円高がどこまで進むか(2016年1月16日週報)

東京が休場となった月曜は、早朝に南アフリカランドが急落、

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円高がどこまで進むか(2016年1月16日週報)

円高がどこまで進むか、下値を試しやすい週

前週の主要レート(週間レンジ)

始値 高値 安値 終値

ドル円 117.06 118.38 116.51 117.02
ユーロ円 128.03 128.75 127.33 127.70
ユーロドル 1.0937 1.0985 1.0805 1.0913
日経平均 17470.93 17717.75 16944.41 17147.11

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。

前週の概況

1月11日(月)
 東京が休場となった月曜は、早朝に南アフリカランドが急落、特段の材料が無い中で9%を超える動きを見せました。薄い中でストップオーダーがあったとのことですが、ランド円のストップオーダーであったと考えられました。この動きを受け、ドル円も早朝に一時116.70レベルを付ける動きを見せましたが、急速に回復。上下の振れはあったもののNY市場までドル買いの動きを続けました。ドル円は一時118円台を回復しましたが、WTIが30ドル台へと売り込まれる中でドルの戻り売りも根強く、117円台前半へと押した後にやや戻して引けました。

1月12日(火)
 年初からの動きに対する小休止の一日でした。既に年明け2週目に入るものの連日の大相場、市場参加者の疲れもあるかと思いますが、ここまでの値幅が大きいこともあり、いったん踊り場を形成、ドル円は117円台半ば、ユーロドルは1.08台後半を中心として、神経質に上下を繰り返したもののもみあいの一日となりました。しかしながら、中国市場に対する警戒は消えず、NY市場で32ドル台まで戻していた原油が一気に30ドルの大台を割り込む展開となるなど、周辺市場も荒っぽい値動きを続けました。

1月13日(水)
 東京市場ではリスクオフの巻き返しもあり前場に株式市場、為替市場とも強い動きを示し上昇。その後は、NYの昼頃までは118円台前半でのもみあいを続けました。しかし、NY原油在庫発表後にそれまで買い戻しが進んでいた原油価格が下落、それをきっかけに株式市場も売りが強まり、引けにかけてはベージュブックに反応してダウが大幅安、為替市場も再びリスクオフの動きでのクローズとなりました。


1月14日(木)
 ドル円は株価の動きに追随する一日となりました。前日のNY株の動きを受け東京市場ではドル売りが先行してスタート、後場に入り日経平均株価が17000円を割り込みましたが、117.30レベルから下ではドル買いオーダーも並んでいた様子で朝方の安値をトライしきれずに反転。その後も株価の上下に合わせ117円台後半を中心に神経質に上下を繰り返していましたが、NYの引けにかけダウが大きく反発した動きに沿って118円台に乗せてのクローズとなりました。

1月15日(金)
 リスクオフ相場の一日となりました。朝方こそ高く始まった株式市場もじり安の展開となり、中国株式市場が始まり売られる展開を見て主要株価指数はダウ先物の夜間取引も含めて軒並み大幅安。海外市場に移ってからも株安がリードする形でNY原油も直近安値を割り込み、ドル円は下げ一方の動きとなりました。NY市場の後場には116.51レベルまで下値を広げ、昨年8月の安値116.15レベルまでわずかの距離となりましたが、引けにかけては買い戻しも出て117円台に乗せてのクローズとなりました。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。FRB地区連銀総裁講演の内、2016年FOMCメンバー(ニューヨーク、ボストン、クリーブランド、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。

1月18日(月)
09:30 黒田日銀総裁挨拶
**:** NY市場休場

1月19日(火)
11:00 中国10〜12月期GDP
16:00 ドイツ12月CPI確報値
18:00 ユーロ圏11月経常収支
18:30 英国12月CPI、PPI
19:00 ドイツ1月ZEW景気期待指数
21:00 トルコ中銀政策金利発表
24:00 米国1月NAHB住宅市場指数
30:00 米国11月対米証券投資
30:45 NZ10〜12月期CPI
**:** IMF世界経済見通し発表

