ドル円、米長期金利の動きにつれ乱高下。流動性欠如で不安定な値動きが継続中(12/8朝)

7日(水)のドル円相場は急伸後に急反落。

ドル円、米長期金利の動きにつれ乱高下。流動性欠如で不安定な値動きが継続中(12/8朝)

ドル円、米長期金利の動向の動きにつれ乱高下。流動性欠如で不安定な値動きが継続中

〇ドル円、米長期金利上昇、ジョージア州での米中間選挙民主党勝利等に一時137.84まで上昇
〇その後は米金利低下と株価の軟調に米国時間午後にかけ136.22まで急落
〇ユーロドル米国時間に1.0549まで上昇するも1.0515前後まで反落
〇プーチン露大統領による「世界で核戦争のリスクが上昇しつつある」との発言等がユーロの重しに
〇ドル円、特段の材料もないままに流動性の低下に乱高下
〇テクニカル、ファンダメンタルズともリスクは依然下方向
〇ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想、本日の予想レンジ:135.50ー137.50

海外時間のレビュー

7日(水)のドル円相場は急伸後に急反落。(1)公表相場決定にかけてのドル買い・円売りや、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(3)中村日銀審議委員による「金融緩和を粘り強く続ける必要がある」「このタイミングでの金融政策変更は時期尚早」「総裁人事で金融政策を見直すタイミングが変わると考えず」「残念ながら金融政策の点検・検証の状況には至っていない」とのハト派的な発言、(4)米南部ジョージア州の上院選挙の決選投票で与党・民主党の現職ラファエル・ウォーノック氏が、野党・共和党の新人ハーシェル・ウォーカー氏に勝利したこと(民主党が上院の過半数51議席目を確保→議会運営の円滑化期待→ドル高政策継続の思惑)、(5)中国政府によるコロナ規制の緩和期待(中国政府は大半の公共施設でのコロナ義務付け措置を全国で撤廃→リスク選好のクロス円上昇→ドル円連れ高の思惑)などが支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値137.84まで急伸しました。

しかし、心理的節目138.00をバックに伸び悩むと、(6)米金利低下に伴うドル売り再開(米10年債利回りは9/16以来の低水準となる3.42%へ急低下)や、(7)株式市場の軟調推移(リスク回避のクロス円売り→ドル円連れ安)、(8)上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売りが重石となり、米国時間午後にかけて、安値136.22まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間12/8午前4時55分現在)では、136.30前後で推移しております。

7日(水)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(2)米南部ジョージア州の決選投票における与党・民主党の現職勝利(ドル高政策継続の思惑)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0443まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)中国政府によるコロナ規制の緩和期待や、(4)上記3を背景としたリスク選好のドル売り圧力、(5)ユーロ圏7ー9月期GDP確報値(結果+0.3%、予想+0.2%、※前期比)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0549まで急伸しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(6)プーチン露大統領による「世界で核戦争のリスクが上昇しつつある」との発言や、(7)欧州株の冴えない動きが重石となり、本稿執筆時点(日本時間12/8午前4時55分現在)では、1.0515前後まで反落する動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は先週末金曜日(12/2)に記録した約3ヵ月半ぶり安値133.62をボトムに反発に転じると、昨日は一時137.84まで急伸しましたが、その後は再び136.22まで急落するなど、荒々しい値動きが続いております(特段真新しい材料が出たわけでも無いにも係わらずドル円相場が乱高下→流動性の欠如が改めて意識される展開)。アップサイドに複数のレジスタンスポイントが控えていることや、強い売りシグナルを示唆する三役逆転が成立していること等を踏まえれば、テクニカル的に見て、リスクは依然ダウンサイドと判断できます(乱高下を繰り返しながらも最終的にダウンサイドに下放れするシナリオを想定)。

ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の先行きの方向性の違い(足元の日米金融政策格差ではなく、半年後の日米金融政策格差を見通した場合、米利上げペース鈍化や米利下げ再開シナリオが意識される2023年6月頃の米国と、ポスト黒田体制下で出口議論の開始が意識される日本との金融政策の方向性の違いは明らか)や、それに伴う円キャリートレードの巻き戻し懸念(本邦個人投資家を中心としたミセスワタナベ勢の大規模ロスカット誘発懸念)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が増えつつあります。また、原油先物価格の急落も、本邦貿易赤字の縮小期待(構造的な円売り圧力の後退)を通じて、ドル円相場の下押しに繋がると推察されます。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は本邦10月国際収支統計や、本邦7ー9月期GDP統計、米新規失業保険申請件数以外に目立った経済イベントが予定されていない為、昨日同様、米長期金利の動向に大きく揺さぶられる神経質な相場展開に注意が必要でしょう(市場全体の流動性が落ちているため、普段ではそれほど意識されないようなちょっとした材料でも相場が大きく動いてしまう不安定な状態)。

本日の予想レンジ:135.50ー137.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米長期金利の動向の動きにつれ乱高下。流動性欠如で不安定な値動きが継続中

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