ドル円、米当局者によるタカ派的な発言を材料に142円台まで大幅上昇(11/22朝)

週明け21日(月)のドル円相場は大幅上昇。

ドル円、米当局者によるタカ派的な発言を材料に142円台まで大幅上昇(11/22朝)

ドル円、米当局者によるタカ派的な発言を材料に142円台まで大幅上昇

〇ドル円、米国時間午後にかけて、高値142.26まで急伸
〇先週末からのドル買いの流れ、中国ロックダウン再開懸念からのリスク回避の動き等が背景
〇ユーロドル、ECB関係者のハト派発言、独PPIの急低下等に米国時間に安値1.0223まで急落
〇ドル円、一目均衡表の「雲」下抜けに失敗するも上方向にレジスタンスポイント多く上値限定的
〇ファンダメンタルズも米利上げペース下落に関する市場コンセンサス不変
〇感謝祭前のポジション調整的ドル買い一巡後は、ドル円下落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:140.75ー142.75

海外時間のレビュー

週明け21日(月)のドル円相場は大幅上昇。(1)前週末金曜日のドル高の流れを引き継いだこと(ボストン連銀コリンズ総裁やセントルイス連銀ブラード総裁によるタカ派的な発言→米ドルのショートカバー誘発)や、(2)本邦輸入企業による実需のドル買い・円売り、(3)日米名目金利差に着目したミセスワタナベの円キャリートレード再開期待、(4)中国における新型コロナウイルス再拡大懸念(中国政府のロックダウン再開懸念)、(5)上記を背景としたリスク回避のドル買い圧力(株安→ドル買い)、(6)対資源国通貨でのドル買い圧力(石油輸出国機構プラスが12/4に開催される閣僚級会合に向けて増産を検討するとの一部報道で資源国通貨売り・ドル買いが活発化→但しサウジアラビア当局が後に同報道を否定)、

(7)11/14に記録した直近高値140.80を突破したことに伴う仕掛け的なドル買い・円売り、(8)サンフランシスコ連銀デイリー総裁による「インフレは容認できないほど高い」とのタカ派的な発言、(9)ショート勢の大規模ロスカットが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値142.26(11/11以来の高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/22午前5時50分現在)では、142.02前後で推移しております。

週明け21日(月)のユーロドル相場は大幅下落。(1)中国を巡る新型コロナウイルス再拡大懸念や、(2)上記を背景としたリスク回避のドル買い圧力、(3)レーンECB専務理事兼主任エコノミストによる「75bpのような非常に大幅な利上げを検討するための土台もはや存在しない」とのハト派的な発言(ECBによる利上げペース鈍化観測→ユーロ売り)、(4)11/14に記録した直近安値1.0271を割り込んだことに伴う仕掛け的なユーロ売り・ドル買い、(5)ポルトガル連銀センテノ総裁による「次回12月の理事会で75bpから利上げ幅を縮小する可能性がある」とのハト派的な発言(ECBによる利上げペース鈍化観測→ユーロ売り)、(6)ドイツ10月生産者物価指数(結果▲4.2%、予想+0.7%、前回+2.3%)の急低下が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0223まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/22午前5時50分現在)では、1.0243前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は11/15に記録した約2カ月半ぶり安値137.68をボトムに反発に転じると、昨日は一時142.26まで急伸しました。一目均衡表雲下限割れの失敗(強い売りシグナルを示唆する三役逆転の成立失敗)と、それに伴う米感謝祭入り前の大規模ポジション調整誘発がドル円急上昇の背景と考えられます。但しアップサイドに複数のレジスタンスポイント(一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線や一目均衡表雲上限など)が並んでいること等を踏まえれば、テクニカル的に見て、上値余地は限定的と考えられます(ポジション調整一巡後の反落リスクに要警戒)。

ファンダメンタルズ的に見ても、米利上げペース鈍化の基本路線に変わりがないこと(ここ数日、米FRB当局者よりタカ派的な発言が相次いでいるものの、直近で発表されたCPI及びPPIの大幅鈍化を背景に次回12月会合で利上げ幅を75bpから50bpへ縮小させ、その次の来年2月会合で50bpから25bpへもう一段縮小させるとの見方が市場コンセンサスである点は不変)や、上記を背景とした日米名目金利差の縮小観測(円キャリートレード逆流への警戒感)、米政府・米当局による円買い介入容認観測(米財務省は半期に一度の為替報告書の中で日本の為替操作国認定を見送り)など、ドル円相場の反落を連想させる材料が揃っています。

足元の急伸はあくまで米感謝祭前のポジション調整と考えられることから、当方では引き続き、一巡後のドル円下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米11月リッチモンド連銀製造業指数や、クリーブランド連銀メスター総裁発言、カンザスシティ連銀ジョージ総裁発言、セントルイス連銀ブラード総裁講演に注目が集まります(米国経済イベントは少ないものの、1日に2円以上もの値幅を伴うボラタイルな相場展開が直近2週間に亘って続いているため、本日も予想以上に振れを伴う不安定な値動きに要注意)。

本日の予想レンジ:140.75ー142.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米当局者によるタカ派的な発言を材料に142円台まで大幅上昇

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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