日銀は緩和継続、ドル/円の下値リスク後退(1/18夕)

18日の東京市場はドル堅調裡。注目の日銀会合の結果を受け、急激なドル高・円安が進行すると一時131円半ばも。

日銀は緩和継続、ドル/円の下値リスク後退(1/18夕)

日銀は緩和継続、ドル/円の下値リスク後退

〇本日のドル円、日銀政策を受け128円台から131円台までドル高進行、16時現在130.70レベルで推移
〇日銀「金融緩和継続」「長期金利変動幅の拡大無し」と発表、政策修正行われず期待外れとの声も
〇ドルの下値不安が後退、今後の経済指標によっては米金利先高観が高まるか
〇本日は米12月小売売上高、同生産者物価指数、連銀総裁講演に注目
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは129.20-131.20
〇ドル高・円安方向は21日線のある131円台半ばが強い抵抗、短期的には131円をめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、130円前後が最初のサポート、129円前半も下回ってくると元のレンジへの回帰も

<< 東京市場の動き >>

18日の東京市場はドル堅調裡。注目の日銀会合の結果を受け、急激なドル高・円安が進行すると一時131円半ばも。

ドル/円は128.10円前後で寄り付いたのち、日銀会合をにらみつつ乱高下。ただ、それでも128円台を中心とした上下動で明確な方向性は乏しかった。そうしたなか、日銀が昼前に注目の政策決定会合の結果を発表。政策金利をマイナス0.1%で現状維持するとの決定に、ドル/円は一気に131円台まで2円を超えるドル高が進行している。16時現在では再びドル売りに押された130.70円レベルで推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日米欧の金融政策」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、ブルームバーグがECBの金融政策について、利上げペースの減速を検討し始めているとしたうえで、「2月は0.5%の利上げを実施する公算が引き続き大きいが、3月は利上げ幅を0.25%とする案に支持が集まりつつある」と報じ一部で話題に。それに対して米国はリッチモンド連銀総裁の発言として「物価上昇率はまだ高過ぎるため、金融政策による抑制を緩和できないとの認識を明らかにした」と伝えられている。一方、そんな米欧の金融スタンスを踏まえたうえで、日銀が本日昼前に「政策金利をマイナス0.1%で現状維持する」と発表。また長期金利の上限も引き上げられず、0.5%程度のまま据え置くことが明らかになった。さらに、そののち黒田総裁は「金融緩和を継続」、「長期金利変動幅さらなる拡大必要ない」などと会見で述べていたようだ。

対して後者は、オランダ首相がウクライナへの地対空ミサイルシステム「パトリオット」供給に言及するなか、英外相も改めてウクライナ軍事支援の強化を表明した。また、ウクライナ軍総司令官が米軍トップと会談、「緊急に必要な」支援を伝達したほか、ゼレンスキー大統領もドイツ大統領とビデオ会談し、「防衛支援拡大の必要性」をめぐり協議したという。一部では西側諸国における「ウクライナの支援疲れ」なども取り沙汰されているが、実際には依然として余力が残っているようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、週明け16日には7ヵ月ぶり安値127.22円まで一時下落したものの、そののちドルが急回復。本日東京では131円台を示現する局面も観測されていた。再びドル高方向へバイアスのかかった動きをたどるか否かは別にして、ドルの下値不安が大きく後退した。しばらくは128-132円といったレンジのなかで、次の方向性を探る動きとなる可能性もありそうだ。

久しぶりに市場の注目度が高かった日銀決定会合の結果発表は、期待されていた金融政策の修正が行われず、「期待外れ」と言った声も。それに対して、先でも取り上げたように米国は取り敢えずまだしばらく金利が引き締め方向と予想され、日米金利差は拡大方向にあると考えられる。むしろ、発表される米経済指標の内容などによっては、米金利先高観がさらに高まっても不思議はないだろう。いずれにしても、本日は発表される12月の米小売売上高にまずは注目だ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は日銀会合の結果を受け、一時ドルが急騰したものの移動平均の21日線に上値を阻まれた格好だ。本日はもちろん、今後も緩やかな右肩下がりをたどり来週中には131円割れレベルを切り下げると予想されている、21日線をめぐる攻防をしばらく注視しておきたい。対して、ドルの下値はさすがに切り上がっているが、時間足など短期チャートを見ると129円半ばから131円レベルは空中戦ともいえる動きが多く、引っ掛かりに乏しいだけに崩れたらかなりの深押しも。

本日は米経済指標として、12月の小売売上高や同生産者物価指数が発表されるほか、複数の米地区連銀総裁による講演など発言機会も予定されている。また引き続きダボス会議が開催されるうえ、米企業の決算発表など注目要因は本日も多い。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.20-131.20円。ドル高・円安方向は移動平均の21日線も近い東京高値131円半ばは強い抵抗だが、その後のドル反落で幾分遠のいた。短期的には131円をめぐる攻防にまずは注目か。
対するドル安・円高方向は、130円前後が最初のサポートで、さらに129円前半も下回ってくると元の木阿弥か。かつてのレンジへと完全に回帰する可能性もある。

日銀は緩和継続、ドル/円の下値リスク後退

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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