ドル円、不冴な米経済指標とハト派な米FOMC議事要旨で大幅下落。一時139円台前半へ(11/24朝)

23日(水)のドル円相場は大幅下落。

ドル円、不冴な米経済指標とハト派な米FOMC議事要旨で大幅下落。一時139円台前半へ(11/24朝)

ドル円、不冴な米経済指標とハト派な米FOMC議事要旨で大幅下落。一時139円台前半へ

〇ドル円、米経済指標の不冴えとFOMC議事要旨のハト派的内容に米国時間に139.18まで下落
〇FOMC議事要旨には「大多数の当局者が利上げペースの減速が近く適切になると認識」との記載
〇ユーロドル、米金利低下、独PMIの予想を上回る内容等に1.0405まで上昇
〇ドル円、一目均衡表の「雲」下限を割り込み、三役逆転も成立、テクニカルの地合い極めて弱い
〇ファンダメンタルズも米利上げペース鈍化の方向性が決定的となりつつあり、ドル円の重石に
〇本日は米国が感謝祭で休場、市場参加者の急減を通じ、動意が失われる膠着相場を予想
〇本日の予想レンジ:139.00ー140.00

海外時間のレビュー

23日(水)のドル円相場は大幅下落。欧州時間にかけて、高値141.62まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米新規失業保険申請件数(結果24.0万件、予想22.4万件)の冴えない結果や、(2)米11月製造業PMI(結果47.6、予想50.2)および、米11月非製造業PMI(結果46.1、予想48.1)の市場予想を下回る結果、(3)上記を背景とした米国のリセッション懸念再浮上(米利上げペース鈍化観測再開)、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力(米10年債利回りは約1週間ぶり低水準となる3.69%へ急低下)、(5)米主要株価指数の堅調推移(リスク選好のドル売り圧力)、(6)米FOMC議事要旨にて「大多数の当局者が利上げペースの減速が近く適切になると認識」「急速な利上げによるリスク増大を認識」とのハト派的な見解が示されたこと等が重石となり、米国時間午後にかけて、安値139.18(11/17以来の安値圏)まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/24午前5時45分現在)では、139.45前後で推移しております(日通し高値から2.44円の急落劇)。

23日(水)のユーロドル相場は堅調な値動き。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)株式市場の堅調推移(リスク選好のドル売り圧力)、(3)ドイツ11月製造業PMI(結果46.7、予想45.0)および、ドイツ11月非製造業PMI(結果46.4、予想46.1)の市場予想を上回る結果、(4)ユーロ圏11月製造業PMI(結果47.3、予想46.0)および、ユーロ圏11月非製造業PMI(結果48.6、予想48.0)の市場予想を上回る結果、(5)米経済指標の冴えない結果、(6)米FOMC議事要旨のハト派的な結果が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0405(11/17以来の高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/24午前5時45分現在)では、1.0398前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は11/21に記録した直近高値142.26をトップに反落に転じると、昨日は一時139.18まで急落しました。アップサイドから複数のレジスタンポイントが垂れ下がってくることや、ローソク足の一目均衡表雲下限割れを経て強い売りシグナルを示唆する三役逆転がついに成立したこと等を踏まえれば、テクニカル的に見て、地合いは極めて弱いと判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米利上げペース鈍化が強く意識されていること(米当局者はここ数日相次いで市場の過度な織り込みを牽制する発言を繰り返しましたが、直近2週間で明らかとなった米CPIおよび米PPIの急激な鈍化や米経済指標の冴えない結果を踏まえれば米利上げペース鈍化の方向性は決定的)や、(2)日米名目金利差縮小観測(市場は半年先を見据えて形成される傾向にあるため、市場の焦点は既に来年5月時点で米FRBが利上げを休止させているか?ターミナルレートが5%を下回っているか?黒田総裁退任後の新日銀体制下で金融緩和脱却の議論が進んでいるか?に移行済み)、

(3)上記に伴う円キャリートレード逆流懸念(ドル買い・円売りポジションの巻き戻し)、(4)対主要通貨でのドル売り再開(ドル独歩高が世界にもたらす悪影響が意識され始めていることや、米議会のねじれ化に伴うドル買い圧力減退)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、短期的にも中長期的にも、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米国が感謝祭(Thanksgiving-Day)で休場となるため、市場参加者の急減を通じて、海外時間帯は完全に動意が失われる膠着相場となりそうです。

本日の予想レンジ:139.00ー140.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、不冴な米経済指標とハト派な米FOMC議事要旨で大幅下落。一時139円台前半へ

ドル円日足

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