日米金融政策などめぐり、右往左往続く
〇本日のドル円、寄り付いた130.65レベルを日中高値に緩やかな右肩下がり、130.00-05円まで下落
〇ドル円は連日下値を切り上げる展開、131円台回復が視界内に捉えられリスクはドル高方向か
〇131.10レベルの21日移動平均線、そして1/18高値131.58をめぐる攻防が注目される
〇要人発言をめぐり金融政策への思惑が交錯していた感、引き続き米経済指標や欧米要人発言に要注意
〇欧米時間のドル円予想レンジは129.00-130.70、ドル高・円安方向は130.70-75、130.90が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、129円半ばに弱いサポート
<< 東京市場の動き >>
24日の東京市場はドルが小安い。緩やかな右肩下がりで、値幅は限定的だが「早朝高・夕方安」の様相だった。
ドル/円は、寄り付いた130.65円レベルを日中高値に緩やかな右肩下がり。日経平均株価の上昇が一時400円を超えるような展開をたどるなか、130.00-05円まで下落するも130円割れは回避され、ギリギリのところで踏みとどまった。16時現在、ドル/円はドル安値圏130.05円前後で推移し欧米市場を迎えている。なお、一連の動きのなか鈴木財務相から「為替レートは市場で決定」とする発言が聞かれていたようだ。
一方、材料的に注視されていたものは「欧州金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、昨日講演などを通じ複数の欧州要人から金融政策に関する発言が相次いだが、内容的には強弱の混在したものになった。強気派としては「0.5%の利上げがあと2回必要」と述べたスロバキア中銀総裁とラガルドECB総裁。後者のラガルド氏は「インフレ抑制のため金利を引き上げる必要がある」と述べていたようだ。それに対してハト派と目されるイタリア中銀総裁は「利上げは速すぎても遅すぎても同等のリスクをともなう」と指摘、過度な利上げリスクに警告を発している。
対して後者は、ドイツが依然としてウクライナへの戦車供給を渋っているものの、欧州を中心としたウクライナへの武器支援の動きは継続。そうしたなか、ロシアのラブロフ外相は、「欧米との対立、ハイブリッド戦争ではなくほとんど本物の戦争になっている」と指摘し、強めの警告を発していた。一方、それとは別にここ数日は日本を標的としたロシアの「嫌がらせ」行為が目に付く。先日は「日本との漁業協定交渉に応じない」旨の発表を行い、日本の北方領土周辺での操業に影響が生じるなか、今度はペスコフ報道官が「現状では日本と交渉不可能」と日露間の平和条約締結交渉進展にノーを突き付けていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場はここ数日、連日下値を切り上げる展開。ザラ場ベースでは18日以来の131円台回復が視界内に捉えられてきた。リスクという意味ではドル高方向にバイアスがかかりそうで、まずは131.10円レベルまで値を下げてきた移動平均の21日線、そして18日高値である131.58円をめぐる攻防が注目されている。ただ、昨日安値129.05円を下回るようだと、ドルの上値トライは一旦仕切り直しとなることも。
日米金融政策が依然として注目材料。そして昨日は前段で取り上げたように、欧州の要人発言をめぐり金融政策についての思惑が交錯していた。
本日も引き続き発表される米経済指標や欧米要人の発言には注意を払いたい。一方、中国春節休暇を受けた新型コロナの感染状況も引き続き気になる。報じられるニュースなどには、このあとも注意しておきたいところだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は上方向の展望が広がったが、本日東京は逆にドル売り優勢。130円割れをうかがう局面も観測されていた。いずれにしても、130円後半などでのドル高値掴みにも要注意で慎重さが求められるだろう。昨日もレポートしたように、上抜けが失敗に終われば2月初の次回米FOMCをにらみつつ、しばらくはレンジ取引か。128-130円台を中心とした往来相場をたどる可能性もある。
一方、本日は米経済指標として、1月の製造業PMI速報や同リッチモンド連銀製造業指数が発表されるほか、米企業の決算発表なども相次ぐ。また米国務省が発表した日米外相とG7などによる「ウクライナのエネルギー支援会合」が開催される見込みだ。こちらも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.00-130.70円。ドル高・円安方向は本日東京高値の130.70-75円、あるいは昨日高値130.90円が最初の抵抗。上抜ければ移動平均の21日線がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、129円半ばに弱いサポートがあるものの、割り込むと昨日安値129.05円が意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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