ドル高傾向続くも上値は重くなりつつある
〇本日のドル円、130円前半で方向性に欠ける往来相場、16時現在130.40-45で推移
〇昨日は一時131円台を示現するが陰線で大引け、ドル上値が重い展開を辿る
〇米FOMCを控え、128-130円台中心の推移が続くか
〇本日は米企業決算、カナダ中銀政策金利に注目、明日発表の10-12月期GDP速報値には要注意
〇欧米時間のドル/円予想レンジは129.70-131.10、ドル高・円安方向は130.60が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、129.85-90をめぐる攻防を注視
<< 東京市場の動き >>
25日の東京市場はレンジ取引。50ポイント強というやや狭いボックス内での一進一退で、明確な方向性もうかがえなかった。
ドル/円は130.15円レベルで寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。一時は130円割れをうかがうも攻め切れず、結局130円前半を中心とした方向性の乏しい往来相場に終始している。岸田首相から日銀総裁人事について「もっともふさわしい人を任命する」といった発言が聞かれたものの、新規材料も乏しく値動きは限られた。16時現在130.40-45円で推移し欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「米国情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、トランプ政権下で副大統領を務めたペンス氏の自宅から、副大統領時代の機密文書が見つかったと伝えられ物議を醸す。民主党に属するバイデン大統領私宅などから発見され、追及する絶好の材料と目されていたが、今度は共和党による敵失でムードに水を差された感もある。結局のところ、どっちもどっちなのかもしれない。一方、そうしたなか19日に上限へと達した米債務について、米共和上院トップから「デフォルト回避には大統領と下院議長、民主党と共和党の合意が必要」とのコメントが聞かれていたが、果たして如何なる決着をみるのだろうか。
対して後者は、ウクライナへの戦車供給を渋っていたドイツだが、ポーランドから供与承認の正式要請がとどき、真摯かつ緊急に審査する旨を明らかにしている。また、そののちロイターが関係筋の話として「ドイツ自身も『レオパルト2』戦車の供与を決定した」と報じ一部で話題となっていた。さらに、同じロイターは追随する格好で「米国もウクライナへの戦車供与めぐる反対姿勢を撤回する見込み」などとも伝えている。ともに国防省などによるオフィシャルなコメントが聞かれておらず、確定情報とは言えないものの、戦況を左右するものとして真偽を含めた続報などには要注意だ。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日のドル/円相場は、18日以来の131円台を示現。ただNYクローズでは維持できず、むしろ日足は陰線で大引けている。リスクという意味では上方向にバイアスが掛かるものの、それほど強さを感じられず、引き続きドルの上値は重い展開か。昨日しっかりとは超えられなかった131円前後に位置する移動平均の21日線が本日もドルの上値を抑制する可能性がある。
日米金融政策が依然として注目材料。とくに次回FOMCまで1週間と迫ってきた米金融政策についての関心が再燃してきた。いわゆるブラックアウト期間で当局者からの発言が聞かれないなか、米経済指標への注目度は依然として高い。本日は目立った米指標の発表はないが、明日の10-12月期GDP速報値などの内容如何では再び荒っぽい変動も。そうした意味では、次なる動意に向けた嵐の前の静けさとも考えられる。
テクニカルに見た場合、ドル/円は16日に127.22円の目先安値を示現後、ドルの戻り歩調をたどっている。昨日は一時131円台も。しかし、ドルの上値が少しずつ重くなってきた感もあり、動静を慎重に見極めたいところだ。21日線そして131円半ばを超えれば、さらなる戻り高値をトライする機運が高まりそうだが、果たして如何に。次回米FOMCをにらみつつ、しばらくは128-130円台を中心とした往来相場をたどる可能性もある。
本日は米経済指標として、EIA週間石油在庫統計などが発表されるものの、市場の関心は低く基本的にはノーインパクトか。ただ、引き続き米企業の決算が相次ぐうえ、本日はカナダ中銀による政策金利の発表が実施される見込みだ。そちらには一応注意しておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.70-131.10円。ドル高・円安方向は本日東京高値の130.60円レベルが最初の抵抗。上抜ければ131円前後に位置する移動平均の21日線がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日欧米安値の129.85-90円をめぐる攻防を注視。下回ると昨日安値129.73円、そして129円前半も視界内に捉えられそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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