ドル下値拡大か、米経済指標に引き続き注意(1/13夕)

13日の東京市場はドルが続落。昨年6月1日以来の128円台を示現し、そのままドルの安値圏で推移している。

ドル下値拡大か、米経済指標に引き続き注意(1/13夕)

ドル下値拡大か、米経済指標に引き続き注意

〇本日のドル円はドルが続落、昨年6月以来の128円台を示現し、128.40前後まで下落
〇ドル円は昨日3円を超える価格変動、リスクはドル安方向、127.25-30レベルあたりが下値メドとなるか
〇米経済指標の内容や要人発言次第では、さらに下値を探る展開となる可能性も
〇本日は12月輸出入物価指数、1月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値などが発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは128.00-129.40、ドル高・円安方向は本日東京高値の129.40-45
〇ドル安・円高方向は、やはり本日東京安値128.40レベルの攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

13日の東京市場はドルが続落。昨年6月1日以来の128円台を示現し、そのままドルの安値圏で推移している。

ドル/円は129.20-25円で寄り付いたのち、しばらく揉み合い。その過程のなかで129.40-45円の日中高値を示現した。しかし以降はドルが冴えず。129円を割り込むと128.65-70円へ。一時持ち直すも続かず、夕方に掛けてドルは再下落し128.40円前後まで。16時現在ではドル安値圏128.60円前後で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「米欧の金融政策」と「中露共闘姿勢」について。
前者は、欧州について前日のフィンランド中銀総裁やスペイン中銀総裁に次いでギリシャ中銀総裁もタカ派発言。「インフレ率が中期的に目標の2%に近づくことが確実となるまで利上げを継続する」と述べていた。そうしたなか発表された注目の米消費者物価指数は、ほぼ予想通りの結果ながら、6ヵ月連続でインフレ率が鈍化したことが市場の弱気ムードに拍車をかけていた。とは言え、そののち伝えられた米地区連銀総裁などのコメントは全般的に強気。たとえば、リッチモンド連銀総裁は「インフレ率は高すぎる、FRBにはまだやることがある」、フィラデルフィア連銀総裁は「5%強への利上げを支持する」との発言が聞かれていた。

対して後者は、今月の議長国を務める日本の林外相が主宰し、国連安全保障理事会で「法の支配」をテーマに公開討論が行われるなか、中露は共闘し反対姿勢。ロシア大使が軍事侵攻を改めて正当化するなか、中国大使も「一部の国に対して一方的に制裁を科すことは国際法上の根拠がない」として、ロシアや北朝鮮への制裁を非難していた。一方、それとは別にロシアは中国からの渡航者に特別なコロナ対策を実施しない旨を表明したほか、ロイターは業界データを元に、「ロシアが2022年に中国向け液化石油ガス(LPG)の鉄道による輸出を2倍以上に増やしたことが明らかになった」との分析結果を明らかにしている。

<< 欧米市場の見通し >>

今週のドル/円相場は週明け月曜日の変動約1.3円から日に日にレンジを狭める展開だったが、昨日は3円を超える価格変動。売られ過ぎの域に達していることは確かながら、リスクはドル安方向で、様相は再び混とんとしてきた。予断を許さない。ちなみに、起点を昨年1月安値102.59円とした場合のドル上昇幅の半値戻しは127.25-30円。取り敢えずは同レベルあたりが下値メドとして意識されそうだ。
米利上げが予想よりも早く終了するとの見通しに加え、日銀は逆に早期利上げを実施するとの期待感が強い。つまり、日米金利は思ったよりも拡大しないばかりか、縮小するとの見方も根強く、ここ最近のドル安・円高を支援していることは間違いないだろう。発表される米経済指標の内容や要人発言次第では、さらに下値を探る展開をたどる可能性もある。なお、それとは別に中国を中心とした新型コロナの感染状況と、それを取り巻く政治・国際ファクターなどにも一応要注意。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は形成してきた小レンジ131.31-132.87円を底割れしたばかりか、130円も割り込み128円台へ。下値リスクが高いことは間違いないものの、高値151.94円を起点に一貫した右肩下がりで、すでに20円を超える下げ幅を記録している。これは、過去の類似局面と比較してもいささか行き過ぎだ。そろそろ反転する展開にも注意すべきレベルに達していると思われる。

一方、本日は米経済指標として、12月の輸出入物価指数や1月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値などが発表される予定となっている。とくに後者が注視されており、昨日米消費者物価指数で荒れ模様をたどっているだけに本日も要注意だ。また、JPモルガンチェースなどの決算発表、日米首脳会談などそれ以外でも注目要因は多い。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは128.00-129.40円。ドル高・円安方向は本日東京高値の129.40-45円が最初の抵抗。抜ければ再び130円乗せも。
対するドル安・円高方向は、やはり本日東京安値128.40円レベルの攻防に注目。下抜けると前述したフィボナッチポイント127円前半が意識されそうだ。

ドル下値拡大か、米経済指標に引き続き注意

ドル円日足


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