一目の雲の下限巡る攻防注視、ドル続伸もあるか(23/3/29)

29日の東京市場はドルが一段高。終盤に掛けてドルはさらに上値を伸ばし、一時は132円台をワンタッチする局面も。

一目の雲の下限巡る攻防注視、ドル続伸もあるか(23/3/29)

一目の雲の下限巡る攻防注視、ドル続伸もあるか

〇本日のドル円、「寄り付き安・大引け高」に近い値動き
〇131.90前後に位置する一目の雲の下限を超える局面も。再びドル高方向へのリスクを感じさせる足形
〇昨日発表された米経済指標は良好、米利上げについて再び強気ムードに傾斜しつつある
〇ドル高円安方向は132円の攻防にまずは注目。超えていければ132円後半がターゲット。
〇ドル安円高方向は、やや遠いが130円半ばが非常に強いサポート、短期的には131.00-30円が下値メド
〇欧米時間のドル/円予想レンジは131.10-132.60

<< 東京市場の動き >>

29日の東京市場はドルが一段高。終盤に掛けてドルはさらに上値を伸ばし、一時は132円台をワンタッチする局面も。

ドル/円は130.85-90円で寄り付いたのち、緩やかな右肩上がり。「寄り付き安・大引け高」に近い値動きで、夕方には一時132円台をワンタッチしている。米金利の上昇などに加え、月末・四半期末をにらんだ需給要因も取り沙汰されていたようだ。16時現在ではドル高値圏の131.90-95円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日米金融政策」と「米中関係」について。
前者、米国サイドは昨日発表された3月の米消費者信頼感指数などの経済指標は予想を上回る結果に。そうしたなかセントルイス連銀総裁からは「当局は必要に応じてさらに行動を取る用意がある」と追加利上げを示唆するコメントが発せられていた。

一方、日本側は本日東京時間に、黒田総裁に加え新日銀副総裁の氷見野氏・内田氏が衆院財務金融委に出席したことが話題に。具体的には、黒田氏「量的金融緩和には十分な根拠があった」、氷見野氏「金融緩和で経済を支え、賃上げできる環境を整えることが重要」−−といった発言が聞かれていた。

対して後者は、香港紙が「米国務副次官補が先週訪中、米政府が模索する米中首脳による電話会談について協議」、またブルームバーグは別途「サリバン米大統領補佐官と中国外交トップの王共産党政治局員が24日に電話会談」と伝えるなど関係改善に向けた動きが観測される一方で、台湾をめぐる両国の鍔迫り合いは依然続いていた。中国は台湾総統による訪米、さらにはマッカーシー米下院議長との会談が実現した場合、「報復する」と表明。さらに一連の行為についても「挑発」と非難している。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日のドル/円は上値も重く、上げ渋った感も見られたがドルは本日東京で堅調推移。131.90円前後に位置する一目均衡表の先行帯の雲の下限を、一時超える局面も観測されていた。まだしっかり超えたとは言えないものの、再びドル高方向へのリスクを感じさせる足形だ。仮に超えたとすれば、同じ一目の雲の上限などが位置する132円後半がターゲット。さらなるドル高進行にも注意を払いたい。
昨日、バイデン米大統領は「銀行危機はまだ終わっていない」と注意喚起の発言を行うなど油断は禁物ながら、SVB破綻に端を発した足もとの金融システム不安はかなり後退している。そうしたなか、前述したように昨日発表された米経済指標は良好で、米利上げについて再び強気ムードに傾斜しつつある感も否めない。なお、本日東京時間にも一部で話題となった需給要因、月末や四半期末をにらんだドルの過不足には、このあとの欧米市場も注意を要したい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は24日の129.65円が目先のボトムになり、リスクは再びドル高方向にバイアスか。まずは一目均衡表の先行帯の雲の下限、そして同上限などを超えればさらなるドルの戻りも否定出来ない。なお、目先高値137.91円を起点とした下げ幅のフィボナッチ38.2%戻しは132.80円で、先に記した一目の雲の上限に近い。かなり強い抵抗として意識される可能性もある。
本日は米経済指標として、2月の中古住宅販売成約指数などが発表されるほか、米財務省による7年債の入札が実施される見通し。また、米下院金融委員会で最近の銀行破綻にともなう議会証言が予定されているほか、台湾総統による訪米などにも要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.10-132.60円。ドル高・円安方向はまだしっかりと乗せ切っていない132円の攻防にまずは注目。超えていければ132円後半がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、130円半ばが非常に強いサポートだが、目先的にはやや遠すぎる。短期的には131.00-30円が一応の下値メドか。

一目の雲の下限巡る攻防注視、ドル続伸もあるか

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る