ドル円、乱高下しつつも方向感を見出せず。市場のテーマは「円売り」から「ドル売り」へ(1/25朝)

24日(火)のドル円相場は乱高下しつつも方向感に欠ける展開。

ドル円、乱高下しつつも方向感を見出せず。市場のテーマは「円売り」から「ドル売り」へ(1/25朝)

ドル円、乱高下しつつも方向感を見出せず。

〇ドル円、米PMIの好調と米金利上昇に米国時間に131.12まで急伸するも反落
〇リッチモンド連銀製造業指数の不冴えや米金利の急低下に130円前後に戻す
〇ユーロドル、欧州朝方に1.0898まで上昇後米国時間の米金利上昇に一時1.0835まで下落
〇ドル円上昇をボリンジャーミッドバンドや21日線に阻まれ反落、テクニカルの地合い弱い
〇ファンダメンタルズも日米金融政策の方向性の違いがドル円の重石に
〇引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続を予想、米FOMCに向けドル売りムード再開か
〇本日の予想レンジ:129.25ー130.75

海外時間のレビュー

24日(火)のドル円相場は乱高下しつつも方向感に欠ける展開。(1)本邦輸出企業の実需のドル売り(旧正月中でアジア時間帯の流動性が低下している為、実需フローに対する値幅が出易い)や、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力、(3)CPI刈り込み平均値(12月CPIから変動の大きな品目を除いた数字)の前年同月比3.1%の急上昇(日銀による緩和修正を想起)、(4)円金利上昇に伴う円買い圧力が重石となり、欧州勢参入後に、安値129.74まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)短期間で下落した反動や、(6)米1月製造業PMI(結果46.8、予想46.4)および米1月非製造業PMI(結果46.6、予想45.2)の市場予想を上回る結果、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、日本時間23時45分過ぎに、高値131.12まで急伸しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(8)米1月リッチモンド連銀製造業指数(結果▲11、予想▲4、前回+1)の冴えない結果や、(9)米金利低下に伴うドル売り再開(一時3.54%まで上昇していた米10年債利回りが3.46%まで急低下)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間1/25午前4時15分現在)では、130.06前後で推移しております。

24日(火)のユーロドル相場は上下しつつも方向感に欠ける展開。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)欧州当局者による相次ぐ前日のタカ派発言(ラガルドECB総裁、フィンランド連銀レーン総裁、スロバキア中銀カジミール総裁、クロアチア中銀ブイチッチ総裁)、(3)欧州株の堅調推移が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0898まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)ドイツ2月GFK消費者信頼感調査(結果▲33.9、予想▲33.2)の市場予想を下回る結果や、(5)米1月製造業PMIおよび米1月非製造業PMIの市場予想を上回る結果、(6)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国勢参入後に、安値1.0835まで下落しました。

もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(7)米1月リッチモンド連銀製造業指数の冴えない結果や、(8)米金利低下に伴うドル売り再開、(9)リトアニア中銀シムクス総裁による「ECBは50bpの利上げを継続すべき」「コアインフレは依然として強い」とのタカ派的な発言が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間1/25午前4時15分現在)では、1.0876前後まで持ち直す動きとなっております。尚、昨日発表されたユーロ圏1月製造業PMI(結果48.8、予想48.5)およびユーロ圏1月非製造業PMI(結果50.7、予想50.1)は共に市場予想を上回る結果となりましたが、市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は一時131.12まで急伸するも、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線に続伸を阻まれる形で反落に転じました(結果として先週1/18に記録した直近高値131.59を突破できず)。上方より複数のレジスタンスポイント(日足ベース)が垂れ下がってきていることや、強い売りシグナルを示唆する三役逆転およびダウ理論の下落トレンドが成立していること、下位足(1時間足や4時間足)の買いシグナルが消失したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます(短期的にドル買い・円売りが強まりそうな雰囲気が出ていましたが、不冴なリッチモンド連銀製造業指数がそうしたムードを一蹴)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による根強い緩和修正観測(次回3/10会合でイールドカーブコントロールの許容変動幅拡大や完全撤廃、マイナス金利脱却などの措置が決定されるとの思惑)や、(2)米FRBによる金融引き締め・早期休止観測(ブラックアウト期間中のFEDの代弁者とされるWSJニック記者が1/23にハト派的な記事掲載→昨年12月のドットチャートで描かれたターミナルレート5.25%に達かない可能性大)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(金融緩和脱却が見込まれる日本と、金融引き締め終了が見込まれる米国との政策格差)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続を予想いたします(市場のテーマが、「(先週の日銀金融政策決定会合での結果を受けた)円売り再開ムード」から「(来週の米FOMCに向けた)ドル売り再開ムード」に転じる公算大)。尚、本日は本邦の5・10日公表相場(9:55)や、ドイツ1月IFO景況感指数(18:00)、米MBA住宅ローン申請指数(21:00)、米5年債および変動利付2年債入札(3:00)などが予定されております。

本日の予想レンジ:129.25ー130.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、乱高下しつつも方向感を見出せず。

ドル円日足

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