ドル円、日銀による緩和修正見送りを受けて一時3円超の急騰劇を演じるも結局全値押し(1/19朝)

18日(水)のドル円相場は急伸後に急反落。

ドル円、日銀による緩和修正見送りを受けて一時3円超の急騰劇を演じるも結局全値押し(1/19朝)

ドル円、日銀による緩和修正見送りを受けて一時3円超の急騰劇を演じるも結局全値押し

〇ドル円、日銀の政策維持、共通資金担保オペ拡充等に131.57まで急騰
〇買い一巡後は3月会合での緩和修正を見越した円買い再開や米指標不冴えで127円台半ばに急落
〇ユーロドル、仏中銀総裁のタカ派発言、米指標不冴え等に1.0887まで上昇するも1.08割れに反落
〇ドル円、長い上髭を残して反落、売りシグナル継続し、リスクは依然ダウンサイド
〇ファンダメンタルズも米国のインフレピークアウト期待、日銀の次回会合での政策修正観測等が重石
〇ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:127.25ー129.75

海外時間のレビュー

18日(水)のドル円相場は急伸後に急反落。(1)日銀による金融緩和政策の現状維持決定(一部で緩和修正に動くとの見方が広がっていたが結局見送り)や、(2)共通担保資金供給オペの拡充決定(金利入札方式期間を1年から10年に延長→間接的な円金利低下期待)、(3)2023年度の物価見通しの据え置き決定(警戒されていたような物価見通しの大幅上方修正が見送り)、(4)上記1、2、3を背景とした円ロングの巻き戻し(円金利急低下→円売り・株高)が支援材料となり、日本時間13時過ぎに、高値131.57まで急伸しました。

その後も、(5)黒田総裁による「更なる長期金利変動幅拡大は必要ない」との発言等を材料に、しばらく底堅い動きが続いていましたが、一巡後に伸び悩むと、(6)日銀による次回3月会合での緩和修正を見越した円買い再開や、(7)米12月小売売上高(結果▲1.1%、予想▲0.9%)の冴えない結果、(8)米12月生産者物価指数(結果6.2%、予想6.8%)の伸び率急低下、(9)米12月鉱工業生産(結果▲0.7%、予想▲0.2%)の市場予想を下回る結果、(10)米長期金利の急低下(米10年債利回りは昨年9/13以来の低水準となる3.36%へ急低下)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値127.58まで急落しました(日銀金融政策決定会合後の急伸の全値押し達成)。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間1/19午前6時25分現在)では、128.79前後で推移しております。尚、昨日はフィラデルフィア連銀ハーカー総裁より、「12月PPIは物価が沈静化しつつある新たな兆候」「今後は25bpの利上げが適切となるだろう」との発言が見られました。

18日(水)のユーロドル相場は上昇後に急反落。アジア時間午後にかけて、安値1.0767まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)フランス中銀ビルロワドガロー総裁による「50bpの利上げペースが一定期間続くことを見込むべきだ」とのダボス会談でのタカ派的な発言、(3)英ポンドの急上昇(英12月消費者物価コア指数が市場予想を上回る結果→英ポンド急伸→ユーロ連れ高)、(4)欧州株の堅調推移、(5)米経済指標の冴えない結果が支援材料となり、米国勢参入後に、昨年4/21以来、約9ヵ月ぶり高値となる1.0887まで急伸しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと(またしても心理的節目1.0900をバックに続伸が阻まれると)、米国時間午後にかけて急落し、本稿執筆時点(日本時間1/19午前6時20分現在)では、1.0793前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は1/16に記録した約7ヵ月半ぶり安値127.24をボトムに反発に転じると、昨日は一時131.57(日銀による金融緩和・修正見送り→ドル円ショート勢の大規模ロスカット誘発)まで急伸しましたが、結局、長い上髭を残す形で反落に帰結しました(全値押し達成→上値の重さを再確認)。強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」「ダウ理論の下落トレンド」が成立していることや、昨年のLOW→HIGH(113.47→151.95)の半値押しおよび61.8%押しを達成していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、リスクは依然ダウンサイドと判断できます。

ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米国による金融引き締め・早期終了観測(昨日発表された米PPIは大幅鈍化→米国のインフレピークアウト期待再燃→年後半の利下げ開始を織り込む動き→米10年債利回りが約4ヵ月ぶり低水準へと急低下)や、(2)日銀による次回3月会合での金融緩和・修正観測(昨日の会合では現状維持が決定されるも金融緩和の早期脱却路線は不変→今後も日銀金融政策決定会合の都度緩和修正期待が燻る公算大→市場による催促相場の継続)、(3)上記1、2を背景に円キャリートレード逆流懸念(投機筋による円ショート縮小)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米1月フィラデルフィア連銀景況指数や米12月住宅着工件数、米12月建設許可件数、米新規失業保険申請件数、ボストン連銀コリンズ総裁講演、ブレイナードFRB副議長講演などに注目が集まります(ドル円のボラティリティが極度に高まっているため、ポジションサイズ管理には引き続き注意が必要)。

本日の予想レンジ:127.25ー129.75

ドル円、日銀による緩和修正見送りを受けて一時3円超の急騰劇を演じるも結局全値押し

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

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