた利害の一致からと想定されます。

やはりどう見ても台風の目は中国ですね。

予想レンジは、116.00~118.50 と見ます。

オーダー/ポジション状況

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