ドル円、約7ヵ月半ぶり安値更新後に急反発するなど日銀会合を控え不安定な値動き(1/17朝)

週明け16日(月)のドル円相場は下落後に急上昇。

ドル円、約7ヵ月半ぶり安値更新後に急反発するなど日銀会合を控え不安定な値動き(1/17朝)

ドル円、約7ヵ月半ぶり安値更新後に急反発するなど日銀会合を控え不安定な値動き

〇ドル円、日米金利差拡大観測後退続き、東京午前に約7ヵ月半ぶり安値となる127.24まで下落
〇売り一巡後は日銀政策決定会合を控えたポジション調整等に欧州時間に高値128.85まで急伸
〇ユーロドル、年内米引き締め終了観測に1.0874まで上昇後欧州時間に1.0801まで反落
〇ドル円、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、下落要因・目白押し
〇引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:127.75ー129.25

海外時間のレビュー

週明け16日(月)のドル円相場は下落後に急上昇。(1)米FRBによる金融引き締め早期終了観測(年内利下げ再開の思惑)や、(2)日銀による金融緩和の修正観測(YCC許容限度額拡大やYCC撤廃の思惑)、(3)本邦輸出企業の実需のドル売り、(4)本邦12月企業物価指数の伸び率高進統計開始の1960年1月以降で最高水準)が重石となり、日本時間11時過ぎに、昨年5/30以来、約7ヵ月半ぶり安値となる127.24まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)日銀による指値オペを通じた本邦長期金利の抑制や、(6)日銀金融政策決定会合を控えたポジション調整(ショートカバー誘発)が支援材料となり、欧州勢参入後に、高値128.85まで急伸する荒々しい値動きとなりました。もっとも、その後は、米国祝日(キング牧師記念日で米株・米債市場休場)で市場参加者が減少する中、動意に乏しく、本稿執筆時点(日本時間1/17午前4時45分現在)では、128.50前後で推移しております。

週明け16日(月)のユーロドル相場は上昇後に反落。(1)米FRBによる金融引き締め早期終了観測(年内利下げ再開の思惑)や、(2)ECBによる金融引き締め長期化観測、(3)上記1、2を背景とした欧米金融政策の方向性の違いが支援材料となり、日本時間11時過ぎに、昨年4/21以来、約9ヵ月ぶり高値となる1.0874まで上昇しました。しかし、心理的節目1.0900をバックに伸び悩むと、(4)ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの再開(ロシア軍が週末にウクライナに対して大規模ミサイル攻撃を実施)や、(5)ドイツ12月卸売物価指数(結果▲1.6%、前回▲0.9%、※前月比)の伸び率低下が重石となり、欧州勢参入後に、安値1.0801まで反落しました。もっとも、その後は、米国祝日で市場参加者が減少する中、動意に乏しく、本稿執筆時点(日本時間1/17午前4時45分現在)では、1.0820前後で推移しております。尚、昨日はレーンECB専務理事やフィンランド中銀レーン総裁より「次回会合で大幅な利上げを予想する」とのタカ派的な発言が相次ぎましたが、市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は一時127.24まで下げ幅を広げるなど、昨年5/30以来、約7ヵ月半ぶり安値圏へと下落しました。結果として、昨年1/24に記録した年間安値113.47と、昨年10/21に記録した年間高値151.95を起点としたフィボナッチリトレースメント半値押し(132.71)および、同61.8%押し(128.17)を達成するなど、全値戻しも視野に入ってきました。こうした動きの背景には、(1)米FRBによる金融引き締め早期終了観測(米当局者はタカ派的なスタンスを続けているが、市場参加者は、実質金利上昇に伴う米経済のオーバーキルを避ける目的で米FRBが金融引き締め政策を緩める方向に舵を切ると予想)や、(2)日銀による金融緩和の修正観測(読売新聞社による先週の「日銀が1/17ー1/18の金融政策決定会合で大規模金融緩和の副作用を点検する」との観測報道を受けて日銀による金融緩和修正観測が再浮上)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレード・逆流懸念(米CFTCが1/13に発表した1/10時点のIMM通貨先物・非商業部門建玉が昨年8月以来の水準となる円ネットショート35377枚まで急縮小)、

(4)米国の債務上限問題(下院がねじれ議会となったことで合意に想定以上の時間を要する恐れ)など、複数のドル売り・円買い材料の組み合わせが挙げられます。テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、下落要因・目白押しとなる中、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(但し、本日に限ってみれば、翌日に今週のメインイベントである日銀金融政策決定会合を控えているため、様子見ムードが広がりやすく、ドル円は上下しつつも方向感を見出しづらい時間帯が続きそうです)。尚、本日は中国の主要経済指標(中国10ー12月期GDP統計、同12月小売売上高、同12月鉱工業生産、同12月固定資産投資)や、米1月ニューヨーク連銀製造業景況指数、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁発言などが予定されております。

本日の予想レンジ:127.75ー129.25

注:ポイント要約は編集部

ドル円、約7ヵ月半ぶり安値更新後に急反発するなど日銀会合を控え不安定な値動き

ドル円日足

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