ドル円一時129円台、日銀政策発表を明日に控え調整的買戻し優勢
17日午前の東京市場でドル円は堅調推移。朝方128.53レベルで取引が始まったドル円は、序盤に128.21まで軟化したものの、時間外の米長期金利が上昇したこと等で買い戻され、昼前に一時129.15の高値をつけました。その後はもみ合いとなり、東京時間正午現在は129円ちょうど近辺で取引されています。
10年物日本国債利回りは、本日午前中も日銀の定めた上限0.50%を超えて取引されましたが、0.505%までと比較的「穏当」な範囲だったこともあってか、為替相場の反応は限定的でした。
日経平均株価は、昨晩欧米株価が堅調に推移したことや、急激な円高進行に一服感が出たことから、輸出銘柄等を中心に買い戻しが優勢となりました。しかし、11時頃に中国の人口が61年ぶりに減少したとの報道が伝わったことなどから伸び悩み、318円高で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では米国がキング牧師誕生日の祝日で休場だったこともあり、ドル円は128円台を中心に方向感なく推移し、128円台半ばでアジア時間につないでいます。
テクニカルにはドル円は、本日は反発基調となっているものの、引き続き主要テクニカルポイントの下方で推移。強いドル売り地合いが続いています。
市場は今日明日の日銀政策決定会合の結果公表を明日に控え、このところ急激に進んだ円高を一部解消する、ポジション調整主体の動きとなっています。
明日の日銀政策決定会合で、日銀は金融引き締めを見送るとの見方が市場の一部に広がっており、行き過ぎた政策変更期待に一旦ストップがかかった形です。
一方で本邦の消費者物価指数、企業物価指数が大きく上昇する中で、あくまで大規模緩和政策継続を掲げる日銀の金融政策の現実との整合性への市場の疑念は強くなっています。また、日銀があまりにも大量の国債買い入れを行ってきたために国債市場自体が機能しなくなりつつあることがテクニカルな金利上昇を招いているとの指摘もあり、今回金融引き締めが実施されなくても、何らかの政策修正乃至は見直しが行われる可能性は引きつづき高いものと思われます。
現在10年物の円金利スワップの水準は1.0%近辺。今年に入ってからは0.9%以上の水準で安定的に推移しており、人為的に決められた10年物国債利回り上限0.5%との開きに象徴される、「円金利の上昇余地」は、今回の再引き締めの有無にかかわらず、引き続き市場の円買い圧力となりそうです。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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