FRB議長の発言注視、荒い値動き継続も(11/30夕)

30日の東京市場はドルが小安い。終日を通して138円台、60ポイントほどのレンジ取引で明確な方向性も乏しかった。

FRB議長の発言注視、荒い値動き継続も(11/30夕)

FRB議長の発言注視、荒い値動き継続も

〇本日のドル円、138円台60ポイントほどの取引に終始、上値下値ともに堅い
〇週末の米雇用統計を控えレンジ取引継続か、ただし137.50-139.50といった荒っぽい乱高下には注意
〇12月FOMCでの0.75%利上げ観測は後退した感があるが、パウエル議長講演のタカ派姿勢の有無は注視
〇本日は11月ADP雇用統計、7-9月期のGDP統計改定値、米地区連銀経済報告など注目要因多数
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは137.70-139.30、139円の攻防に注目
〇ドル安・円高方向は137.90前後が弱いサポート、割り込むと137.50を目指す

<< 東京市場の動き >>

30日の東京市場はドルが小安い。終日を通して138円台、60ポイントほどのレンジ取引で明確な方向性も乏しかった。

ドル/円は138.65-70円で寄り付いたものの、基本的にはレンジ内での往来相場。上値も重く139円に届かなかった反面、下値も堅く138円を割り込むには至らなかった。日米株価の動き、そして月末ゴトー日で仲値なども注視されたが結局値は走らず。16時現在では138円半ばで推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、新華社通信が「中国指導部、抗議活動に強硬姿勢示す」と報じたように、治安維持に関する会議を開いたうえで「破壊活動や社会秩序を乱す違法な犯罪行為を法に基づき断固取り締まる」との方針を確認したという。そして、実際に警察官の大量配備などの対応により当局がデモの鎮圧に動いていることが、そこここで確認されていたようだ。その一方、米国防総省が「中国は35年までに核弾頭1500発所有の可能性」などとした報告書を発表。また別に「中国爆撃機が日本海飛行、空自機が緊急発進し対応」といった報道も散見されていた。

対して後者は、29日から12月6日までエジプトのカイロで協議を行う予定だった新戦略兵器削減条約(新START)をめぐる米露協議の中止について、双方がそれぞれに責任転嫁の動き。ロシアサイドは外務省のザハロワ報道官が、米国の「有害な」反ロシア的な行動が中止の原因と米国に全責任があるとの見方を示す反面、米国は国務省報道官が「延期はロシアによる一方的な決定だった」と述べている。そうしたなか、G7は法務相会合を開き、ウクライナ戦争犯罪調査の調整で合意したと伝えられている。今後の動きにも注目だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場はドル安方向へのリスクを内包しつつも攻め切れず、値幅的には少しずつ落ち着きつつある。本日もなかなか重要な材料を控えているが、週末に注目の米雇用統計発表を控えていることで、いましばらくはレンジ取引が続く可能性もある。ただし、レンジ内ではあるものの、そのなかでの上下動はなかなか激しい。137.50-139.50円といったボックス圏での荒っぽい乱高下には一応要注意だ。
次回12月13-14日の米FOMCにおける0.75%利上げ観測は後退した感があるが、本日は発表される米経済指標とともに、パウエルFRB議長による講演を注視している向きも多い。週明け28日に聞かれた米地区総裁らの発言は総じてタカ派だったが、それに続く内容となるのか否かに注目したい。なお、コロナ感染者の増加を受け、フランスの報道官が「公共交通機関を利用したり、重症化リスクの高い人と接触したりする際はマスク着用を検討するよう国民に求めた」と報じられていることがやや気掛かり。今後、他国へも広がりを見せるのか注目だ。

テクニカルに見た場合、ドル/円はまだ断定はできないが、ドル下落第二波が始まったとの見方は早計だったか。28日安値137円半ばが底堅く、その後は接近することもままならない。とは言え、一方でドルの上値も重く140円はかなり遠くなったイメージだ。目先は居心地の良い137.50-139.50円で推移し、次の方向性を探る動きをたどる展開もあり得る。

本日は米経済指標として、11月のADP雇用統計や7-9月期のGDP統計改定値が発表されるほか、米地区連銀経済報告も公表される見通しだ。また、パウエルFRB議長による講演も予定されるなど、材料的には注目要因目白押しとなっている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは137.70-139.30円。ドル高・円安方向は東京で一度も回復できなかった139円の攻防にまずは注目。抜ければ、昨日高値を含めた139.40円前後、そして139.59円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、目先的に137.90円前後が弱いサポートか。そして割り込むと28日安値の137.50円を目指す。仮に後者も下回るとドル下落第二波入りを確認か。

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ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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