1月20日(水)
18:30 英国12月失業率
22:30 米国12月CPI
22:30 米国12月住宅着工件数、建設許可件数
24:00 カナダ中銀政策金利発表
30:30 NZ12月PMI
**:** ダボス会議(〜23日)

1月21日(木)
16:45 フランス1月企業景況感
21:45 ECB政策金利発表
22:30 ドラギECB総裁会見
22:30 米国1月フィラデルフィア連銀製造業指数
22:30 米国新規失業保険申請件数
24:00 ユーロ圏1月消費者信頼感速報値
25:00 米国週間原油在庫発表

1月22日(金)
17:00 フランス1月製造業・サービス業PMI速報値
17:30 ドイツ1月製造業・サービス業PMI速報値
18:00 ユーロ圏1月製造業・サービス業PMI速報値
18:30 英国12月小売売上高
23:45 米国1月MarkIt製造業PMI速報値
24:00 米国12月中古住宅販売件数
24:00 米国12月景気先行指数

今週の週間見通し

先週は東京市場が休場となった月曜早朝にランド円が10%近い下げを見せ、その影響もあって116円台後半を付けてのスタートとなりました。その後、週半ばまでは買い戻しが先行し118円台前半まで戻したものの、再び中国株式市場を中心とした年初からのリスクオフ相場に逆戻り。ドル円は昨年8月の安値を意識する流れでの週末クローズとなりました。

今週も引き続きリスクオフの展開が意識される展開となりますが、やはり一番気になるのは中国株から波及して米国市場がどのような動きをするかという点です。既にNY原油は、リーマンショック後の安値を塗り替え金曜には29.13ドルの安値を付けましたが、週明けの夜間取引では28.36ドルと一段安での波乱のスタートを切っています。

もっともニュースのヘッドラインとしてインパクトが強いのはNYダウということになりますが、こちらもGLOBEX(夜間取引も含めた24時間ベース)で昨年8月24日に付けた安値は15285でしたが、金曜の安値は15709と424ドルまで迫っています(日足チャート参照)。まだ424ドルあるというよりも最近の値動きでは1日で付ける可能性がある値幅と考えた方が良いでしょう。

              NYダウ先物

              NYダウ先物

原油、株式と為替市場を取り囲む周辺市場のリスクオフ相場が今週もキーとなりますが、既に安値を大きく更新して底値が見えない原油よりも、とりあえずはターゲットとして近い位置にある株価指数、特にNYダウの動きに注意したい週となります。テクニカルな観点からドル円のターゲットをいくつか計算してみましょう。

仮に金曜安値からの値幅をパーセントに置き換えると2.7%となり、これを現状のドル円の水準117円にあてはめると113円台後半となってしまいます。さすがにドル円相場で113円台後半を現段階で見込むのは離れた水準となりますので、ターゲットとして考えるべきは、まず8月安値116.15レベル(日足チャート内、ピンクの太い横線)となり、同水準を下抜けた場合、中長期的なターゲットとして114.86レベルがあげられます。ドル円日足チャートをご覧ください。

このターゲットは、これまでにもターゲット計算に使ってきた12月2日高値から12月14日安値への下げ、その後の12月18日戻しから計算されるフィボナッチ・エクスパンションです。161.8%の118.19レベルは到達下抜け、現在ではレジスタンスとしてワークしていることがわかります。次に261.8%の114.86レベルですが、ちょうど大台の115円に近いこともあり、もし昨夏の安値を下抜けた場合には意識されやすい水準であると考えられます。

今週も引きつづき神経質な展開が続きそうです。ただ、短期的にはここからの一段の下げの前にいったん調整が入る可能性もあり、今週のところは116.15レベルをトライしきれない流れではないかと考えています。今週は116.30レベルをサポートに、118.00レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

           ドル円(日足)チャート

           ドル円(日足)チャート

このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。

オーダー/ポジション状況

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