ドルいまだ下げ止まらず、米雇用統計を注視(12/2夕)

2日の東京市場はドルが小安い。しかし、前日に続き135円割れをうかがうも、しっかりと割り込むことは出来なかった。

ドルいまだ下げ止まらず、米雇用統計を注視(12/2夕)

ドルいまだ下げ止まらず、米雇用統計を注視

〇本日のドル円、135円前半中心のレンジ内で一進一退、135円割れをうかがうもしっかりと割り込めず
〇ドル円はさらなる下落に要注意、まずは135円レベル、それを下回ると200日線をめぐる攻防に注目
〇本日発表の11月雇用統計に市場の関心高い、内容によっては米金融政策に影響する可能性も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは133.60-135.60、ドル高・円安方向は135.60レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、135円レベルをめぐる攻防がまずは注目され、下回ると200日線がターゲットに

<< 東京市場の動き >>

2日の東京市場はドルが小安い。しかし、前日に続き135円割れをうかがうも、しっかりと割り込むことは出来なかった。

ドル/円は135.25-30円で寄り付いたものの、基本的には低位揉み合い。135円前半を中心としたレンジ内での一進一退をたどり、前日安値も一時下回った。そうしたなか、終盤にかけて135円割れをうかがう局面も観測されたが、しっかりとは割り込めず。16時現在ではドル安値圏の135.05-10円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「米ファンダメンタルズと金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、先月末30日にパウエルFRB議長が「早ければ12月にも利上げペースを減速させる可能性」といった内容を示唆したことがマーケットの波乱要因となったが、昨日も引き続き米金融政策をめぐり市場の混乱は続く。発表された11月のISM製造業景況指数が予想を下回ったうえ、分岐点とされる「50」を割り込んだことがまずは嫌気されていた。しかし、要人発言はNY連銀総裁が「過度に高い物価上昇圧力を抑えるためには追加利上げが必要」とややタカ派寄りのコメントを発したのに対し、バーFRB副議長は「我々は制約的な領域に入っていると考えている」と逆にハト派発言。まだまだ発表される米経済指標などをめぐり、思惑の交錯した展開をたどりそうだ。

対して後者は、ロシア外相から「米国とNATOは、兵を訓練することによってウクライナ侵攻に直接参戦している」といったけん制とも恨み節ともとれる発言が聞かれるなか、ペスコフ報道官からは「年内に米政権と連絡を取る計画はない」とのコメントも発せられていたようだ。ただ、その一方米国サイドも、バイデン米大統領が「プーチン大統領とすぐに接触する計画はない」と軽くいなす発言。一部で和平交渉への期待も取り沙汰されているが、遅々として進んでいる感はうかがえない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、高値151.94円を起点にしたドル下落第一波が約3週間強のあいだに14円下落したことに続き、足もとの第二波は142.25円を起点に2週間弱で7円強の下落をたどっている。ペースとすれば前回第一波にほぼ匹敵するもので、さらなる下落にも要注意だ。ちなみに、目先的にはしっかりと割り込めない135円レベルの攻防にまずは注目で、下回るとジリジリとレベルを切り上げ134.40円程度まで達している移動平均の200日をめぐる攻防が注目されている。
30日に発せられたパウエルFRB議長のハト派発言は、サプライズだった感を否めないが、本日発表される米雇用統計の内容などによっては、米金融政策がまだ二転三転する余地が残っているなどと指摘する声もある。ちなみに、米雇用統計のうち市場筋のあいだの関心が高い非農業部門雇用者数はプラス20万人、失業率は3.7%程度を見込む向きが多いが、前述したISM製造業景況指数のように、ここ最近発表される米経済指標はやや悪い内容が多く、リスクとすれば悪化方向との見方も。果たして結果はどうなるのだろうか。

テクニカルに見た場合、ドル/円は安値130.40円を起点にした上げ幅のフィボナッチ76.4%戻し135円半ばを割り込んでおり、フィボナッチの観点ではさらなるドル安進行も否定できない。そうしたなか、移動平均では下方に位置していた200日線が、気が付いたら結構間近へと迫っている。まずはその攻防に注目だ。下回ると、131円後半そして前述した130.40円なども薄らと視界内に。

一方、本日は米経済指標として、11月の雇用統計が発表される予定となっている。ちなみに、ここ最近発表される米経済指標から悪い内容への耐性はある程度ついているなどとする声もあり、逆に好数字の場合の方が影響は大きい可能性も。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは133.60-135.60円。ドル高・円安方向は東京高値である135.60円レベルが最初の抵抗。上抜ければ136円台乗せも予想されるが、それでもドルの上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、135円レベルをめぐる攻防がまずは注目され、下回ると200日線がターゲットに。それも下回ると、明確なサポートはまたしばらくなくなることが若干気掛かりではある。

ドルいまだ下げ止まらず、米雇用統計を注視

ドル円日足


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