米インフレ指標に注目、数字如何で乱高下も
〇本日のドル円、136.90近くまで上昇するもその後一時136円を割り込むまで下落、ドルが小安い
〇12/2安値133.63から12/7高値137.86の、ややワイドなレンジ内の上下動をたどる展開
〇本日は11月生産者物価指数、来週には米FOMC、11月米消費者物価指数と注目度が高い材料控える
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.60-137.20、ドル高・円安方向は136.80-90が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、135.75-80をめぐる攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
9日の東京市場はドルが小安い。一度も137円台に乗せることが出来なかったばかりか、逆に一時136円を割り込む局面も。
ドル/円は136.65円レベルで寄り付いたのち、136.90円近くまで上昇し日中高値を示現。しかし、その後はドル売りが優勢となり、136円割れまで一時は1円を超える下落をたどっていた。日経平均株価が終値ベースで300円を超えるなど大幅高になったことが材料視されていたという。16時現在では辛うじて136円台を回復したものの、それでも136.00-05円の安値圏で欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「中国情勢」について。
前者は、プーチン大統領は、軍事侵攻を続けるウクライナのエネルギー関連施設を標的にした攻撃を行っていると認めたうえで、ロシアの発電所などが破壊されたことへの報復だと主張。行動を正当化した。またロシア外務省は、ウクライナ南部のザポロジエ原子力発電所周辺に安全地帯を設ける主な目的について、同原発への「ウクライナによる砲撃を止める」ことだと発表している。ともに、飽くまでも原因はウクライナ側にあるとのスタンスを崩していない。そうしたなか、ウクライナ外相は一部で取り沙汰される停戦合意について、「クリミアなどロシアに占領された地域を同国の支配下に置いたままにする和平合意を受け入れることは決してない」と述べている。
対して後者は、7日からサウジを訪問している習国家主席がサルマン国王と会談し、戦略協定に署名した。そうしたなか、中国政府が2023年の休日カレンダーを正式に発表。春節(旧正月)の連休は1月21-27日とされる一方、規制緩和の動きと新型コロナの感染拡大との兼ね合いが色々と懸念されていたようだ。一方、発表された中国の消費者物価はほぼ予想通り、生産者物価は予想を上回る結果となったが、それほど大きな影響は見られなかった。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は2日に示現した133.63円を目先安値、7日の137.86円を同高値とし、ややワイドながら、そのなかでの上下動をたどる展開となっている。つまり、基本的にはレンジ取引継続で、落ち着きどころを探る動きが予想されるものの、本日NYは注目の米経済指標の発表、来週13-14日には米FOMCを控えており、予断を許さない。思わぬ価格変動にも一応要注意だ。
年内最後の大きな市場変動要因と目される来週13-14日の米FOMC、そして11月の米消費者物価指数への注目度が依然として高い。そうしたなか、本日はその前哨戦ともいえる米生産者物価指数の発表が見込まれており、まずはそちらに注目だ。ちなみに、市場では下振れを警戒する向きがあるだけに、好数字になった場合の方がマーケットへのインパクトは大きくなる可能性もある。
テクニカルに見た場合、ドル/円の相場観は目先ニュートラル。前述したように、先週末から今週にかけてレンジの上下ともにチャレンジし、ともに失敗した感を否めない。そのため、4円強という若干ワイドなレンジ取引が続くとの見方も聞かれる一方で、材料的には再びレンジ放れを試す可能性もある。ちなみに、レンジを上放れた場合には140円を目指す反面、底割れすれば8月安値130.40円がターゲットに。
一方、本日は米経済指標として、11月の生産者物価指数や12月のミシガン大学消費者信頼感指数速報などが発表される予定となっている。とくに前者への関心が高く、数値如何でマーケットは荒っぽい変動も。来週に予定される米FOMCにも、影響を与えかねない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.60-137.20円。ドル高・円安方向は東京高値の136.80-90円が最初の抵抗。抜けると昨日高値137.25円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、同じく東京安値の135.75-80円をめぐる攻防に注目だ。割り込むと移動平均の200日も位置する135円レベルがターゲットとなる。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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