ドル円、値幅を伴う上下動を繰り返すも方向感を見出せず。
〇ドル円、アジア時間に129.04まで下落の後、米指標の好調と米金利上昇に130.62まで上昇
〇ユーロドルECB関係者のタカ派発言と米金利上昇に一時1.0929まで上昇するも反落
〇ドル円「振れ」を伴いつつも方向感を見出しづらい時間帯続く
〇テクニカル的に見て、リスクは依然ダウンサイド、ファンダメンタルズも売り材料揃う
〇引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日、東京区部1月消費者物価指数、米12月PCEデフレータ等に注目
〇本日の予想レンジ:129.00ー131.00
海外時間のレビュー
26日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)円金利上昇に伴う円買い圧力、(3)日経平均株価の軟調推移が重石となり、アジア時間午後にかけて、安値129.04まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)米第4四半期GDP速報値(結果2.9%、予想2.7%)の市場予想を上回る結果や、(5)米12月耐久財受注(結果5.6%、予想2.4%)の力強い結果、(6)米新規失業保険申請件数(結果18.6万件、予想20.4万件)の良好な結果、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りが一時3.51%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値130.62まで急伸しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、引けにかけて反落し、本稿執筆時点(日本時間1/27午前4時45分現在)では、130.20前後で推移しております。
26日(木)のユーロドル相場は上昇後に反落。(1)ECB当局者らによる前日までの相次ぐタカ派発言(※1/26よりブラックアウト期間に突入済み)や、(2)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力、(3)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、昨年4/20以来、約9ヵ月ぶり高値となる1.0929まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米経済指標の良好な結果や、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0851まで反落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間1/27午前4時45分現在)では、1.0885前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は「振れ」を伴いつつも方向感を見出しづらい時間帯が続いております(昨日も129.04まで下落した後に130.62まで急反発)。但し、上方より複数のレジスタンスポイントが垂れ下がってくることや、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」「ダウ理論の下落トレンド」が成立していること、向こう2週間以内に90日移動平均線と200日移動平均線のデッドクロスおよび弱気のパーフェクトオーダー点灯が見込まれていること等を踏まえると、テクニカル的に見て、リスクは依然ダウンサイド(下落トレンド継続中)と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の方向性の違い(金融緩和脱却フェーズの日本と、金融引き締め休止フェーズの米国との政策格差)や、それに伴う日米金利差縮小観測(円キャリートレード逆流要因)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。
直近(1/25)でカナダ中銀が利上げ幅を25bpに縮小させると共に利上げサイクルの一時停止を滲ませた為、来週の米FOMCでも同様の動き(金融引き締め早期休止を滲ませるガイダンス)が出てくるのでは無いかとの思惑が広がっています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は東京区部1月消費者物価指数や、米12月PCEデフレータ、米1月ミシガン大学消費者信頼感指数などに注目が集まります。本邦CPIが市場予想を上回る場合や、米PCEデフレータが市場予想を下回る場合には、日銀による金融緩和の早期修正観測と、米FRBによる金融引き締め早期休止観測の組み合わせを通じて、ドル円相場に強い下押し圧力が加わる恐れがあることから、本日はアジア時間・海外時間共に、ダウンサイドリスクに注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:129.00ー131.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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